シェフ 三ツ星フードトラック始めました

2015年08月31日 | ■MOVIE

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

*完全ネタバレ*注意



この映画
むっちゃ楽しいし 美味しそうだし
良い話だしで、もう最高だわ。

主人公カールは中年のシェフで、
働いてた店を辞めることになり
ツイッターで、自分の料理を評論した
料理ブロガーと喧嘩するし、どん底に。
彼には別れた妻との間に10歳の子供がいる。
どん底の中で家族と一緒に旅行へ。
そこで前から元妻の提案で言ってたフードトラックを始める事に決める。
前に一緒に働いてた仲間の男が駆けつけ
息子も一緒に手伝って、いざフードトラックで旅に出る。
寂しくさせていた息子との絆も深まり、
旅先では大繁盛。
最後には喧嘩したブロガーが、食べにきて
わかりあい、ブロガーの資金提供で店を出店。
奥さんと再婚してお祝いする。

単純に言うとこんな感じ。

とにかく嫌な奴が出てこない。
駆けつけた仲間は本当に頼りになるし
最高に良い人、
元妻は、いつも笑顔で、夫の事をすごく考えてくれる。
それに頭が良い。何処でどうすべきかが
きちんと分かってて
随所に置いて彼女の行動は、尊敬すべき
行いが多い。
喧嘩したブロガーは、主人公が自分の憧れのシェフで、
店を辞め自分の思う料理を作ってるシェフに
シェフのやりたい事をやってほしいと
自分がブログを売ったお金で店を提供する。
息子がまた可愛い。父親の補助をしながら
ツイッターなどのSNSで店の宣伝したり、
何よりお父さんと一緒にいれて最高に嬉しい様子が和む。

要所で父と息子の絆が描かれているのが
じんわりくるし
これだけ最高の人達に囲まれて、始終
楽しいシーンが続く。

何より主人公の作る料理は本当に美味しそう!

陽気な音楽と美味しそうな料理と
ハッピーな主人公たち。

もう最初から最後まで、むっちゃ良かった。

何気にロバート・ダウニーJr.が、変な男役で
ちらっと出てくる。元妻の元夫役だが、
ちょっとしか出てないのに流石の存在感。
アクが強い!

フードトラックって楽しそう。
良いなあ。
料理嫌いだから縁はないと思うけど。
フードトラックの料理食べに行きたい。

ああマジで面白かった!

ちなみに主人公を演じるジョン・ファヴロー、
アイアンマンの2まではその監督でもあるそうだ。
作品には、ダスティン・ホフマンもちらっと登場する。

利休にたずねよ

2015年08月24日 | ■MOVIE

完全ネタバレ*注意

利休にたずねよ
って言う邦画、tapiさんに頼まれて借りてきたのを一緒に見た。

邦画全然見ない。暗いし、独特な情緒って言うんかな、重いねん。

冒頭のシーン、ラトゥールの絵みたい。
奥さんがろうそく持って廊下を歩いてくるところ。

ストーリーって言うと、ただただ利休の人生不幸が続く。
昔は遊び人で、その時惚れた女を自殺で失い、……って言っても、心中するつもりだったわけだけど。秀吉に疎まれて苛め抜かれるわ、弟子殺されるわ、娘自殺するわ、最後には利休切腹させられると言う、もうこの上ない不幸者って感じになってます。

でもジメジメした感じではなく、どっちかというと、淡々としてる。

一方的に悪い秀吉だが、利休がそもそも政治に首を突っ込みすぎなのでは?とも思わざるを得ない。

茶のルーツは禅宗らしい。
が、現在宗教とは独立した文化の一つとなっている。禅ってあるけど、それも宗教とはかけ離れて一種のスポーツのようなものになっている。ヨガとかもそうか。だからこそ、これだけ一般的なものになってるんだろう。寺で茶を沸かすとかだったら、お気軽に抹茶飲めんし。

ルーツが宗教と関係あるものは結構ある。当然といえば当然かも。

映画の中で、利休は美を追い求める。
侘び寂びというのは、色んな解釈がされていて本当はどういう意味かも最早不明だが、思うに、茶ってアートでもある気がする。職人の世界であり芸術の世界でもあるような。

器一つ、お茶を頂く時の場、作法とかに芸術的な一面があるなと感じる。
もちろん究極は、人が癒される事を目的にしてるのだろう。一服するのだから。

アートの一面がある物は、美的感覚を磨く必要もあるだろう。
利休が生ける花の見せ方には哲学的な意味があろうと、芸術の一種でもある。

だからこそ、アート性を持っているものが、政治などと関わっては台無しになるのでは。
昔は独裁だから、殿様に従って何でもやって世の中が回る。
利休は政治と関わりたくないのに無理矢理そうさせられていたなら、仕方がない。でも、自ら政治の真似事をしてたなら、自分で自分の作るものの価値を壊してる。そんなお茶には価値などない。

映画の中ででてくるお茶は、全然美味しそうじゃない。飲みたくもならない。抹茶好きだけど、あれ何飲んでるの?って感じだった。
ご飯はすんごく美味しそうで、きれいで、食べたくなった。

利休の妻役の女優は、前にかんべえの大河ドラマでも見たけど、いつも同じ演技で、利休の妻なのか、かんべえの妻なのか?わからない。ちょっと話し方微妙に変えるとかして変化をもたせてくれないと飽きてしまう。

秀吉役の人、うまいわ。イライラするもん(笑) 秀吉と利休のいるシーンは、ただの酒飲み親父と芸術家に見えた。

秀吉は利休の見せる美を理解できなかったらしいのだが、出来ないと思うな。根本的に美的感覚が違いすぎると思う。そもそも秀吉は悪い意味の成り上がりだから、金とかゴージャスなものとか、色の使い方を理解できないのではと思う。もっと秀吉が子供の頃から色々な芸術に触れてたら別だろう。こう言うのは磨かねば、悪い意味の成り上がりとなる。それについては後述する。育ちが出るのはいい事だ。秀吉なら秀吉にしか作れない美があるだろうし、金の茶室なんかより、もっと人が親しみを覚えるような匂いを持ったものを職人に作らせることも可能だったはず。
秀吉は農家の生まれだが育ちがどんな家だろうと、その人が育って得てきたものはその人だけにしか無いものだ。そう言うものより、もっと高級なものがいいと言うのであれば、高級と名のつくものは全て良しとなってしまい、裸の王様になりかねない。そもそも扱ったことのない色なら、それもいきなり、金なんて難しい色を、品を持って使いこなせるわけがない。

金色は苦手だけど、日本の昔の金の使い方は本当にうっとりするほど美しいし、ロココなどで見られる他の色と金を上手く融合させるあの使い方は天才的でビックリさせる。でもキラキラ光ってるあの色は、扱う側に品が無いと、とてつもなく格好悪い。持論だけどさ!

