映画

2015年08月10日 | ■MOVIE
今日はロックストックとベルベット観た!

どっちも好きな映画だから久々観て楽しかった。

ロックストックでは何よりスティングやばい。あと独特のあのテンポと曲も素敵❤️








ベルベットの方は、ジョナサン・リース・マイヤーズが。ぐは!吐血!😍❤️❤️❤️❤️❤️

ユアン・マクレガーもすんげーいいキャラ!
またクリスチャン・ベイルが若っ(笑
曲むっちゃいいし服が可愛いー❤️
写真は、一枚セピアっぽい奴が
ベルベットゴールドマインで
他全部ロックストック

ミニオンズ

2015年08月04日 | ■MOVIE

映画始まる前に出てくるこいつら。
前から気になってたわけ。
そんで映画あるの知らなくって観たわけ👀

くそっ!!!!!!!😍😍😍

可愛いすぎた……!!!!!❤️❤️❤️❤️

むっちゃハマった!❤️
あたしが観たのは2だったが
むっちゃ面白い映画やった!

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ロード オブ ウォー

2015年04月04日 | ■MOVIE
ロード オブ ウォー

*ネタバレ注意*

映画『ロード オブ ウォー』を、たまたまテレビでやってて観た。パッと見たら武器の売買のような感じで、一瞬、例のボウトでは?と思い。最後まで観てから調べた。
やっぱり!!

とても後味の悪い話。分かっているのに、事実なのに、誰も止められない。やるせないような。

武器さばいてる人は、それによって死ぬ人を同じ人間とは思わないのだろう。微塵も良心など存在しない。
だからこそ、武器商人なのだ。

こういう人たちが必要でない世界になればとおもわずにいられない。こう言う事を平気でやる人間が政治を動かさないようになればと願わずにいられない。
ちゃんと罰せられるなら良いけど、所詮、黒幕はアンタッチャブルだから、気に入らない。

主人公は、ユーゴスラビア紛争に世界が目を向けている間、無視されているアフリカに乗り込んでいって、腐敗独裁政権と取引する。こう言う仕事内容は当然奥さんには言っていない。だがそれもバレる。妻の信頼を得たいのだが、武器売買はやめられず、結局、奥さんと子供は出て行ってしまう。

弟を連れてアフリカへ取引に行けば、行けばで弟は殺されてしまう。
弟は、難民キャンプで起きている出来事を目撃し、武器売買は中止しようと兄に懇願する。そもそも主人公たちが武器を売ったら何が起きるかは分かりきっている。難民達はどうなる?
弟を宥め、主人公は、武器取引を進める。弟は、武器を積んだ車を爆破。当然その場で射殺された。

さらに帰国すれば、捕まった。

自分の親は、息子は死んだと言って縁を切る始末で、家族を失い弟を失い、孤独になる主人公。

けれども彼は逮捕されない。結局すぐ釈放される。
それは主人公が説明してくれる。

彼のようなフリーランスの武器商人は、武器取引に手を染める大国にとって、都合が良い仕事をする。つまり主人公が逮捕されないようなバックアップをアメリカと言う国がやるのだ。主人公は使えるのだろう。今は。

主人公は、世界は武器商人が受け継いでいくなどと言うような悪夢の台詞を吐く。

そして、人生を憂いでいるような表情で、世の中を悟っていると言いたそうな感じだ。それが滑稽ですらある。

自分の儲けるためなら、戦争の被害者が、どんな目にあおうが構わない。
その世代だけの問題じゃない。
戦争の傷は何世代も受け継いでいくものだ。

ものすごく多くの命が奪われていきながら、たった一部のこうした人間が、それによって財を成す。

ただ、こう言う人間の代わりは、腐るほどいる。主人公のような成り上がりは、ちょっと厚かましさを持ちすぎている。今回逮捕されなくても、いずれ運も尽きるだろう。

武器を本やペンやノートなどに変えたら、世界に教育の機会が訪れて、無益な争いを避けられる機会が生まれるかもしれない。
が、そんなことは主人公には理解できない。
人の心など持ち合わせていないから。
ただ、平和が訪れると自分が困るので、そうならないよう必死に努力する。

こう言う人間が存在価値を失う世界になるよう、主人公と闘う人達の努力が、いずれ勝利するだろう。
歴史のある職業だが、足掻いても、最早必要とされない時代が来るに違いない。
今はまだ、その時じゃないかもしれないが、いつまでも、一般人が騙され続けることはありえない。

本当最低な人間の映画だが、映画自体の雰囲気も良いし、こう言う映画はあったほうが良いと思うな。

ハートロッカー

2015年03月17日 | ■MOVIE


ハートロッカー

*存分にネタバレしてますご注意*

《イラクには兵隊用語で、爆発を例えて、「"ハートロッカー(行きたくない場所/棺桶)"にお前を送り込む」という言い方がある。》パンフレットより。

何度見ても緊張する。
いつの間にか主人公に惹かれるから一層、ドキドキして見る羽目になる。
なんかドキュメントっぽい。
しかも前に観た他のイラク戦争の映画よりか、土地の様子がリアルに感じられる。

それで、何処で撮られたものかを確認すると、ヨルダンだった。
パンフレットによるとヨルダンには、イラク人も多くおり(実際その他シリアやパレスチナの難民もいる)、中には俳優もいて、映画に参加したそうだ。

映像ではカメラがよくブレる。わざとだろう。
有難い事に酔わない。

主人公は何度もイラクにやってくる。

イラク戦争、爆発処理が任務の米軍兵士が主役。
800個以上の爆発処理を行ってきた。
873個!
それだけ死と直面してきたわけだ。

主人公に惹かれるのは、謙虚だからだと思う。地元の人の心を理解しようと努めているように、それとも、平和を心の底から願っているのかも、と、所々で感じられる。

これでまた不満分子が増えた、と呟く時、子供とサッカーをして遊ぶとき、知り合いの子の行方を探すとき。

この、爆発処理の仕事を、淡々とこなしていく姿が続く。
時には、砂漠で撃ち合いになることも。

2004年のイラク。
主人公は、車に隠された爆弾の処理に当たることもあったのだが、その爆弾が積まれた車が燃えているのを消火器で消し止め、車中に入って仕事を行う。

こちらは、もう見ているものが信じられなくなる。燃えている車ーそれも爆弾が積まれた!ー に近づくのも恐ろしいだろうに。

路肩に埋められた爆弾があちこちで炸裂したりするようになってしまったイラクでは、爆弾が埋められた場所に白い旗が立てられていたと言うのを前に本で見たことがある。

主人公は、帰国し、自分の幼い子供と妻と再会する。

そしてまたイラクへ帰る。

彼は奥さんに言う。
イラクでは、子供たちに飴を配り、子供が集まってきたら爆破するような事がある、だから行かないと。っていうような事を。

なので彼は、イラクへ何度でも戻ってくるのだ。
どうせ死ぬなら気持ちよく死にたい、なんて言って、処理に当たる。
幾つも繋がった爆弾が、土から現れる。
携帯で遠隔操作を行っている者が近くに居るかもわからない。

