昔より今の夏の方が絶対暑いよな
同年代の周りの奴から
よくそう言われるけれど...だ
ほんとうかよって思う
なによりも俺が感心するのは、よく温度まで明確に記憶してるなって事なんだ
もう、昔の記憶を辿っても
風景や状況は思い出せるけど
悪い....温度までは俺はもう思い出せないんだ
おそらく奴らもそうだとは思うんだけどね
本当に今の方が暑いかどうかは過去のデータをみれば一目瞭然だろうから
きっと言いたいことは、そういう事ではなく
昔は若かったから、そういう環境への適応能力も優れていて
暑くても体力気力がそれを凌駕していたけど
今は適応能力が落ちて暑さに耐えらねないという事を
奴らは自嘲を込めて暗にそう言いたいんだろうと思う
毎日、足の筋力が落ちないように相当数を歩く事にしているんだけれど
炎天下に目的無く歩くのは辛いので
仕事やリハ以外でもなるべく目的地は定める
という事で、昨日は吉祥寺に出掛けてみたんだ
お盆という事もあるし
もうすぐ富士夫の命日でもあるし
吉祥寺のサンロード入り口付近にあった
DISCO「幻想」
当然今は跡形もないけれど
何よりも、そこに行けばもしかしたら1969年頃の夏の温度を
身体が覚えていて思い出すかもしれない
そう思ったからなんだ
その夏は
富士夫と青ちゃんと俺は東京に戻って
仕事しながらチャー坊が出てくるのを待つといった時期だったろうか
毎晩、夕方から深夜まで演奏
確かにその記憶やレパートリー等は鮮明に思い出したのだけれども
やっぱり、その夏の空気感や温度は思い出せなかった
あんなに長い時間その場所で過ごしたのに
冷房の効いたフロアから階段を昇って
外のモワッとした空気に何度も触れただろうに
まるで記憶が無い
多分感性の鋭い奴とかは
そのアスファルトに反射する温度で靴裏のゴムが溶けたとか
窓から射し込んで来る太陽の光で
彼女の額の汗がキラリと光ったとかww
そういった思い出と共に温度感も保存するのだろうけれど
俺は...なんというか
今になるともったいなかったというか
温度にも配慮して
なんらかの記憶に保存しておけばよかったと後悔する
「今の夏は昔の夏より暑いよな~」
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないけれど
「ホンとだよな~」と適当に曖昧に答えるだけさ、実際は
申し訳ないね、温度なんて思いも掛けなかったものね
今の夏は確かにとんでもなく暑いと思うよ。