だから育った家が、病院だろうと農家だろうとゴッドファーザーだろうとアトリエだろうとテントだろうとだ。
その人が持つ美しさを磨いていかねば、その人から美など作られないし、元より磨かねばならない。センスは才能では決してない。自ら作り上げ磨くものだ。

悪い意味での成り上がりと、あたしが言う意味は要は価値や質、奥深さを全く理解しない高級志向の事を言ってるわけ。だから悪趣味で、高くて不味い飯を「高いから」美味しいと思ってる感覚。高くてもダメな物はいくらだってある。価値観とか言う問題の前の話。

映画で利休は、自分の美を追求していたが、その中で、織田信長に、水に浮かんだ月を献上するシーンがある。ああいうの、芸術とかじゃなくてお洒落っていう気がする。普通にあれやって許されるのは職人だけだろうな。水に浮かぶ月は盆の柄とあっててきれい。
あの月のどっしりとした頼もしい美しさは、同時に優しくもあって、決して儚くない。

茶の器に桜の花弁が舞って入るシーンもあるけど、ああいうサービス精神は侘び寂びの一面なのかも。
桜の花の美しさは、次にまた咲くというところにある。その年の桜はその時だけにしか見られない。が、とても力強い美を持っている。散っていく儚さ?そんなものに美はない。

あたしはそう思う。

その一瞬は美しい。
けれど憂いのあるものは何であれ、美しいのではなく、希望も力も何もない。
命のあるものを美しいと感じる時に、そんな偽物の悟りなどが入り込む余地はない。

諸行無常と言うのも平家物語の冒頭ででてくるように、既にそういう言葉は、本来の意味から離れて流行りの言葉の扱いを受けていたのではないのかなと思ったりする。

本来の意味から、侘び寂びと言うのも離れていくと面白い。よく使われる日本語は意味も時代によって変わる。侘び寂びが現代の意味の侘び寂びになるような新しい世界観があれば、あたしはもっともっと和が好きになる気がする。

格子の入った窓は利休のアイデアだと映画で言ってた。あれ大好きだなあ。
思うに利休が今いたらインテリアデザイナーとかやってそう(笑)

お茶も利休もよく知らない。
でも、こうと決まった形など、どんな芸術やお茶などにも無くて、こうでないといけない物って無いのかもしれない。
形を作ることで、新しい物がうまれなくなるだろう。色んな茶の形や芸術の形があることで発展があるのだろう。その方が面白い。

ただ、畳の意味や、それがなんであるのかを意味を大切にしてたら良いのではと思ったりする。

今回の映画では利休のアイデアは全体的に派手で、豪華な派手って言う感じだった。大胆な派手さか。そして家という物自体をアートにする。扉の外の世界も。無駄をなくして、全体を使って。こう言う、景色を一部に取り込んでしまうとか、好き。もっと渋いアイデアだったらもっと好き。好みの問題。

今度は、もっと利休のアイデアばっかな映画があればみたいな。

デビルズノット

2015年08月24日 | ■MOVIE

デビルズノット

*完全ネタバレ*注意

いやタイトル通り、ほんま
犯人じゃない奴を捕まえて
独断と偏見で冤罪やってた。

司法が、とにかく悪魔崇拝者を犯人にしたくて必死。
この人たちは、本当の犯人など、どうでもよくて、ただ悪魔崇拝者の若者たちをやっつけたいだけだった。

警察共は、他の怪しい件については証拠とか台無しにして、他に犯人がいることがまるで不都合かのような態度。

これは酷い。

酷い話。
八歳の男の子が三人も殺されて遺棄されてたのに、警察がずっと不真面目な態度で、犯人をヘヴィメタ好きの悪魔崇拝者の若者たちにしようと強引に進めていって、結局その若者たちは殺人で有罪。
殺された男の子の一人スティーブの母親も疑問に思い出し、ある日、再婚相手の男の道具箱から、殺された日も持っていたであろうスティーブの大事なナイフを見つける。若者たちが無罪だと思っている男性が弁護士たちと調査を進め、そのナイフを母親から渡される。若者たちは有罪で刑務所行きなのだが、それまでの裁判も捜査も本当に変で、ある時には、殺された子供の一人の親父が、子供の血の付いたナイフを持ってた話が出てくるし、事件のあった日、血だらけの男がレストランにきていたのに、その証拠も警察は破棄し、なかった事のように犯人を若者たちだと決めつけてゆずらない。スティーブの義理の父親は、奥さんに、もっと被害者の母親のように振舞えと言い出したりする。悲しそうにおとなしくしとけって言いたいんだろうけど、一体なぜ?

最後に映画は解説が入る。この事件の真相をなお追い続けていくと、後になって、調査を継続してた結果、殺された男の子の靴紐にあった髪の毛が、スティーブの義理の父親の物だったって!

犯人こいつやん、絶対に!

別の殺された男の子の親父も変。
殺された男の子の血がついたナイフ持ってるし。

血だらけでレストランに来た男性も。

こんな無茶な捜査や裁判、恥ずかしいで。全員解雇すべきやわ。

こういう映画になって世間に知らせて良かったと思う。

こんな酷い事件なのに、なんたる怠慢。

最初に、あの事件の時に現場にいたと言う男の子の証言があるが、それも全部デタラメだったそう。この子の母親も捕まっとけって思うわ。遺族への冒涜やで。

まあ、とにかく酷い事件。
最初っから、ヘヴィメタ聞くやつ、黒い服着るやつ、とか駄目って決めつけていて、教会が、みんなに神を信じさせようとする勢いがむっちゃ怖いし、魔女狩りみたいだった。

この事件についてはアメリカでも疑問にされて、ジョニー・デップとかミュージシャンなどが抗議的な活動をやり続けていたそうだ。
で、若者たちは途中で刑務所から出られる事になったが、それでも18年くらい刑務所にいたらしい。また、出る際には、訴えを起こさない、とか、有罪を認めるっていう事に同意させられている。そうしないと、若者の死刑が迫っていて、死刑を逃れる方法がなかったからだという事らしい。

おかしくない?
犯人は他のやつで、自分たちの怠慢で冤罪やってるのに、警察らは、むっちゃ卑怯者たち。

本当にあっただけに、唖然とさせられる。

プリズナーズ

2015年08月23日 | ■MOVIE

プリズナーズ

*完全ネタバレ*注意

ところどころ、あれは何だったかわからないと言うところもあったけど、
最後まで犯人がわからなかった。予測もつかなかった。

あたしとしては、この作品はかなり良かった。何がって、主人公のキャラが。
最初は普通の人って感じなんだけど、実はやんちゃな過去もある。
何ともいいキャラでした。

で、話は、要は子供が二人誘拐されて、その親が犯人らしき怪しい男を捕まえて拷問する。結構長いこと拉致ってるが、男は全然、確信的なことを話さない。で、途中で怪しい男がまた出てきて、そいつの家に刑事が行くとむっちゃ気持ち悪い。蛇がいっぱいな中に子供達の服がたくさん見つかるのだ。この変な男を捕まえて取り調べ。でもミスでこの男に銃を奪われ自殺されてしまう。そんで、一人子供が見つかってというか逃げてきて、その子供が言うには、自分がさらわれていた場所には、友達の父親がいたという。最初に怪しいやつを拷問してた人のことだ。で、なんだかんだで、この父親は、拷問してた奴の母親が犯人であり、その母親にはめられて地面に掘った穴に入れられてしまう。最後に刑事が偶然に地面の底から聞こえてくる笛の音に気づくって言う話。

他にも怪しい奴がいたりとか、なんかいろいろあったけど、端折った。

最初に言ったように主人公のキャラがいいし、どうなるのかわからないからハラハラした。

まあまた、犯人の女のイラつくこと!
刑事が優秀で良かった。
でも、おばあさんが犯人なんて、ショックだし、眼中にもなかった。

この映画の主役の刑事のキャラが
とにかく良い!!