爆弾は厄介過ぎる。

子供たちが走り回るかもしれないのに。
あたしはとても不安になる。

その中を、主人公が次々、爆弾処理をしていく。

彼と、爆弾との闘いがずっと続く。

最初に爆弾処理に当たった人は爆風で殺された。防護服は完璧に守るものではないしとても重たそうだ。

ちょっとの爆風で、少し離れた所にいても、背中を向けて逃げる間、背中は熱風で火傷するのだと、何かでみた。
とにかく、爆風で飛んだ何かの破片とかで、殺されたり、失明したりするというのは、よく知られている。
だからピンポイントで空爆しようと、巻き添えになる人達が多く居るだろうなと思う。余計に人の恨みを買うだけなのではと思うことがある。

映画では、25mだったかな?以内は、死の領域だと言ってた。

これについて、パンフレットでは、
《爆弾の破片は、毎秒およそ820メートルの早さで飛ぶ。爆発の中心地から膨張して出てくる加圧ガスの衝撃波には殺戮能力があり、時速21,000キロの速さ、1平方センチ辺り、110トンもの力で飛び出す》パンフレットより。
となる。
数字に弱い私には何が何やら?だが。

彼が爆弾の処理にあたることで、死なずに死んだのは米軍兵士だけではないはずだ。
最後に出てきた人は助けられなかった。それをわかって主人公は相手の目を見つめて謝罪した。

米軍が嫌われる理由があった面も存在し、米軍を攻撃する人達がいたのは事実で、反米でなかった人までそうなっていってしまった面もある。テロはずっと起き続け、たくさんの兵士やイラク人、そこにいた人や、ジャーナリストが殺されたりした。

けれど、この主人公が救ったのは米軍だけじゃないだろう。

こんな現場は決して増えないほうが良いのだけど。

爆弾の処理にあたって、もしくは爆発によって殺された人は恐ろしいほど居ると思う。そうした事が伝えているのは、なんだろうか。

戦えば戦うだけ無意味な負の連鎖を起こしている可能性がある。

このイラク戦争に日本人のあたしも、無関心で居てはならない。

主人公はまた戦場へ。今度も帰って来れるのかは誰にもわからない。

アメリカンスナイパー 映画とPTSD

2015年03月02日 | ■MOVIE


↑パンフレットから適当に選んで

『アメリカンスナイパー』
*ご注意!!*この記事は時々ネタバレしてます*あらすじにはほとんど触れておらず感想メインですがネタバレも含みます*

観て良かった。映画館で泣いたのは初めてだった。
戦争美化している映画って言う批判もあったらしいが、むしろその逆。
確かにアメリカが、イラクの人達から嫌われるだろうなあ~と思うような部分には、あまり触れられてはいないが、この主人公の生きた人生をひたすら追っていくことで、何が問題なのかが、はっきり見えてくる。
そこで、観ている方は、いやというほど争いの愚かさをまざまざと知る。
だから、この映画を見たら、戦争美化とは間逆の思いを抱く。

撮影はモロッコ!やっぱり!!

映画は、アザーンと思われる音から始まる。戦地で響くスピーカーからの祈りの音。
戦地にいる人ほど祈りたくなるのではないのだろうか?と思うが、実際はどうかわからない。あまりに悲惨な世界を見ると、神など居ないと思うかも知れない。
想像しても、わからない。

前に、「告発のとき」と言う映画があった。戦場を舞台にしていないけれど、戦争とずっと向き合っている映画だ。戦地へ向かった兵士の心の問題に触れられていて、子供が言う台詞がぐさりとくる。昔話を聞いた子供が、王様はどうして子供に戦争へ向かわせたの?というようなことを言うのだ。

この映画も、どうして、兵士は心を病むのか?と言う点に触れている。

戦争から帰還した兵士の五人に一人が心の問題を抱えているというのを見た。
あたし自身PTSDでも、相当辛く、これ以上のひどいものなど想像を絶するのだが、兵士の方はPTSDと言う言葉では表現できないほどの重度のPTSDだと言うのを見たことがある。

主人公は、ちょっとした音に非常に鋭い反応を示していたが、まさにPTSDの症状の一つだ。
あたしのは彼よりずっと軽いPTSDだろうが、それでも、同じように、ちょっとした音にパニックする。
人より強烈に反応するのは、音が、平穏な神経のときよりずっとずっと、大きく響くからだ。それは音量のことではなく、頭に高性能センサーが取り付けられていて、頭の奥から響いているように聞こえたりするのだ。

なってみないとわからない感覚だが、決してPTSDをオススメできない(笑)

主人公の心は蝕まれていくと言うより、傷口がどんどん悪化していく。
同じ意味のようで、心を蝕まれると言う表現は、あたしは使いたくない。

主人公が、弾丸を打ち込むように、米軍がミサイルを撃ち込むように、武装組織が攻撃してきて銃弾を浴びせるように、
主人公の心は、それと同じだけか、それ以上かの傷を、心に受けていく。

見た目には全くわからない。
傷は心に受けており、体に見えないから。けれど心の状態が体を借りて見えたとしたなら、自力では立っていられないほどだろう。

右に曲がるか左に曲がるかで、生死を分けるような場所で、生きることへの緊張感と、目にしたくも無い仲間の死と、その他多くの死、あらゆる惨劇の真ん中にいる事は、あたしから見たら、心が拷問され続けているのと同じに感じる。

一面に広がる景色は死と、廃墟で覆われている。人々が暮らす通りでも、次の瞬間に死は訪れる。

ズタズタになっている廃墟を見ると、ここに住んでいた人達のどれほどの人が死なずにすんだろうかと思う。どれほどの人が怪我を負っただろう。どれほどの人が難民になっただろう。外国へ引っ越したのだろう。

主人公らは、アメリカが何故か、フセインとつるんでいるように言っていたザルカーウィーらを標的にする。つるんでいたという話はデマなのだが、そもそも、フセインを倒しにイラク戦争に突っ切ったこと自体が、疑問ありありの展開だったのだ。日本はそれに賛同した。そのことは忘れられて良いはずがない。

