The Boy in the Striped Pyjamas ※完全ネタバレ
観る人によって 感想も様々とは思いますが。
なんと言う後味の悪さ。あまりの後味の悪さに、
映画の事をいちいち思い出す。
Ending直前の、ラストの展開に、思わず見ていた
あたしとタピさんは「えぇぇー?」と声を揃えてしまった。
それで終わりって!と言うような衝撃なラストが
何がしたい映画だったのか今いち伝わらず。
あらすじ
第2次世界大戦。ドイツ軍の父を持つ少年ブルーノ。
父の新しい勤務のため、家族は田舎に引っ越してくる。
軍人と言っても子供達には笑顔を向ける父に、
優しい母、そして姉、の仲良し四人家族。
8歳のブルーノは、国が戦争をしているようだけど
よく分からないと言う感じで、戦争を身近には感じていない。
新しい家の台所では野菜を運んできたり、ジャガイモの皮をむく
ユダヤ人の男が縞模様の服の上にエプロンを付けて、
小間使いのようにして働いている。
元は医者で、悪い人じゃないのに、何か奇妙に見える。
それは家族や家族と一緒にいる軍人達の彼への態度や
その縞模様の服だったり。
ブルーノは縞模様の服がパジャマだと思っていて
何故パジャマを着ているのかと不思議に思ってる。
新しい家では友達もいないし、退屈な日々を過ごすブルーノ。
部屋の窓から見えた農場だと彼が勝手に思った施設を見て
そこに行けば、友達になれるような子供たちがいると思う。
だが裏庭へは出ては行けない、農場へは勿論行ってはいけないと
禁じられた。
冒険好きな8歳の子供に、いつでも行けるような裏庭に出るなと
言ったところで聞く耳などあるはずもなく ブルーノはついに
こっそり裏庭の納屋の窓から抜け出し、その向こうの世界へ。
農場のフェンスの前にやって来ると、使用人と同じパジャマの
服をきた少年が、瓦礫の前に座っている。
声をかけると同じ8歳のショムールと言う少年だった。
彼らはフェンス越しに話したりするうちに、ブルーノが家から
おやつを持って行ったりして、それを彼にあげたり・・・
友達関係を築いていく。
ここから出て遊ぼうとか、君も家に遊びにおいで、
と言う感覚のブルーノだが、実際にその農場はユダヤ人収容所で
ブルーノにその事は分かっていない。
ただ少年は、ユダヤ人だと言う事が分かる。
ブルーノと姉の家庭教師は、ユダヤ人は、彼らのせいで
ドイツが第1次世界大戦に負けた悪い人々だとブルーノに教える。
ブルーノはふいにショムールを思い出す。
ここでの唯一の友達はユダヤ人。
「悪くないユダヤ人もいる?」との問いに、家庭教師は、
それを見つけたら君は世界一の探検家だ、と言う風に答えた。
ユダヤ人が何故悪いのか、姉は純粋に家庭教師の教えを信じ込み
これまで好きだった人形遊びを全部やめて、部屋には軍のポスター等を
貼りまくっている。母親は家庭教師は本当に良い家庭教師かを
不安に思うが、父になだめられ、黙っている。
姉は家に来ていたカートと言う軍人に、親しみを覚えていた。
家の近くから とんでもない異臭がする。
ブルーノがそう言ってたが父親は「ゴミを燃やしている」と言っていた。
ある日、買い物から帰ってきた母が、ふいにカートから、その匂いは
収容所の人が殺されて焼却されたものだと聞いてしまう。
母は気が滅入り、父親をろくでなしと言い、その日から両親の喧嘩は
毎日のように続いた。
その事を話してしまったカートに対して父親は食事中に、彼の
父親が反ナチスで亡命したと言う事をしつこく聞きだし始めた。
そこでワインをついこぼしてしまったユダヤ人の使用人に
カートが怒って外へ連れ出した。殴られて悲鳴を上げる声が聞こえてくるのに
父親は止めたりしない。
ブルーノは父が悪い人なのだろうか?と漠然と疑問に思う。
そんな中で家でワイングラスを拭く手伝いにショムールがやって来ていた。