また見てしまう感じ。

おやすみなさいを言いたくて

2015年08月23日 | ■MOVIE

おやすみなさいを言いたくて

*完全ネタバレ*注意

この作品すごい。

ある時ちらっと、アフガニスタンの映像でよく見かける、あの服。
顔まで覆ってて、中国の安物の。
予告?か何かで見かけて、
とにかくアフガニスタンだろうと思って
見る事にした。

ストーリーは、娘二人と夫のいる女性カメラマンが主人公。紛争地域などに出かけ名前も知られている写真家で、アフガニスタンでの取材中、爆破に巻き込まれてドバイの病院へ。
家に帰ってくるけど久々の家族の様子になんだか違和感。下の娘はまだ小さいから無邪気だけど、夫も長女も言いたい事を黙ってる風だ。旦那はソファで寝るし。主人公は戸惑い、やがて旦那が、妻が戦場へ行く間に待つ方は辛い、って言うような事を吐き出した。
主人公は、もう行かないと決めてカメラマンをやめる事にする。
さて家族とうまくやろうと努めてきたおかげで旦那ともだいぶ関係を修復し始める。ある日長女といる時にケニアでの仕事を依頼される主人公。安全な場所だと相手は言うが主人公は断る。
話を聞いていた長女は、自分が行きたいと言い出した。今度アフリカの事について発表する事になっているので、現地で取材できたら注目される発表内容になるというわけだ。もちろん母親と一緒に。

結果的には旦那が、ケニアに行くべきだと言ってくれる。
主人公は娘とケニアの難民キャンプへ。
するとその難民キャンプに人殺しのグループがやってくる。逃げようと言う仲間に娘を預けて、主人公はカメラを手に現場へ。

主人公は無事だったものの長女は拗ねてしまい、傷ついてるのか何なのかも言わないで、自分の殻に閉じこもる。主人公が話をしようと言うが、その気もない。

帰国してからも長女はヘソを曲げていて、主人公が話をしようと部屋に行く。娘が難民キャンプで撮った映像を見ていると、娘を預けて主人公が現場へ向かおうとするシーンの映像が出てくる。勝手に娘が撮っていたようで、タイミングわるくもそこへ旦那が入ってきてその映像を見る。旦那はあっちで危険な事があった事を聞いていない。なぜかというと娘が口止めしていたからで、主人公は夫に言う前に娘と話さなければと思って部屋に来たのだった。

その映像見てブチ切れて妻に出て行けて喚く。妻はもう危険な所へは行かないから許してほしいと言うが出ていかされる。

その後長女と会い、話をするが、とても酷い言葉を浴びせられる。
だけど、その後に電話があってあれは本音ではないと謝罪してくる。
主人公は、娘のイベントを見にいく。
そこで、娘は、母親はカメラマンであり、自分よりずっと母を必要としている子供達がいると話す。

娘が理解してくれ、その後主人公は、再び家に戻ってくる。娘達に別れを告げて、夫に気をつけてと告げられて、いざカブールへ向かう。

カブールで、やはり前と同じようにテロを起こす女性らを取材していたら、自爆テロに向かうのは女性ではなく子供だった。子供の体に歩き難いだろうってくらいの爆弾をつけて、車で出て行くテロリストら。
止めなくちゃ、と思い動揺して、仕事どころではなくなっている主人公は恐ろしさとショックとで、ただ車が出て行くのを愕然と見送る。

この映画はこんな感じの話。主に戦場へ出て行くカメラマンの主人公と家族との関係がメイン。

ちゃんとカブールで撮ってるのが最高級。多分しっかりとはモロッコなどで撮ってるのだろう。

実際に監督の自伝のような作品でもあるとの事だ。自分が紛争地へ行く事で家族にかける負担を考えているそうだ。ちなみに監督は男性。

音楽、特にエンディングが相当やばかった。

今回の作品ではアフガニスタンの女性らが、または子供が自爆テロをおこなう。

先に言っておくべきは、アフガニスタンでは、国を良くしたくて命懸けになって努力している女性らがいるという事。
なぜ命懸けになるかというと、タリバンが、女性が権利を求めるとか許さないからだ。

軽く触れておく。

アフガニスタンでは、ソ連との戦争後(戦時の話は端折るが、ソ連には勝った形)軍閥による戦闘が続き、そこにタリバンが登場し軍閥らと闘った。タリバンは何せパキスタンのバックアップもあり、勢いまして軍閥を追い込み首都を制圧。当時の大統領を殺し晒し者にして政権を担い始めた。

信じがたいが、政権を担い始めた。
国として認められるには、国際社会がタリバン政権を認めなくては話にならない。パキスタンなど数ヶ国が認めたけれど、他は認めなかった。
タリバン政権は、自分たちの理想とする社会を実現する事にした。
動物園の動物たちを殺しまくり、サッカー広場を公開処刑の場とし、女性に教育と仕事をやめさせた。さらにバーミヤンの仏像遺跡を破壊し、音楽や子供たちの遊びも禁止した。
歪んだ宗教の捉え方を人々に押し付けていった。

アメリカが911のとき、アフガニスタンに戦争を仕掛けて、タリバンらは去っていったかに思われたが今は前より増えている状態。

だから命懸けで闘う女性らもいれば、自爆テロをおこなうテロリストもいるというような状況になっている。

実際にちょっと前には、父か兄かに強要され自爆テロをさせられようとした子供が助かっている。

主人公は、首都カブールへ行き、テロリストらを取材して、テロに巻き込まれドバイに運ばれたのだ。

この映画は、ジャーナリストの使命は?戦地とは?
とか言うよりも、主人公が、何をするべきだろうと言う映画でもある。家族のために戦地での取材をやめるのか、それとも家族に何とかして理解してもらいカメラマンを続けるのか。

待つのが辛いと夫は言う。その通りだろう。なんで行くんだと怒りたくもなるだろう。疲れもするのだろう。

だけど、アフガニスタンという土地が何年も忘れ去られていたように、彼女に伝えて欲しいと思ってる人達は忘れ去られる。

誰もかれもがカメラマンになれるわけではない。誰でも紛争地へ行けるわけじゃないのだ。危険なところへはもう行かないなんて言葉を妻に言わせるのは、本人がその逆だと思っていても、ひどいことだ。奥さんを籠の中の鳥にすることになってしまう。

