「51」シンクエンタ・ウノのブログ

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ミホノブルボン

2017-03-05 04:36:14 | 日記
 先月の終わりにミホノブルボンが28歳で亡くなりました。

 ミホノブルボンといえば92年の皐月賞、そしてその次の日本ダービーと無敗のまま2冠を達成した馬です。前年の91年にも、僕の好きなトウカイテイオーが同じく無敗の2冠を達成してたのですが、この年代の競馬ってもの凄く盛り上がってたんですよね。

 前年の有馬記念でも、あのオグリキャップが奇跡をおこし、明けてその年にトウカイテイオーが2冠達成、そして次の年にまたミホノブルボンが無敗で2冠達成。凄い時代ですよね。そりゃ盛り上がるわ。

 残念ながら3冠馬は94年のナリタブライアンまでお預けになるんですが、このときのトウカイテイオーとミホノブルボンは結構対照的でトウカイテイオーはその前の3冠馬シンボリルドルフの初年度産駒。父に3冠馬を持つ血統で誰からも期待されてました。実際ダービーまでは無敗で勝ち進むんですからね。所謂エリート。

 かたやミホノブルボンは父親はマグニチュード。現役時代は6戦0勝。一度も勝ったことがないんですが血統の良さゆえに日本で種牡馬として輸入されます。でも実績がないから評価もイマイチ、実際にはミホノブルボン自体700万円で取引されてます。所謂雑草。

 この「雑草」ミホノブルボンを鍛えに鍛え最強馬へとのし上げていく調教師との出会いがこの馬の運命を変えて行きます。


 初めてこの本を読みました。作者の「戸山為夫」さんは、ミホノブルボンを最強へと押し上げた調教師の方です。

 じつはこの戸山さん、ミホノブルボンと出会った時には実は癌に冒されていたそうなんですが、晩年には「私から競馬を取り上げたら癌しか残らない」と冗談めいてたそうですけど、僕たちの記憶にはしっかりと「ミホノブルボン」と云う名馬の記憶を残してくれました。

 この戸山さんて方は凄い方で「馬を鍛えるには自身も鍛え上げなければならない」とか「血統が名馬を作るのではない」とか・・・とにかく沢山の名言を残されていて、とにかく馬のみならず自身の鍛錬も踏まえてその『人間力』を上げる事を怠らないその姿勢は没後24年後の今でも通じるものがあると思いますね。

 競馬好きな方は是非読んで貰いたいし、そうじゃない方でも「組織」や「社会」に自身の経験から論じ「仕事観」にまで及ぶので読んでて飽きなかったです。3時間ぐらいでサクッと読めちゃいました( ̄▽ ̄)ニヤリ

 戸山さん自身はミホノブルボンが残念ながら3冠を達成できず次のステップに上がる際に癌が悪化し次の年のダービー前日の5月末日お亡くなりになられます。

 ミホノブルボンはというと、さっきのトウカイテイオーとミホノブルボンて同じレースで顔を会わせることなく終わっちゃうんですよね。トウカイテイオーが勝った92年のジャパンカップ、その年の菊花賞で3冠目を取り損ねたミホノブルボンが次のレースとして調整してたのがそのジャパンカップだったらしいんですが・・・。残念ながら菊花賞後にミホノブルボンは故障が発覚。そのまま次の年まで懸命に治療するのですが結局93年に引退。結局その菊花賞が生涯最後のレースとなってしまいます。戦績は8戦7勝1敗。

「坂路の申し子」と言われるほど、そのハードトレーニングで鍛えられた筋肉は見るものを圧巻させ、他のどの馬にもない圧倒的な存在感は出走するレースすべてを支配してました。最後に負けた菊花賞でさえもです。2冠達成の日本ダービーで1コーナーに向かって外枠のミホノブルボンがスーッとハナを切って行く姿が印象的でした。

ご冥福をお祈りします。
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