主人公が敵対する武装組織は、アルカイダだけではないが、ともかく敵方にはとんでもない狙撃手がおり、何度も危険な目にあったり仲間を撃たれたりする。

実際、前に読んだ、ある本でも、武装組織の狙撃手の恐ろしさが書かれていた。本では、米軍の兵士が次々と撃たれていくのだ。相手は、頭ではなく、首を狙ってくると書いてあった。その本もすごくリアルだったが、映画に話を戻そう。

主人公は、敵の狙撃手を遂に撃ち倒す。
主人公は、仲間を助けるために戦地で敵を撃つのであって、除隊してからも、もっと仲間を助けるために敵を倒したかったと言う。

前にテレビで見たが、アフガニスタンの戦争に参加した当時ソ連の友好国の兵士が、帰還した後、あの戦争は間違いだったと言われる事に苦しんでいた。

自分たちは国のために戦ったのだから、間違ったことはしていないと思うのは当然だ。

実際、戦争で仲間を失い、後遺症に悩み、怪我を負ったりした人を孤独にさせてはならないのだ。

彼らは、敵に恨みを持っていてもおかしくもないし、安全な場所にいる人が見なくて良いような見たくもないものを見て帰ってくる。

彼らのような国のために戦った人達、戦う人達がいるから、私達は、守られている。

ところが、確かに現実は、イラク戦争は疑問視されることなのだ。

ここで折り合いが付かない。
国民全てが、ありがとうとは言わない。

兵士だけじゃなく、情報や諜報に関わる人達も、その他多くの人達が、国が安全であるよう国のために尽くしている。中には信じられないことをする人たちも居ようが、命懸けで国の安全を守ろうとする多くの人がいる。

安全な場所で守られている国の偉い連中らが、頭の中で戦争をするから、こんなことが起きるのではないのか。
自分勝手な思惑のために他国に干渉する国があるからではないのか。
争いが起きる素地が条件を満たしてしまうまで止められないからではないのか。

アメリカは、イラク戦争のあと、復興に向けてイラクで米軍を活動させていた。
主人公は、何度もイラクへ向かい、治安の悪い地域へ乗り込んでいく。

復興活動しているつもりでいても、米軍のことを占領軍だと思っている人もいただろう。
アグレイブ刑務所で行われた囚人の虐待が表に出たが、イラクの人達を、そう言う風に……虐待しても構わないような感覚で見ていた米軍の兵士なども、実は全体的に居たのではないのか。
そう言う人がイラクの人達を見る目が、その事件で一部形になって表に出ただけではないのか。
もちろんそんなことをしなかった人達だってたくさんいただろう。

でも、どうして米軍はそんなことをしたんだろうか?

もしかしたら、仲間が殺されたり、自爆攻撃などの被害に毎日のように遭遇して、終わらない争いの中で、恨みや怒りや疲れがあったのかもしれない。

いくら、腹が立っても人を虐待してはいけない。けれど、そんな当たり前の事が、そこでは機能しなくなるのかもしれない。

戦地で人を邪悪にしたりするものは、戦争の害で、そもそも人が正常に生活できるわけもない場所にいれば、心を冷静に保つことなど、ほとんど不可能ではないだろうか。

主人公が、敵を蛮人呼ばわりするが、彼にそう言わせるものはなんだろうか。

イラクからシリアなどに逃げて行った人達もいる。

前に見たある本では、ザルカーウィーは、イラクのシーア派とスンニ派を対立させる目的を持っており、宗派対立が起きず、イラクの人達が、一つになっては、自分たちの出番が無いのだと言っていた、と言うような事が書かれてた。

イラクでは、スンニ派の人達が、シーア派の首相に虐殺された事もあった。
米軍はイラクでシーア派の武装組織やスンニ派の武装組織とも戦う。

この映画の主人公達は、あるイラク人の一家に乗り込んでいき、ザルカーウィーの情報を提供しろと迫る。イラク人は当然なのだが、アメリカ人に協力していると思われたら危険な目にあうと言っている。

米軍が撤退した後も、そこでの生活があるイラクの一般人には当然の思いだろう。

この一家の結末は悲惨だった。

主人公の結末も衝撃的だ。

帰還した後も、後遺症に苦しみ、奥さんもまた、彼の心を心配し続ける。

実際に、離婚をされてしまう兵士もいるそうだし、そうでなくとも、家族が抱える問題は深刻だ。

大使館爆破事件に憤り、海軍に入る主人公。イラクでもアルカイダを追って武装組織と戦う。確かに彼の敵はアルカイダだった。

一度の戦いで倒せたらいい。
だが、敵は、イデオロギーであり亡霊なのだ。

だからこそ、完璧に壊滅は出来ないだろう。

フセインが独裁者でいた頃のイラクでは、確かにテロが毎日のように起きたりしなかったかも知れないが、フセインは信じられないほど、冷酷で残酷な人間だった。独裁者が抱える問題は、多くのところで、疑心暗鬼や権力への執着心ではないだろうか。

ちなみにトラウマも、PTSDの一つの症状だ。

主人公らの心の問題は丁寧に理解され支援されなければ、本人だけで立ち上がって行くことは無理だろう。


そして残念なことに、イラクにいる米軍や外国人が、どんどん危険になるような状況にしかならない。

圧倒的な善は、悪を壊滅しようと徹底的に行動に出る。だけど、その善は、善である行為に、結果的にはならなかったりする。

暴力で倒そうとする場合、心を入れ替えて、平和を目指すようになる人は、どれくらいいるだろう。
もっと頑なに、そして過激な思考になってしまう人は、たぶん多いのではないか。

アルカイダの現在リーダーであるザワヒリと言う容疑者も過去にエジプトの刑務所で拷問にあって、過激な思想になっていったと言う話もある。事実かは分かりかねる。
たとえこういう人物でなくとも、暴力で倒そうとされたら、どんな人物でも、もっと強固になってしまう人は多いかも知れない。

事実かは分かりかねるといったのは、たいていの本でビンラディンは、米軍が、サウジアラビアに駐留した頃から過激な人物になっていくと書かれるのだが、この間アメリカで、テロの資金源などを暴く仕事をしている人の本では、そうじゃないことが書かれてたからだ。その人が匿名の人物なので、その話自体が事実かもわからないのだが。