家族の様子が描かれているの見ながら
色んな立場もあるんだろうな、と思いつつも率直にはこう思った。長女は思ったことも言わず傷ついてるし、夫はマジで面倒くさいし、本当にうっとおしいなって。ごめん。こういってしまったら元も子もないけども。でも最後に長女が理解しようとしてたあの姿は本当に立派だ。

この映画を見るとき、あたしはちょっと買い物に行ってテロにあうこともなく暮らしている場所で、のんびりと画面に向かう。それは本当に有難い事なのだなと改めて思わされる。

行く人が居て初めて知る事が出来る。
見捨てられ、気づいて欲しい人達のことを。だからジャーナリストが危険な場所へ向かう事を、安全な場所から見てるだけの人間が批判する事など出来ないし、あたし達がアフガニスタンと聞いて、最初に危険なイメージを抱くのも、情報があるからだ。

アフガニスタンで起きてる事は他人事だろうか?
東日本大震災で最貧国でありながら日本に寄付をしてくれている国だ。仏教が関係する土地でもある。バーミヤンには巨大なブッダの遺跡がある(一部破壊されている)。
日本人のボランティアが活躍して、中には心無い人間に殺されてしまった人もいる。

アフガニスタンではケシの栽培が問題になっていたり、仕事のない事が問題になってたりもする。他にも色んな課題がある。

でもこの間の選挙では、選挙に行くと殺すと言うタリバンから殺害予告を受けながらも多くの人が投票へ行った。国を良くしたいからだと言って。

アフガニスタンの子供達がみんな平和に学校に通えるようになる事は、国際社会が全力を挙げても不可能な事だろうか。それはないと思う。

主人公はアフガニスタンから、アイルランドへと帰国してくる。そこは緑豊かな別世界で海や景色が本当にきれい。
でも主人公は、帰ってきて喜んでいるわけではない。そうなら始めから行くはずもない。家族に会えて嬉しい気持ちはするだろう。だが、主人公がカメラを持つのは怒りを感じるからだ。別世界にいれば、それはやり場がなく、怒りはたまり続ける。

その怒りは家族には癒せない。

ラストを見て、誰もが怒りを覚えるに違いないと思う。子供にさせようとしているのは、ただ なんの罪もない人たちを殺させる行いで、それ以外に意味はない。

車は出て行く。見送る主人公。

車は出て行く。
テロリストを乗せた車は世界のどこかへと出て行く。

あたしたちはニュースでそれを見る。
他人事では決してない。
他人事としている間はなくならない。
争いがなくならないと思ってる人が多いほど、なくならない。

伝える人がいることへの感謝を感じる。
知ったこの怒りを無気力に変えず考える力にしたい、そう思った。

チョコレートドーナツ

2015年08月17日 | ■MOVIE

チョコレートドーナツ

*完全ネタバレ*注意

ゲイであるカップルの二人が主人公。
「ベルベットゴールドマイン」のような垢抜けたゲイの世界ではない。

70年代、今よりさらに偏見が当たり前の時代で、堂々とゲイであるルディと、密かにそうであるポール二人が出会い、母親から冷遇され放置されているダウン症の男の子マルコが二人と一緒に暮らし始めると言うストーリー。

ショーガールのルディは、歌手を目指していて素晴らしい歌の才能がある。性格は堂々と自分を貫くタイプで、本物の女性よりも女性だった。この人の包容力はまるで女性のものだし、ホッとする。男性、女性関わらず、みんなが魅了されてしまうだろうって思うような魅力的な人物で、この人の存在が、映画に引き込んでくれる。

一方、ポールはのちにカミングアウトするも最初は隠していた。弁護士だし雰囲気も女性から持てそうなタイプ。

マルコはルディのアパートの隣に住んでいて、こんな幼い子が親から冷遇されている事に心を痛めて、一緒に過ごすようになる。

これは、実際にあった話らしい。

結果から言うと、非常に重い話。

ただルディの明るさや、ポールと二人一生懸命で、マルコもいて、見るのが辛い重たさではない。

ポールがルディと付き合い始めたころ、弁護士がポールはゲイであると気づき、早速嫌がらせを始める。まずポールをクビにする。
さらに、二人が、マルコと一緒に暮らしている事を問題にし始める。

マルコは、二人と一緒に暮らして本当に幸せで、毎日が楽しくて、ずっと笑顔。
マルコの親は麻薬で刑務所だったので、親が戻るまで自分たちが面倒を見るという事を、親に直接許可ももらっている。

ただのクソ親父の偏見が、この人たちの人生をめちゃくちゃにし、しまいには、マルコの親に、二人からマルコを返すよう言えば刑務所から出すとまで取引し、結果的に、マルコは二人から引き離されて、母親の元へ。
だが母親は出てきて早々に麻薬に浸り子供を放り出す。

マルコは家を探しさまよい、死んでしまう。

最後には、ポールが、嫌がらせをやった連中らにマルコが死んだという知らせを送る。
歌手を目指していたルディは、見事歌の仕事についている。
彼の歌がとても深い悲しみを歌う。

これが事実なら、嫌がらせをやった連中らも母親も人殺しだろう。
ゲイに嫌がらせをすることが、何か良い事でもやってるつもりなのか、自分が嫌だから排除すると言う典型的な悪者。
偏見が人を殺している。

どうしてゲイだとかで、いちいちブツブツ言う奴がいるのか?不可思議。
人が誰を好きになるかなど他人に口を出す権利はない。あたしは異性愛者で、今の彼が好きだけど、その事を口出されたら許せない。
誰もが自分の愛する人の罵倒など寛容ではいられないはずだ。
それなのに自分が誰かを愛するくせに人にケチつけるなんて信じられない。

キリスト教の右派とかはゲイを禁止したいって言う。もちろん彼らの自由だろう。けれどまあ、キリスト教の神というのは、そんなにも不寛容なのですか。

確かイエスって、愛を説いたのではないの?矛盾しない?

そういえばアフリカのとある国へ向かった宣教師が、ゲイはくそったれだと説いて、その国の人たちに教えたから、その国は愚かにも、ゲイを法律で禁止することにしたっていう最近の話もあった。

一体何様だろうかと思う。

ゲイであることが駄目だとか言って人を差別して、そういうことをやりなさいと神に言われたのか?キリスト教という宗教のイメージを著しく害してるんでは。

もはや、ゲイだのなんだのを、ごちゃごちゃいう暇はない。だって人はそれぞれ違っていて、勝手な解釈を押し付けられて人権を冒涜するような世界ではなくなっているからだ。

そもそも、人と違うと駄目だとか言う考えも理解できないものだ。

たぶん、キリスト教がとか言い訳してるだけな気がする。と言うのは、不寛容すぎるからだ。そんな寛容さのない神が世界中で信じて貰えるわけがない。きっと、神が寛容なのに気付かないということもありえるのだろう。

だってキリスト教が禁止しているというなら、世界のキリスト教の国はすべて禁止になってるはずだからだ。

宗教を差別の理由にしてはいけない。
人は所詮人だし、キリスト教の教えを守るのは自由だけど、他人がそれを押し付けられるならば、あなたの権利も認められない。

他人の権利を認めなければ、己の権利も認められない。

さらに、ただたんに偏見で、こんな風に結果子供を殺すことになる連中ら。
嫌いでも構わない。が、普通、そこまで嫌いなら無視するのではないか。
わざわざ嫌がらせをする意味がわからない。それでは一生不幸になる。