彼に家で会ったブルーノは菓子を与え、「自分の父親に誇りを持っているか」
等と質問する。そこへカートがやって来て、家の子と口をきくなんて
なんてことだと、ショムールに怒り出し、それを見て怖がったブルーノは
「こんな子は知らない」と彼を裏切ってしまう。
勝手に家の菓子を食べたことにされた、ショムール。
裏切ってしまったブルーノはやりきれなかった。
再びブルーノはショムールに会いに行き、酷い事をしたと言い、
何とかショムールに許してもらった。
ショムールの顔には 酷い殴られたような後があった。
ある日カートは家にいなくなった。
父親に最前線へ移動した、とだけ聞いた。
父のもとに、何台もの車に乗った軍人が会いに来た。
こっそり父の部屋を外から覗くと、filmを上映し、鑑賞中で
そのフィルムでは、収容所の人達は、毎日楽しく明るく生活し
食べ物も存分にあり、誰も辛い思いをしていないような様子が描かれていた。
きれいな服を着て、カフェを楽しむ囚人の様子、
軍人達は皆、フィルムに満足し、帰って行った。
部屋から出てきた父に、ブルーノは飛びついた。
あの農場の中ではショムール達は快適に暮らしていて、父は
その仕事に携わっているのだと感じたのかも知れない。
両親の喧嘩が耐えない中、父が、母と子供たちだけ引っ越す事を
告げる。母と話し合った結果その方が良いと言うことになったと父は言った。
引越しの事を告げに、ショムールに会いに行くと、ショムールはいつもと
様子が違っていた。「父親が帰って来ない」と彼は言う。
ふと、ブルーノは、フェンスの下の土が掘れると言うことに気づき、
自分が中に入って、父親を一緒に探すと言う。
ショムールは、縞模様の服を用意しておくと言って、その日は別れた。
引っ越し当日、ブルーノはショムールの元へやって来た。
ショムールが用意した縞模様の服を着て、フェンスの下から
収容所の中へと彼は入った。
どこにもカフェなどなかった。彼は帰りたくなった。
「帰りたい」と言うブルーノに「僕のパパは?」とショムール。
一緒に探す事を再び決意し、二人は、小屋の中へ。
突然そこで行進が始まった。そのまま止まることなく大人達の間に
挟まれた二人は、ある部屋の中に連れてこられた。
「着ている物を全部脱ぐんだ」と命令され、衣服を脱ぎ出す大人達。
ブルーノは「外の雨がやむまでここで雨宿りするんじゃないか」と
ショームルに伝える。二人も衣服を脱ぎ、シャワーを浴びると言われ
更に奥にある部屋へと押し込まれた。
一方、家では、家族総出で、居なくなったブルーノを探していた。
フェンスの前に脱ぎ捨てられた服を見て、収容所に入った事が分かった
父は、収容所の中へ入って行き、必死にブルーノの名を呼んだ。
ブルーノの入れられた部屋から、うめき声や暴れる音が鳴り響いた。
その後、静まり返った扉だけがじっと佇んでいる。
***
戦争のせいで、周りが変わっていく様子や
全く何も考えず、収容所に入り込んでいくブルーノの最後は
それまでずっと、ブルーノを追ってきたストーリーだけに衝撃的。
子供の目から見た時の、ユダヤ人への扱いに疑問を持つ内容は
家族の微妙な空気感や、軍人の態度、色々な場面に上手く
表現されてると思う。
ベルリンの家から引っ越す前、その家では父の昇進祝いの
パーティーが行われていたのだけど、その時から、
ドイツ人の為に戦っている父親は何故英語?
周りも英語を話している。
第2次世界大戦を扱っているドイツ軍兵士の出てくる映画では
大抵ドイツ語を話しているのになぁと漠然とした、どうでもいい所に疑問が。
戦争物は大抵後味がよくないと言うか、考えさせられる作品が多いけど
これは、考える前に後味が悪い。
ナチスドイツの映画を観るなら次はエニグマ関連が良いけど
そんなのあるのかしら。
ひとまず この映画は 観なくて良かったなとがっかりな感想です。