恐怖で制圧する以外の方法をとりたいなら、とことん戦争行為ではない方法も、考える必要がある。

戦争行為では、敵と味方を作り、恨みや怒りを産み、廃墟と難民と死亡者を作り、それがどれだけテロとの戦いで優位になっただろう。

長い争いの中で、アメリカ自体が、疲れきっている。

何が勝ちで、負けなのか、はっきりできるだろうか。
何と戦っているのか、戦地へ行かない政府は本当に理解しようとしているんだろうか。

テロリストと手を組んだり、問題のある国への対応を友好国だからと曖昧にしていたり、しないだろうか。

その間にも、後遺症に苦しんでいる人達の戦争は終わらない。

国のために命をかけた人達を、その国の国民も政府もケアしていくのは当然のの事ではないだろうか。無関心でいると、彼らの傷はいつまでも癒されることはないのではないか。

PTSDは、あたしのような、戦争の後遺症ではない状態であっても、普通の生活を送ることに苦労する。
太陽を浴びろとか、外に出かけたらとか、一見素敵なアイデアであっても、(外は大きな音がするし人に酔うしパニックしやすい)逆効果をもたらすことも多い。
もちろんそう言うアイデアをくれた人にはたとえ逆効果であっても感謝している。わからない中で、励まそうとしてくれているからだ。
大丈夫だよと言われた時は、とても孤独になる。でも、相手には感謝しかない。
PTSDには自責の念という、自分が病気である事の無力感から、自分を責めて、最悪の場合、死んでしまうこともあるそうだが、近い経験をしているので他人事ではない。死の壁に挟まれて出られなかった時があったのだ。でも出た。
どうやって? 二、三カ月もした頃急に、目的を持ったからだ。

戦争の後遺症はおそらくもっともっと酷いだろう。


エンドロールの無音が、あたし達に突き付ける。

戦争が起きるのは何故?

平和になるためにはどうしたら?

それをみんなが考える映画だ。
観て良かった。

グレムリン

2015年01月08日 | ■MOVIE

グレムリン
*ネタバレ含みます*



去年のクリスマスにグレムリンがテレビでやってて、初めて映画を見た。

ギズモは前から可愛いなって思ってたけど、まさか映画が、こんな面白いとは嬉しい驚き。

とにかく最初から最後まで、本当にギズモが可愛すぎてたまらない。

今更ストーリーを紹介するまでもないと思うけど、軽くなぞると。
ある日ペットとして主人公に飼われたギズモ。水に濡れると増殖するという特徴があって、なんだかんだで、増殖しちゃう。おまけに増殖した方は得体の知れないモンスターみたいになっちゃって、(それがグレムリン)悪事をやりまくって街がパニックする。主人公は、奴ら倒すため頑張る。
みたいな感じ。

一貫してギズモは最後までずっと可愛いままで、主人公と行動する。
そのギズモの一挙手一投足可愛いすぎてやばい。声も何もかも本当癒される。
悪事を働く増殖したグレムリンの方は、自力で水に浸かって数をさらに増やし、街を大混乱に陥れるのだけど、この敵共のやることなすこと、また可笑しすぎる。

バーを占拠して、踊ったり、ポーカーみたいな事やってる奴らや、気取って酒飲んでる奴とかいて、なんかもう、本当にシュールにコミカルな具合で、笑ってしまう。おまけにギズモをいじめて、ダーツの的にしてしまったりするw
さらには事あるごとに、くそったれを連発(テレビ吹き替え。英語で言ってる言葉はあえて書かない)。その「くそったれ」 って言うのにも、いちいち笑ってしまう。

2もあって、ありがたい事に視聴者プレゼントで当たったので観れた♬
2の方は、もう作品がやりたい放題で(笑)遊び心のあると言うのか、そんな展開wこれもまた、ギズモ可愛い&グレムリンのやる事の可笑しさで、最高だった。作品としては、1が傑作。
ただ、グレムリンの卵の感じとか、エイリアンみたいな気持ち悪さがあって、そう言うの苦手な方は無理かも。

もう映画見た時からアイフォの待ち受けギズモに変えた。

全編通して最高の映画だった♬
観れて本当に嬉しいな^ ^

PINOCCHIO

2014年10月26日 | ■MOVIE




子供の頃に
ディズニーの絵本
見てて好きだった、
ピノキオ。

百均に行った時に
たまたまディズニーのDVDがあって
ピノキオとダンボを買って来た。

子供以来まともに見たが
面白かったな~。

誰もが知ってる名作なので
内容は割愛。

自分で作った人形を
子供にしてと 星に祈る
ゼペットさんを見ると
ピグマリオン思い出す。

登場する女神は
白雪姫とかシンデレラとか
ディズニーのお姫様の
亡霊みたいな 見た目。

ピノキオはもちろんだけど
猫のフィガロが
ゼペットさんに摘まれた時の
気持ち良さそうな感触が印象的。
あたしも あの猫つまんでみたい。

子供たちが大量に誘拐されて
ある島で、ロバにされてしまう
展開は、想像すると結構怖い。

何より金魚のクレアが可愛すぎる!

あの まんまるな顔や表情
めっちゃ癒されるわ~

ラストで、ピノキオが
死んでしまったと皆が暗くなってる
シーンは、その先分かっていても
悲しくなってしまった。

それに最後ちゃんと
コウロギにバッヂが与えられる
って言うのが良い。

ディズニーの音楽と
見てて気持ちの良いキャラの
動きなど
ぐっと作品の中に引き込まれる。
古い映画なのが、また良い。


ted

2013年08月08日 | ■MOVIE

テッド
※完全ネタバレ注意

この映画、CMから気になってて やっと見たー。
まず お茶の間で見られないような下品な場面が
多くあるので、苦手な人は苦手かも?

ストーリーは単純明快で、友達のいない主人公の
願いが叶い、クリスマスプレゼントに親から貰った
クマのぬいぐるみtedが、魔法によって命をふきこまれ
主人公の親友となる。
ここまでは、何だか絵本的な気がしなくも無いけど
そうでもない。

皮肉がいっぱいで、ジャスティン・ビーバーもすぐ飽きる
なんて言いたい放題な(笑)内容で
可愛いはずの、ぬいぐるみのtedが、やたらに
マリファナきめたり下ネタ満載で、
主人公も大人になっても いつまでも このクマと
羽目を外してダラダラしており、恋人に呆れられたり。

全く可愛げのないはずのtedなのだけど、
やっぱり ぬいぐるみは ぬいぐるみなのだ。

主人公が、自分は大人にならなくてはと思い、
tedに独立してもらい、別れて暮らすことになるのだが、
帰っていく主人公を、そっと寂しそうにドアから見ているtedの
可愛さと言ったら。