どんな音楽が好きかとか、どんな映画が本が、理想が、男性が、とかいちいち人に指図されることじゃない。

偏見をむきだしにするものたちは視野が狭すぎて、根暗すぎて、ただ気持ちの悪い嫌な人以上になり得ないだろう。

この映画のラストは確かに衝撃的だし、重い話だし、どうして子供が犠牲になるのか、本当に許せない気持ちになる。
でもこの映画は、すごく必要とされる映画であるに違いない。
みんなが見た方がいいと思うような映画。

そういう意味で素晴らしい作品だった。








インターステラー

2015年08月17日 | ■MOVIE

インターステラー

*完全ネタバレ*注意

この映画むっちゃすごい。
SF嫌いなんだけど、これは退屈しない。

最初は、ああ、ありがちな人類の危機、地球の最後系かな~って思うのだが、それだから、ストーリーの壮大さに余計驚かされる。

インセプションもかなりな映画だったけど今回もまたやばかった。

ざっと、本当にざっとかいつまんだらこう。まず主人公は父親で、小さな息子と娘と暮らしている。娘の部屋の本棚から本が勝手に落ちてくる現象が発生、主人公は、その異常について分析するよう娘に言う。小さな少女は、その現象をちゃんと分析して一つの答えに行き着く。

主人公は元々エンジニアで、地球を救うように説得され宇宙へ旅立つことになる。

出発の日、大好きなパパが遠くへ行く事を徹底して拒む娘が、必死になって行かないでと泣く。娘は、異常現象の分析の結果をそこで父に見せて説明する。
落ちてきた本はメッセージで、そのメッセージとは「stay」行くなと言う警告だと。

主人公は娘と折り合えぬまま辛い旅立ちとなる。一緒にいく仲間たちの中に紅一点、女性もいる。彼女を演じるのはアン・ハサウェイ。実は彼女の恋人が前に宇宙へ飛び立っていて音信不通になっている。

宇宙でも、ブラックホールの近くになると、そこでの一時間が地球での何年とかに相当するほどで、つまり宇宙では1分も無駄な時間を使えない。一刻も早く任務を遂行し人類を救わねばならないのだ。

だけど一生懸命宇宙の星々に行き着きながら、仲間が死んだり、トラブルも多く、全然うまく進まない。
最後に着いた星では、なんとそこで仲間が来るのを待っていた同僚が、主人公を殺そうとし、仲間を殺して宇宙船を奪うと、宇宙へ飛び立ってしまう始末。この酷い男はマット・デイモンが演じる。さて、主人公はなんとか女性の同僚に助けられ、宇宙船で男を追っていく。男は勝手にドッキングしようとして失敗し、死んでしまう。

ここでのアクションが本当にすごかった。

なんだかんだで、地球から送られてくるメッセージの中では、娘も息子も随分と大人になっており、最早自分たちを見捨てたと思い父を批難する。返事を返せない父はただただ辛く涙する。

主人公が地球を救うためのプロジェクトと言うのは、実は嘘っぱちで、なんと騙されていたとわかる。

今までの苦労は一体?

女性は、彼氏の行った星へ行きたいと思ってる。そうさせるため、主人公は連れてきていた頼りになるロボットと協力し彼女を送り出す。ただ、主人公は犠牲になる覚悟を決めていた。そうしなければ彼女を送り出すことができなかったからだ。

宇宙へ放り出された主人公は、いつの間にか摩訶不思議な世界にたどり着く。
そこは娘の人生の次元が幾つも展開している場所で、まだ通信可能なロボットと連絡を取りながら、娘に自分の存在を気づかせようとする。主人公は、見えているものの そちらへ行く事はできず、じっと覗いた一つの次元の向こうでは、あの日宇宙へ旅立つ直前、娘に止められた時の一部が見える。主人公は、なんとか娘に自分が宇宙へ行かないように止めさせるため、本を本棚から落としてメッセージに気づかせる。

あの異常現象は主人公の行いだったという事だ。

娘はパパを止められず出発させてしまう。だが、地球を救う方法を得た主人公は、娘にそれを暗号で送る。
パパが娘にくれた腕時計の針を使って。

そこへやってきた娘が、色々ありながらその暗号に気づき、地球は救われる。

主人公は、宇宙を漂っているところをパトロールみたいなものに救出されて病院で気づく。そこはコロニーで、救われた人類が建設していたようだ。
主人公は、宇宙にいたせいで、とても年を取っているはずだが見た目は変わっていない。そこへおばあさんになった娘が家族とやってくる。父と再会し、その後息をひきとる娘。

そのころ、彼氏のいる星についていた女性は、そこで結局助けが来るのを待つことになっていた。

主人公は、再び、宇宙船へ乗り込み、女性を救うために旅立つ。

おしまい。

まーざっといったにも関わらず長い。
実際もっと色々ある。

ともかくこの映画の中でも特に良いのが、この主人公の運転さばきやアクション。実に感動的!

それにちゃんと娘にも合うし。

そもそも、女性に未来を託し犠牲になって終わり、ではないのが面白い。
しかも、あの不可思議な次元の空間。
その展開には、本当に驚かされる。

地球は救われるし、この分だと描かれていないが、主人公はちゃんと女性のいる星にたどり着き、一件落着してるだろう。

こんなスケールのお話は、見たことない気がする。

ゼログラビティとか凄いと言われても何も思わなかったし、SFの良さがイマイチわからない。スターウォーズは好きだけどSFって言うよりファンタジーだし。

でもこの映画はやばかった。
凄いスケールで、呆気にとられる。
ありがちな展開じゃないし、感動した。

名作だと思う。

トランセンデンス

2015年08月17日 | ■MOVIE

トランセンデンス

*完全ネタバレ*注意

この映画は、SF嫌いなあたしが、インターステラーに感動して、適当にSFみた中の一つ。

ジョニー・デップが科学者ウィルを演じる。で、ある日ウィルは過激派に撃たれて危機に陥る。
ウィルは元々、スーパーコンピューターの研究者で、意識を持つコンピューターを開発するため尽力してきた。
ウィルの妻が、死にかける夫に、コンピューターの中で意識として生きていくように説得し、いざウィルの意識をコンピューターへと送る壮大な実験開始。
って、どうやるねん?

ともかく成功し、ウィルはスーパーコンピューターの意識として生きていくことになる。妻と共に、今は妻を狙っている過激派から身を隠すようにして田舎の町に大きな施設を建設して、そこで色々な開発を進めていく。

腐った花が再生するだとかやってたら、そのうちウィルが怪我人の怪我までを蘇生するようになる。その蘇生を経験した人間は、人間以上の力を持つようになった。

妻はウィルのやっていることに不気味さを覚え始める。ウィルの脳をコンピューターへと送る実験を共に手伝ってくれた友人は、いつの間にか過激派に誘拐されていた。その彼も、冷静に考え、ウィルの意識をコンピューターへと送ることは、やはり良くない事だったと結論して、過激派と共にウィルを破壊する事にする。

ウィルの妻に会いに来た彼は、警告する。妻も結果的に彼らに協力する事に。
ウィルは力を使い、自分のやる事に反対する人間たちが邪魔できぬよう、蘇生を行い自らコントロールができる人間の数をどんどん増やしていく。

ウィルは自分の目的を達成するため、特殊な力を使い戦い続けた。

最後に奥さんがウィルと共に死を選び、ウィルは消滅する。
と言っても、ウィルの細胞のような意識は無数に世界中に散らばっており、また、妻とウィルの意識も、そのようにどこかへ消えたかもしれない?
が、世界はもとどおりを取り戻して、終わり、と言う具合。

この話は辛い。
なにが辛いって、ウィルが、奥さんが大好きで、彼のやったことすべては、奥さんのためだったからだ。
奥さんがコンピューターへとウィルを送り込んだのは、彼女の野心も含まれているし、ウィルはそれも分かってたに違いないのだ。
さらに奥さんが望んでいた世界に貢献する画期的な力を開発し彼女の望み世界を作ろうとただ一生懸命だった。

奥さんは途中からウィルを不気味に思い冷たく当たるし、ウィルが暴走していると思い戦おうとする。
全く、ウィルの心を考えない。

この映画は最初から最後まで、ただウィルがどれほど妻を愛してたか、が描かれていて、それだから本当に辛い。

こんな風に愛する女性を思う優しい男は、この映画は極端だとしても、現実で、多分ものすごく女性に尽くしてる。
相手の女性は多分尽くすタイプじゃない事が多いと思う。同じタイプは惹かれなさそうだし。

こういう勝手な女が自分と被って見える。

あら。

本当、ありがたい幸せをもっと感謝しないとな~って
全然SFとは無関係な意味で感じさせられる映画でした!

あんな思いを好きな人にさせたら、マジであかん。


ミッドナイトインパリ

2015年08月17日 | ■MOVIE
*完全ネタバレ*注意

パッケージにゴッホのような絵が見えたので気になって観てみた作品。

ずっとコミカルな感じで、割と普通に楽しめた。自分的には、ヘミングウェイが男前で良かった。



主人公の男性は、恋人と結婚するつもり。でも価値観が全然合わない。
彼女の両親と共に訪れたパリで、主人公はタイムスリップし、自分が憧れていた時代へいく。

ヘミングウェイやピカソ、ダリなどなど偉大なアーティストがどっさりといて、彼らと友達になり、夢のようなひと時を過ごす。

彼女のいるホテルつまり現代と、その時代を行き来しながら、出会った女性アドリアーナに惚れてしまい、徐々に現代の恋人との関係に疑問を持つようになる。

現代の恋人は、「知識人ぶった男」と昔からの知り合いで、その男とその妻、そして彼女の恋人である主人公と共にパリを散策する。
知識人ぶった奴は、主人公が、過去のパリに憧れていることをボロくそに批難する。何処へ行っても知識人ぶった態度で、ガイドの説明にも反抗する。ともかくうっとおしい。

ある日、過去の時代でアドリアーナと歩いていると、そこで更に古い時代へとタイムスリップ。

それはアドリアーナが憧れていた時代ベルエポックだ。うんうん、面白そう。一瞬だけ行って帰れるなら!

ベルエポックのマキシムで、ロートレックやドガ、ゴーギャンに出会った二人。アドリアーナはここが自分の理想の時代だと言い、ここから帰らないと主人公に告げる。

だが、主人公は、ドガ達は、今の自分のいる時代よりルネサンスこそ最高だと思っているし、タイムスリップしてもまた別の時代に憧れることになるだろうと言う。つまり現実を見なければならないと。

アドリアーナはここに残り、主人公は最初に行ったヘミングウェイらがいる世界へと戻ってくる。

しがない映画脚本家を辞めて、作家志望の彼は、自分の作品をその時代の大物らに批評してもらい、なかなか褒められる。ただ、ヘミングウェイは、主人公が何故恋人と知識人ぶった奴との浮気に気づかないのかわからないと忠告していたらしい。

それを知り主人公が恋人に確かめたところ結局浮気していたと白状する。

主人公は、それについては仕方ないと言って怒らない。ま、怒れる立場でもない。自分はここに住むと言い、別れを告げる。

最後は、パリで知り合った女性となんだか良い感じの雰囲気で終わる。

というようなストーリーだが、ちょっと主人公が個性的でクスクス笑えた。

アドリアーナを演じる女優さんが、ダイアン・レインをちょっと思い出した。

で、この映画の中で主人公が会える天才達の個性がまあ最高!

あたしは過去には決して、例え1分たりとも戻りたくない、戻りたくなることもないので、今が一番だ。
でも、夢のようなタイムスリップによって一瞬だけ歴史の目撃者になれるならば、それは現実逃避とは違って楽しそうに思える。

だってベルエポックなんか目撃したら、もうずっと夢うつつだろうな!

あたしだって、直接ゴッホに会い、彼が絵を描いている場面を見てみたい。お話は無理だ。フランス語わからないし、難しいアーティストな会話や技術的な話題なんてできない。

映画の最初の方、モネが描いた絵のような睡蓮の浮かぶ池が登場して、もううっとりする。



いいよなパリ。印象派たちが集まっていたパリ!

ルソーにも絶対会いたいなー!もちろんモネも、ドガもブラックも、みんな!

それにイタリアでルネサンスの天才に会えたらそりゃ最高級だろう!
ただ若干ちょっとしか居れないけど。
だってルネサンスの時代は教会が強すぎて現代の格好なんかしてるだけでももう異端で殺されそう。だけど、ボッティチェリが何でサボナローラに傾倒したか、気になるし、春の絵の謎も知りたい。

ミケランジェロの彫刻見て吐血するだろう。ダヴィンチの絵を見て不眠症になるだろう。今も不眠症だけど!

でもそれなら、坂本龍馬が誰に暗殺されたのかとかも気になってくるなあ。
幕末は流石に怖い。
縄文時代好きだから、行ってドングリのクッキー食べたい!

やっぱり、和気あいあいがいい。
メディチ家の庭、印象派のパリ、うーん夢がある。

そういう壮大さと言うより、映画はコミカルな感じで続くが、好きな人は好きだろうなっていう映画。詳しくなくとも名前くらい知ってる人が殆どだと思うし、キャシー・ベイツが出てるのも良い。

昔の雰囲気が衣装がお店がまた素敵。

合わない人はきっと寝る。

また見る!