どれほど下品でも、ted、憎めないわ。

主人公と喧嘩もし、これが意外に強かったりもする(笑)が、
彼女にふられた主人公に、一生懸命よりを戻すよう
説得したりとかして。

あの小さなぬいぐるみの体で、背広を着たり
ちょこまか動いたりしていると、物言わない時とかもう
すんごい可愛い。

ラストでは変質者に拉致されて、結局逃げるんだが
胴体を引きちぎられて、ただの ぬいぐるみになってしまう。

普通に、ぬいぐるみが引きちぎられるとか
絵的に本当に辛くなる。
tedだったら なおさら可哀想で。

ただの ぬいぐるみになってしまい、
友を失って落ち込む主人公といる、彼女が願いをかけて
tedは復活できるのだけど。

全然期待してなかったけれど、
本当に可愛いくて、にくめない。
いちいち 可笑しいし。
下品な冗談って、いまいち得意ではないのだけど
tedは なかなか。

人にお勧めするような映画ではない。
でも、観て良かったw


†るろうに剣心†

2013年03月26日 | ■MOVIE

 

※ネタバレ

この話はもともとは漫画なのだそう。
何気なく観た映画だったけど、期待してなかったからかw
割と面白かった。とは言え漫画までは見ない。

岡田以蔵を思い出した。と言うか、そうかなと思った。
違うかった(笑)。
NHKの「竜馬伝」で、以蔵をやっていた俳優が
人斬り抜刀斎と言う主役を演じていたせいか。
それとも、映画の監督が 竜馬伝の監督だからか。
竜馬伝で商売人になった岩崎の役者は、この映画で
金こそ全ての商売人で悪人として描かれている。
後藤象ニ郎だった役者は、喧嘩屋と言う役で。

竜馬伝のIFみたいに見ると可笑しいが(笑)、
そういうわけでもなく。

確かに漫画っぽい感じだった。
侍が剣で感じさせる、重厚感が物足りない。
でも、アクションでカバーしている感じ。
以蔵でなくてw 抜刀斎こと、剣心と言う男は、
動きが素早くて、今のはいったい?と言うようなアクションを
軽々とやってのける。
まるで 時代劇の中のマトリックスみたいな動きw

何の話かって、とても分かりやすい話で、時代劇って感じ。
むっちゃ強い主役が、出てくる大勢を倒してしまうって言う。
そのアクションが派手。敵も個性豊かに派手なアクションをする。
と言うような。

主人公の人斬り抜刀斎は
討幕派として人斬りで暗躍し、名を上げる。
そして時代は変わり明治。本人は人斬りをしていたのも
すべては 世の中が良くなるためで、
とてつもなく強いのだが、人殺しはもう嫌だと思っている。
なので、現在は人斬りはせずに 流浪しているらしい。

彼が過去に人を斬ってきた剣を、戦場に放置してくるのだが。
その剣を手に入れてしまった男がいる。

男はその剣を手に、あくどい商売人の武田観柳と言う
男の用心棒として働いている。しかも自らが人斬り抜刀斎と
名乗り、なりすましの殺人をやりまくる。

観柳の雇っている、そのほかの用心棒らと観柳こそ
退治することになる敵。

さて剣心は、一人また一人と知り合いが増えていき
現れる敵においては人を斬らずして次々とぶっ倒していく。
さすが無敵の主人公で(笑)、斬らなくても何とかなる。

全く何も分からないで見ていたら 山県有朋が出てきて
これ歴史の話?みたいな。

いちいち、圧倒的に強い主人公が良い。
普段は何を考えているか分からないが やけに柔らかい
感じの男で、ゆるいと言うより、ただ落ち着き払ったソフト(笑)。
侍だからかな。天然っぽいような感じ等微塵も無く
むしろインテリっぽい質感がする。

闘っているアクションは良いし、いつでも無敵に強いのも好き。
でも、ドキドキするものは無い(笑)。顔は可愛いのに残念だ。

観柳側にいる、変な面と黒の長髪をいつも付けている男がいい。
一人だけ無駄に静かで、この人物は大好きだ。
しかし残念ながら仮面を外したら、興味が無くなる。
と言うのも、仮面が無いと割と普通の悪役のようで(笑)。
仮面の下は金髪野郎で、(八重の桜の殿様の人かな?) 
早い動きで闘って頑張っていた。が、剣心に倒される。
仮面つけたままじっとしていたら 良いのに(笑)。

人斬り抜刀斎の成りすましの方の男だが、
こいつこそ、その名前に相応しい感じがした(笑)。
やたらと斬ってるし。しかも、どうかしていて超人的で、
変な術を使ったりもする。可笑しい、この人。
いちいち笑ってしまう。で、更に言えば、こいつは
剣心に倒されるのが最初から分かりきっている(笑)。
この辺がまた時代劇な感じとも。

この男に術をかけられた薫と言う女性は、
どうやら剣心が惚れているのか、薫が剣心に惚れているのか
と言う微妙な関係の人なのだが、その恋愛事情は
はっきり言って どっちでも良かった。
ただ、ラストで、術をかけられた薫が自力で術を解くところ。
これはいただけない。
この時、薫は自分を助けに来た剣心が、成りすまし野郎を
殺そうとしているのを止めるシーンがある。
この映画の 一番残念な点はそこかな。
「剣心やめて」 までは、まだいいが、その後、
喋りすぎなくらい、喋りまくる。
緊迫した空気を ぶち壊した挙句に、やたらに 台詞をぶちまけている。
あれは何なんだか(笑)。相当くどい。
まして息の苦しそうな感じで話すのが 拍車をかける。

普段は薫も そのほかの人物も、特に気になる事は
無いのだけど、ここだけは とてもだるい。

さて、途中まで、よく分からない人だった恵と言う女性は
質感が良くて、とてもいい味を出していた。
観柳にナイフを突き立てて、あたしも後を追ってやるなんて
言いながら、ぶっ殺そうとしている様が また素敵。

後は、佐之助。いや表情とか本当に良かった。
この話の中で唯一リアルな感じがする。
悔しそうな時とか、なんともいえない時とか。
人物の性格や、喧嘩屋ってものなどには 何も惹かれないのに
この人の演技には いちいち惹かれてしまう。

映画と言うよりドラマっぽい感じだったが
思っているより面白かった。
むちゃ強い主役が、派手なアクションで敵を圧倒する、
時代劇のような こう言う話、割と好きだ。


†ニーチェの馬†

2013年03月12日 | ■MOVIE

「A torinói ló」 ※ネタバレ

映画のタイトルは、ニーチェの逸話からきているもの。
逸話と言うのは、鞭で打たれる馬を見たニーチェが
駆け寄り、馬を守ろうとして 馬の首を抱きしめながら
泣き崩れ、そのまま発狂してしまった、って言う内容。