ジャッジ 裁かれる判事

2015年08月17日 | ■MOVIE

ジャッジ 裁かれる判事

完全ネタバレ*注意*

苦手なロバート・ダウニーJr.だが、主人公の彼は流石に飽きさせない演技は良く、ちょっと嫌な男の役柄も合ってた。

ロバート・デュバルが出ているし、雰囲気が良さそうな印象で観たのだが、予想以上になんか泣けそうないい話で、思い出すとじわじわくる。

あたしの好きな曲が良いところでかかるのも嬉しかったな。

主人公は弁護士で、母の死をきっかけに疎遠だった実家に帰ってくる。

とにかくこの弁護士は、勝てたら良いと言う考えでボロ儲けしてて良心なども無さそうな嫌な感じだ。
妻とは離婚を決めているし、その中、久しぶりに父と兄弟達に再開したが、父とはちっともうまくやれない。
父は頑固でちょっと気難しいが、判事として長年働いてきた。
この父を演じるのがデュバルだ。

最初の方、父が判事として働いているシーンがある。この判事が凄くかっこいい。生真面目な風ではなくて、なんというか魅力的。この街の名判事だっただろう。

さて、ただでさえ仲良くできずに気まずい親子。主人公はとっとと帰ろうとする。だが、なんと!父が殺人犯かもしれない?と言う事件が発覚した。

父の車には、殺された人間の血などがあり、この長いあいだ判事として信頼されてきた彼が、本当に犯人かはわからない。

父が雇った弁護士は頼りなく、相手側の弁護士はなんだか凄そうだ。相手側は父が故意に殺害したと言うことにしたいようだけど。

結局頼りない弁護士と代わって、主人公が父の弁護士となる。

年をとった父は末期ガンで、治療を受けている事実、妻に先立たれた孤独。
主人公は父に寄り添うが、遂には辛いと感じていた父への想いを吐き出して大喧嘩。ここで兄がどうして野球選手の道を断たれたのかや、過去の主人公のことが分かる。不良で迷惑かけてたとか。

そうこうしながらも、父の裁判は続く。
最後の法廷で、息子は父が知られたくなかった事実を口にする。何故なら父は犯人を殺した記憶がない、だが殺したかもしれないように想わせる発言をしたからだ。知られたくないと言うのは、病気の治療によって、記憶障害があったりすること。それを知られたら、病気のあいだに判事としてやってきた判断すら疑われるかもしれないし、自分の経歴に傷がつくなど耐えられないというのだ。
だが、犯人を殺した記憶がないのは事実だし、このままでは、父はとても不利だ。

主人公はそのことを暴露し父の記憶力が今も怪しいことを皆に理解させる。

父は今回殺された男とずっと昔、また別の事件で判事として関わっている。その男は殺人鬼だった。犯人を信じられないほど甘い判断で裁いており、またその後その犯人が直ぐに殺人を犯したことを、とても後悔していた。

息子が、何故最初そんな甘い判決を下したと更に問うと、父はその想いを打ち明ける。その男が、主人公と重なって見えており、悪いことをしても、また更生すると信じて息子のように抱きしめてあげたいと思っていた。

その男が結局すぐに殺人を犯したことで、父が主人公を見ると、その男を思い出すようになってしまった。

それを聞き主人公は涙する。そして判決の日、父の罪は無罪だが、軽い罪の可能性については有罪となり、4年間の服役を命じられる。

もう末期なのに、刑務所行きはちょっと心配になる。でも実際、本当に誰が殺したかはわからないまま。

その7ヶ月後、恩赦で出所した父を迎えに行った主人公。父と釣りを楽しみながら昔の話などをしていると、父が、前に質問されたことを話出す。
最高の弁護士は誰だと前に主人公がたずねた時は、別の人の話をしていた父だが、主人公が最高の弁護士だと言ってくれる。

そうして釣りを続けていると、父は、眠るように亡くなってた。
最後は父の葬儀へと続く。

暗い話ではなかった。人の心の通い合うことの難しさ、辛さ、それによって得る何か、そう言うのが主人公を変えていく。

それにしても犯人は誰だったんだろう?
殺された男は、殺される前にスーパーで、父と遭遇していたし、父は男が向かった方へ車を走らせている。車には血も付いてた。

でも人をひいていたら、確実に動かぬ証拠があるはずだし、なんで血が付いてるのか?その男はなんで死んだのか、謎だ。

それに父が殺人犯かもと言うのは、あり得そうな気がしてしまうのだが、しかし彼は犯人じゃないだろうと思う。

父が、有罪のやつは法廷から逃げる、自分は逃げないといってた。あの言葉は、彼の本質を表している気がする。

そもそも殺された男の方が、誰に殺されても不思議ではなく、考えれば考えるほど犯人がわからず混乱してくる!

だけどまあ父が本当に、男をぶっ殺したとするなら、うん、そうだとしても、
この作品は、犯人が誰かなど、あんまり関係ないし!(笑)

そもそも記憶がないのは事実だから、無実。ただ裁判で負けただけ。

*後ほど一緒に見てたtapiと話したところ、主人公の父は犯人で、故意か記憶がないかを裁判してたんだよって言う。あたしは全然違う見方というより主人公の父を信じ切って見てたようだ。ゆえに感想がこうなった*

家族が紡ぎあっていく想いや理解や信頼が、人を温め、考えさせ、大切にさせていくかを描く。そのための無理解な時間、過去、辛さがある。
親子のハードルは高い。だから、それだけ幸せな気持ちを知るのだ。

スパイレジェンド

2015年08月16日 | ■MOVIE
*完全ネタバレ*注意

いつ見てもはっとするオルガのスタイル!

今回のストーリーは、元スパイ(CIA)の主人公が、いつの間にか陰謀に巻き込まれて、大事な人を殺されてしまい、命懸けになって、事件の真相を突き止めると言う話。

役者は元ボンド。

次から次にハラハラする展開。
主人公が、助ける女性ミラは、チェチェン紛争の犠牲者で、主人公と最後まで自分の戦いを続ける人物。雰囲気がオルガ・キュリレンコとはにているけど、違うかのように感じた。オルガだけど。

で、主人公には、過去に教育指導した後輩がいて、この後輩は、主人公を追う側で現れる。ちょっと感情的な子で主人公と比べると未熟。主人公を越えたいと思って、がむしゃらな感じだった。

さて、感想だけど、
あたしの好きなスパイ映画例えば「ボーンアイデンティティー」などのボーン、みたいな感じではない。

主人公は引退してた元スパイのおじさんで、強いし捕まらないし、すごいといえばすごいけど、本当に007を少し崩したような感じの雰囲気。
迫力というほどの迫力にはかけるかもしれない。

で、やっぱりCIAが悪かったと言う話は多い。

映画では、チェチェンの紛争が起きるきっかけを作ったり、ロシアの次期大統領候補(だっけ?副大統領かも?)が実は時間かけて準備された傀儡だったり、なんかもう、あくどいのなんの。

作品の中でやってる悪事は、本当にありそうだし、でも、そこまでうまくCIAが出来ない気もする。実際ロシアがそこまで簡単に他国のスパイに陥れられなさそうな。

主人公が最後に、黒幕に対して言う言葉に、自分にとっては紛争がこの後も続いていくほうがマシだと言うようなものがあった。これはいただけない。
CIAがロシアを影から操るのも悪夢だが、実際に起きたチェチェンのことを考えたら、てか、ミラが、あまりにも残酷な目にあっているというのに。もっと他に無かったんかい。(字幕だけがそう言ってるのだろうか?わからない)
これはどう受け止めれば?

それ以外は無難に観られた。
チェチェンの話とか出てくるのは、いいと思う。

舞台はセルビアが多い。
結局黒幕がCIAなのも、いいと思う。
くだらない連中とつるんだりするような悪事は、どんどん映画で出てくるといいと思う。事実くだらない連中とつるんだりしてるんだから。
その逆に頑張ってる人もいる映画もあれば。ゼロ・ダーク・サーティーみたいに。

みたいなーと思ってた割には普通だった。

かいじゅうたちのいるところ

2015年08月15日 | ■MOVIE

かいじゅうたちのいるところ

注意*完全ネタバレ*

パッケージの怪獣の表情が
もう なんとも言えない。
ちょっと切ない感じに惹かれる。

と言うわけで観た。

この作品は、
骨に染みるような重さを持って、
あたしの中をずっと、苦しくさせた。
それから何だか優しくも。

名作でしかない。久々に喰らった。

主人公のマックスは子供。
彼にしか理解できない孤独を持ってる。
かまってほしいが、素直にもそれを表現できないし、結局人を困らせて、ちょっと自分でも苦しそう。

最初の映画のタッチから見るマックスは、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を思い出す。

孤独が深そうな子だな、と。

部屋に飾ってる船にマックスの名前がある。父から贈られたようだが、この家には母親と姉だけ。
母親が友人と言って連れてきている男の人が気に入らない。
自分の事を母親がかまってくれないから。それだけだろうか?そうは思えない。父以外の人がいるのも嫌なのではないか、と思ったりもする。

原作を知らないからわからない。
原作は絵本らしい。

物語は、ここから。マックスが母親を噛んで怒られる。そのショックで家を飛び出し、彼は
かいじゅうたちのいるところへやって来るのだ。

かいじゅうたちは、見た目は様々で、性格も個性的。そしてすんごくでかい。

そのうちのキャロルと言う怪獣が、暴れている。どうやらキャロルは、ブチ切れてみんなの家をぶっ壊しているようだ。
みんなはキャロルにただただ迷惑しているが止められず手をこまねいている。

キャロルの怒りは悲しみだ。
だけどだれにも理解できない。

そのキャロルに時折垣間見える孤独が、キャロルの悲しみが、自分と重なったのだろう。マックスはこっそり覗いてた場所から出て行って、キャロルと一緒に家を壊し始める。

そうこうして怪獣の王様として、マックスはみんなに迎え入れられた。
マックスはみんなとずっとここで遊んでいたいしみんなもそうだ。

キャロルと友達になり、大きなみんなの家を作ったり、泥だんごの戦争ごっこをして遊ぶ。

キャロルには大好きなKWと言う女の子の怪獣がいる。でもキャロルは相変わらずで、KWも周りを傷つけてしまう。

キャロルの勝手さは、マックスと同じで、そしてキャロルもマックスも、そうしたいわけではないのに、そういう風な自分をコントロール出来なくて苦しいのだ。

普通に周りと合わせることが、キャロルもマックスも出来なくて、勝手になってしまう。結果、自分が一番辛い。

この怪獣のいる世界は永遠のように続いていく。けれど、楽しい事ばかりではない。キャロルの事が原因でみんなが、苦しくなったり、どうやったらうまく行くのか、わからないで落ち込んだりする。マックスは彼らと一緒に考える。

そうしていく事で、マックスの心が徐々に成長していく。
かいじゅうたちが成長させていく。

そしてマックスは 家に帰ることに決めた。現実に戻るのだ。

お別れの日、キャロルと喧嘩をしていたマックスはみんなに見送られて船に乗る。するとキャロルが泣きながら走ってくる。お別れの気持ちは言葉にもならない。

ただ、キャロルは遠吠えを繰り返した。
みんなもマックスも。
前に遠吠えをして遊んだ日のように。

それからマックスは心配して待っていた母親のもとへと帰ってくる。

そんなお話。

キャロルとマックスは同じ。
この後、マックスは大人になっていくだろう。おそらくマックスの場合は、うまくやる方法を知り、世界と折り合いをつけて生きていくかもしれない。しかし出来ずに作家か何かになるかも?
キャロルは多分変わらない。
キャロルはちょっと、暴れない程度にマシになるかもしれないが、勝手さは多分ずっと同じ。だって、そうじゃなきゃキャロルじゃないもん。

あのかいじゅうたちのいるところは、マックスの想像の世界ではなく、子供が行く事の出来る世界なのかもと思えた。

出来なくて辛い人は出来る人の何倍も優しいかもしれない。ちょっと繊細なのかもしれない。

あたしは優しさも繊細さもなく、ただただ勝手なのだが、二人の寂しさは心に刺さる。

でも、マックスには家族がいて、キャロルには仲間がいる。だから大丈夫。
マックス目線だと、とてもキャロルの欠点が目につきやすいのかもしれないが、もっとキャロルには他に魅力があるのだろうな。だから結局仲間がいるのだろう。

ある怪獣は、泥だんごの戦争ごっこの時に傷を負った。その傷が本当に痛そうで辛かった。

とても素敵な映画だった。
なんども泣きそうになった。

曲も最高に良かった。


字幕

2015年08月10日 | ■MOVIE
え!😱😱😱
ミニオンズ観に行きたかったのに!近く字幕の上映無い……😨

吹き替え大嫌い!😞
声が嫌いなんじゃなくて、
勝手に俳優の台詞、日本風に変えてしまうし、😡😡😡
いろんな言語出てきても吹き替えだと無意味だし、😦😦

そもそも本当に言ってる台詞、全然わからんのに、
それ映画観たってことならんやん!!😣😣

吹き替え好きな人はそうじゃ無いやろうけど。

あたし的には吹き替えなんか、オリジナルの作品じゃない。

挙げ句の果てに障害のある人までシャットアウトやん。この時代に信じられん。不便な思いしてる人がまず一番楽しめるような物にしてこそエンターテイメントって言うんじゃないの?

字幕ない映画館なんか映画館言わんでしょ。😨
前も何かの作品、行こうと思ってたけど、字幕無かったから行かずやし。
ほんまに好きな人は字幕見る人も多いのに、そういう人に来てもらえるように努力したほーがいいのに。😒

そのくせ、あたしのように精神疾患あって3Dとか、普通じゃ無い映画見れん奴からしたら、しょーもない機能ばっか充実させて、根本的なところ無視するなと言いたいわ😡😡💢

FB
https://m.facebook.com/love.momon?

映画

2015年08月10日 | ■MOVIE
今日はロックストックとベルベット観た!

どっちも好きな映画だから久々観て楽しかった。

ロックストックでは何よりスティングやばい。あと独特のあのテンポと曲も素敵❤️








ベルベットの方は、ジョナサン・リース・マイヤーズが。ぐは!吐血!😍❤️❤️❤️❤️❤️

ユアン・マクレガーもすんげーいいキャラ!
またクリスチャン・ベイルが若っ(笑
曲むっちゃいいし服が可愛いー❤️
写真は、一枚セピアっぽい奴が
ベルベットゴールドマインで
他全部ロックストック