あたしには全くワケがわからないのだが、
監督は、その後、馬が どうなったのか疑問に思い、
この、世界が破滅へ向かう映画を撮ったらしいと
紹介されていた。

ニーチェの言葉に好きな言葉が沢山ある。
哲学がなんたるかは、ちょっと分からない。
紹介も何も知らなかったので、ニーチェの出てくる
伝記的な映画かな?と思って観た。
ところが全然違ってた。勿論ニーチェは出てこない(笑)
でも、これを観たのは幸運だった。

だって何度も流れる音楽が良かったから。

この作品は、あたしがこれまで見たことの無い独特さで、
あの感じを、どういえばいいか分からない。
特に重苦しいとは思わないし、軽いわけでも全然無くて、
一言で言えば、不思議。

殆ど台詞の無い、白黒映画で、内容はと言うと。
ただ、娘と父が、馬と暮らしている日々の生活が
淡々と続く。

外は、物凄い強風が吹き荒れていて、その風の音が
とにかく、ずっとする。ほとんど最初から最後まで。
その間に流れる同じBGM。この曲がいい。
後は、台詞もほぼ無いから、日常の音くらい。

ドアを開けた途端に、観ているこちらが目を塞ぎたくなる
ほどの、強風の凄まじい音や、砂埃の舞う様子。
毎日家の外が、こんな風だったら イライラしそうだ。

映画の中では、これでもかってくらい、じっと長い間、
そこにあるものを映したりする。
洗濯物だったり、窓から外を見る女性の顔だったり。

画面はゆっくりと、少しづつ、進んでいく。
観始めた時から急に、ひきずりこまれて
気が付いたら、入り込んでしまっていた。

内容には奇妙な点がどっさりとある。
あたしには理解できない点が。

ストーリーは6日間の親子の生活を追っていくのだが、
日常の様子と、その間に起きる変化が そこには描かれている。

親子は毎日、朝には酒を少量飲み、
御飯に、ジャガイモを茹でたのを、一個づつ食べる。
貧しさはともかく、娘が、食べることに意欲が無いように見える。

日々、決まったように同じことを繰り返す中で、
食欲と言った基本的な欲求から、感情や疑問までも、
殆ど表には出ず、言葉にも出ない。
馬に対しては、娘の心配や、父親の感情などが見えるが
二人で家に居るときは 殆ど無音。
会話するのも、業務的な内容が殆ど。
それ以外は、作業をしているか、窓の外をただ見ている。

無駄な動きをしない、有得ないほどシンプルに、
いつも通りに過ごすだけ。

父は片手が不自由なので服を着せるのを娘が手伝う。
この一連の動作も、ジャガイモを茹でる動作も、
食べるのも、朝、お酒を飲むのも、窓の外を見るときも、
どこにも、何かが立ち入る隙がないほどに いつも通り。

窓の外を見る目は二人とも暗い。

父の商売道具でもある馬は、何も口にしなくなってしまっている。
水も、食べ物も。娘は心配し、食べるよう言い聞かせるけども。

観ているこちらからすると、親子二人の生活には
昨日があったのか、分からない。
周りの変化とその影響が無い限り、
全部、同じ一日にしか見えなかった。

気が付くと そこまで闇が迫っていたのか?って言う感覚。

馬小屋にいる馬が、扉の閉まった真っ暗な中で
じっとしている映像がある。
何故か分からないが、とてつもなく残酷な映像に見える。
水さえ飲まなくなってしまったのは、暗闇のせいではと
思ってしまうほど、その闇が恐ろしい。

親子の家のランプは、油がさしてあるに関わらず
幾ら火を灯そうとしても、つかなくなってしまった。
家の中は闇に支配され、その中で、食事が始まる。
娘はジャガイモに手もつけないで じっとしている。
父親が、食べろと促すも、反応もしない。

娘のこの時の様子は、先に言った馬の様子と似ている。

二人のような生活をしたことがないので
いったいどう解釈すればよいか分からない。

毎日の食事は、ジャガイモ一個づつと決まっていて
明日は魚に、明後日は肉に、とはならない。
なる方が良いのかもしれないが 考えても意味が無い。
ひたすら毎日、これからもずっと、ジャガイモを食べる事になる。
それと同じように、生活も、おそらく、これからもずっと同じ。

そして外は強風、馬は弱り、井戸の水は
一夜にして枯れてしまい、ここを出ても行く当てがなく、
結局戻ってくるしかなかった。
その後の、暗闇、茹でることも出来ない生のジャガイモ。
食べるしかない、生きるためには。

いつもジャガイモを食べるのも
生活の動作の一つと化しているが、
では、それ以上に何を望めるかも分からない。

感情的になったり、無駄なことを沢山やると
ジャガイモでは、身体がもたないかもしれない。
いや食事がジャガイモだけだから体力が無いのかも?
いま、少し生活を振り返ることがあったら、
明日から同じことをしていけるのだろうか。

食べるしかない。生きるためには。

生きるって、こういうこと?

確かに強風や闇に襲われて、
世界は終わりに向かっているのかもしれないのだが・・・。

この親子が貧しいからと言って、映画の中では 
二人は常に素で、自分たちの日常の中で、
当たり前のことを当たり前のようにやり、生活している。
だから、貧しい親子と言う設定にありがちな
同情や涙を誘うちょっと奇妙な感じは、全く無い。

あたしが言って説得力は全く無いが、それでも
思っている事を言うと、この世の一番の悪は
貧困だと思っている。
あまりに貧しければ、心は蝕まれる。
何も貧しければ確実に悪人になるとかではない。
でも清く美しい心を貫けることなんて 普通有得ないことだと思う。
だから、そうした稀な場合の話が、ピックアップされるのでは。

豊かな人が経験せずにすむような、
悩みを抱えてしまう事は間違いない。
例えば家族がいて、そこに何も食べ物が無ければ
空腹になり腹が立つだろう。
怒りで子供に手をあげたり、夫婦なら喧嘩になったり。
病気になっても お金が無かったら。何をするにも、お金がいる。
けれども仕事が無いなら。
誰も助けてくれたりなんかしない。

貧困から発生する負の遺産は、どれほど大きいか分からない。

映画の意図するところは まるで違うところにあるかも
しれない。ただ、あたしには、それが何かを理解できない。
ただ、あたしが思うのは、巨大な闇は、死そのもの。
豊かでありながら、満足出来ずに、富を独占するものの
心の闇も、どうすることもできないでいる貧しい人の苦しみも
みんなのみこまれていく。

あたしは娘が、ジャガイモに手をつけないのを見て
この人の人生はここで終わるんだなと思った。

後で、ネットで監督のインタビューがあるのを見つけて
読んだら、「人生は労働であり、生き残るため、
自分を守るための労働である。生きるということは
闘っているということ」と答えている文があった。

その辺りが全くあたしには分からなかった。
二人が闘っていることには見えず
むしろ、生きていることに意味など持っていないように見えた。
何故、生きているかも分からないけど、疲れた。
そんな風に。

自分の心境などによって、見るその時々で感想が
変わりそうな、なんとも わけがわからない映画だけれど
無意味に「人生はこうだよ」「この映画の意味はこうだよ」
みたいなものを強く押し付けられない。
そこが すごく気持ちが良い。
人の生活や命や人生に対する、正しい一つの答えなんか
無いと思っているから。

結局、難しく考えだすと罠にはまりそうだ(笑)
ただでさえ、あたしには難しいことは分からないのに。

ところで これを観ていて何故だかおくりびとを思い出した。
あれは観た後で、生きてることが凄いって肌から細胞から
感じられる映画だった。この映画を観てそうなったわけではないが。
晩御飯にジャガイモだけではなくて 
色々なおかずがあるから有難いと思った。
所詮、あたしみたいな人間はこの程度だ。

それにしても不思議な映画。
観終わった後で心に残すものが、嫌なものではない。
なんだったの?また観てみようって感じの。
観る度に感じるものが色々とありそうで良い。


2011年 ハンガリー・フランス・スイス・ドイツ
監督 タル・ベーラ
出演 ボーク・エリカ /Ohlsdorfer's daughter
デルジ・ヤーノシュ /Ohlsdorfer


†エクスペンダブルズ2†

2013年03月12日 | ■MOVIE

「The Expendables 2」 ※ネタバレ

スタローンが大の苦手だったからか。
シュワルツネッガーやブルース・ウィルスに、と
ともかく 予告で観たキャスト陣に、
好みではない映画だと片付けていたのに。

今回、たまたま機会があって これを観た。
もちろん1は未見だけど、問題無かった。

スタローンの苦手な感触は、だいぶマシになっていて
今回観た時は、大丈夫だった。

この作品、始まりの感じが 
やけに 特攻野郎Aチームっぽい(笑)。
なんかトラックに文字が描いてあるところとかも、ぽい(笑)。

感想から言うと、そこまで面白かったわけではなく
そこまで くだらないわけでもなかった。
話は分かりやすく、「悪」は徹底して「悪」。

これまで、宇宙人や謎の組織や大勢の悪者などを
一人でも 驚くほど倒してきた男が、集団になっている。
この全員で、これまで倒した合計は どうなってしまうだろう。
何せ過去に地球を一人で救ってきたタイプの人達が
どっさりと揃ってるのだから、敵のほうが可哀想かもしれない。

もちろん、派手な戦いがどっさりとある。
どこに敵がいても、確実に撃たれて消されていくし
何故か 武器を捨て拳でやりあうシーンも。

最初の方から、ああ こいつ死ぬかもって思う
男性がいる。彼はやはり敵に捕まえられて殺されるのだけど
予測はしていたとは言え、この時の敵が本当ムカムカする。

くすっと笑えるのが、エゴは恐竜並みだとか言う台詞。

さて、一つだけ好きと思った点が。
ステイサムが(作品ではクリスマスと呼ばれている)、
聖職者みたいな格好をして、手に香を焚いた入れ物を
持っている姿。そんな格好で敵を出迎えているのは
素敵なキャラクターだ。彼は上等なナイフの腕を持っているが
何故か暴れておく(笑)。闘っている姿はかっこいいのだけど
一体なんで最初から一撃で倒さないのかは分からない(笑)。

ラストでも、スタローンが、武器を捨て
敵のボスと素手でやりあい始める。
が、終盤ではナイフや鎖を使ったりもする。
見つけた時に撃ち殺したらいいのにな、と ちょっと思う(笑)。

何だか無駄に暴れまくることが多くて
そのあたりで、ちょっと だれたりしたw

面倒くさそうなキャラで登場のブルースは、最後の方では
戦いに参加して、さっぱり感が。

この映画、あらすじとか 最早どうでもいいのでは(笑)。

1も観るだろうか?そんな気がしない。

ただ、こんなにストレートな映画を観るのも久々な気分。
何も考えなくとも話しに付いていけるし、
キャラクターが多くとも、敵はともかく、味方の方は
誰が誰だっけ?って事にも ならないですむ。
それに最初に殺される男以外、誰も死なない。
と言うより、弾が当たらない。誰にも殺せないって感じ。
それを納得する理由も分かりやすく、ありすぎる。色々と(笑)。
どんどん死ぬけど、残酷な描写は殆ど無いし、
お茶の間向けかもって感じがする。

2012年 アメリカ
監督 サイモン・ウェスト
出演 シルヴェスター・スタローン /Barney Ross
ジェイソン・ステイサム /Lee Christmas  ジェット・リー /Yin Yang
ドルフ・ラングレン/Gunner Jensen チャック・ノリス /Booker
ジャン=クロード・ヴァン・ダム /Villain ブルース・ウィリス/Church
アーノルド・シュワルツェネッガー/Trench 他


†ブリューゲルの動く絵†

2013年03月12日 | ■MOVIE

「THE MILL & THE CROSS」 ※ネタバレ

この映画、予告を観て わくわくしたので
前々から観たいと思っていたのに なかなか観れずにいた。

ブリューゲルの書く絵は、人がまんまるで
あたしは大好きだ。とは言え絵の詳細などは知らない。

キリスト教のことや、時代背景のことに
まったく疎いままで、無謀かと(笑)思いつつも鑑賞。

ところがやばかった。凄かった。退屈する暇も無かった。

今回、映画に登場するのは、ブリューゲルの
「十字架を担うキリスト」と言う作品。



この絵に限らずだが、好き嫌いは別にして、
何の背景も歴史も分からずに絵を見た時、
ただの絵であって、そこに描かれている人や物が
遠い昔のどこかのこと、でしか、なかったりする。

なのに、この映画を観ると、その中に描かれている
人達が、一人ひとり、生きていた、ことを目撃する。

日常から切り取られる窓の外の景色や、映画全体の景色、
それにワンシーン毎のアングルも何もかもが絵画みたいだ。
絵の中に入り込んで、その世界を、
姿無く観察しているようだ。
いやもう、絵の中に完璧に入ってしまっている。

ブリューゲル自ら絵を説明してくれる台詞がある。
「観る者の目を捉えるべく
蜘蛛の巣のように巣を張っている」
こんな感じのことを言ったり、描かれているそれぞれの
物について解説したり。
画家が、絵を描きながら、その絵を自分で解説しているのが
(観ているこちらは有難いが) 何だか可笑しかった。

まるいものが、印象に残る。
蜘蛛の巣や、風車、車輪みたいなものなど
(後で言う、鳥葬された男がくくりつけられた物)。 

作品は、BGMが殆どなく、台詞も殆どない。
日常の生活の音があって、進んでいく。
これが まず素敵と思ったひとつ。
観たくても、そうでなくても、いやに画面に
ひきつけられてしまい、展開が予測不可能。

特に、風車の中で、回転する軸の音であったり、
何か聞こえると思い、耳を澄ましていると、
馬の駆けてくる音が 荒い鼻息と混じって
近づいてくる音だったり、
これらが怖いほどの迫力があった。

その馬に乗ってやって来た赤い格好の兵士たちが
いきなり、道端から逃げ出す男を追って、馬で囲み、
ボコボコにする。

登場するアートコレクターの男(何だか物凄い金持ちのようだ)
ヨンゲリンクが、この土地の人達は、どんな宗派の人間とも
共存できるものと信じている、けれどスペインの王は
異端を許さずに処刑する、みたいなことを言っていた。

この赤い兵士は、あたしの頭でスペインの仕業と片付けた。
前に読んだ本(ここでも紹介した「名画の謎」)にある
「イカロス墜落のある風景」その解説の中では
ブリューゲルの生きた時代のフランドル地方では
スペイン・ハプスブルク家の圧政に喘いでいたらしく
反乱や処刑などは日常だったとある。

あたしの頭はハプスブルク家やスペイン、フランドル地方
等々、こう言う物の歴史が いまいちのみこめていないので
詳しくは分からないが、スペインの王は、どうかしているんでは。

ぼこぼこにされた男は、消え入りそうな うめき声を上げるのだが 
その声が、妙に生々しく、ぞっとする。
その後、鳥葬と言うのかな?車輪のような物に括り付けられ
高い木のてっぺんに置かれる男。後は鳥に食われるがままに。
この男の奥さんが、木の下で泣き崩れている。

このシーンと、タイトルの夢のあるような感じ
(勝手なイメージ)のギャップ。

こうした残酷な風景も、日常の中に当たり前のようにあり、
無常な時間が、犠牲となった人達だけを 異次元の穴に
落っことしたみたい。

他にも、生き埋めにされてしまう女性が出てきたりする。
淡々と事務的に進められていく作業に、何の躊躇も無いから
それが凄く悲しい。

スペインの王とやらが信じる神は
無秩序に、宗派の違う者をぶっ殺せ
と言いまくってる神なんだろうか?
宗派が違うと言うことは、派の問題だから
信じる神は同じなはずでは。

政治的な理由があるのかは分からないが、
自分が良いと思うもの以外は
許さないから殺す、って事と、あんまり変わりない。
救いようの無い犯罪人だ。
おまけに自分の信じる神の顔に泥を塗っているのだから哀れ。
そんなのが権力者だと、本当にロクな事が無いのだろうと思う。
今の世界にも、ろくでなしの権力者はいるが。

とにかく、この映画の中で、スペインの王や兵士
は人間の形をした悪そのもの。
王は出てこないけれど(そのように記憶している)。
こいつが処刑されたら良かったのに。

ところで印象的だったシーンの数々と言えば。

母親が、子供をあやしている風景は 本当に微笑ましい。
でも、この映画、油断できない緊張感があって
あたしが何も分かっていないせいか、ともかく誰が
いつ、いきなり殺されるか等 さっぱり分からないから、
無駄に安心できない。この辺が、展開が予測不可能なところ。

何がそこまで奇妙に感じるのか、よく分からないが
キリストが処刑された現場にいる、見張り役のような
男達がゲームに興じているシーンでは、一瞬
理解に苦しむ。ストーリーの中に、撮影クルーと監督
一同がいきなり登場するのにも近いほどの、違和感。
何を見ているか分からなくなる。
何だか、印象的なシーンだ。

景色の緑がとても美しいのに、空が曇っているみたいな
憂鬱な色をしているように見える。

映画の中では、ブリューゲルのいた時代に生きてた
その地方の人達の日常等にまじって、
マリアやキリストがと言ったキリスト教の人物が出てきたり、
彼の作品の中に登場する人物達の様子が展開されている。

あたしには謎も多かった。
パンを売る男、と言うのがいたが、彼は目が見えないのだろうか?
後、協会で金を数えている男がいるが、その男は
キリストの処刑のあとで、自分の金を教会の床に投げ捨てて
自ら首を吊っていた。この人はキリストが処刑されることに
関わっている裏切り者か何かなのだろうか?
そして、いちゃつきまくってる男女のオープンなこと(笑)。

物語すべてのそれぞれの事情については、
ついていけない点も多くあったが、分からなくても
気にならなかった。

何故ならもう感動したシーンが圧巻で。
この映画、最初にも言ったように、とにかく凄かった。
日常などの音で表される展開はもちろんのこと、
事情もよく分からないのに こんなに感動することが。

特に感動したのは、風車が止まった瞬間に、景色が
人がみんな、停止するシーン。
あれはいったい何?泣いてしまった。
ラストで、美術館にある、「十字架を担うキリスト」の絵が
登場するシーンも、同様に泣いてしまう。

胸に迫ってくるものの大きさに、驚く。
それは衝撃で、文字通りに息をのむ。
風車が止まった時なんて、呼吸も忘れてしまうくらい。

なんか、有得ないほど凄いものを観てしまった。

この先何度も観てしまうこと決定。
次は、もう少し この絵について色々知ってから
観たら、もう少し楽しめるかもしれない。
ああ、後、シモンも。今更になるけど、
ところでシモンって一体誰?(笑)
また、次回観た時に、色々と意味が分かったりした事があれば
その時は、そのときで感想を書くつもりでいる。

ちなみに、この映画の監督は、あたしの大好きな
「バスキア」の原案・脚本を手掛けている。

2011年 ポーランド・スウェーデン
監督 レヒ・マジュースキー

出演 
ルトガー・ハウアー /Pieter Bruegel
シャーロット・ランプリング/Mary
マイケル・ヨーク /Nicolaes Jonghelinck