小泉政権の構造改革によって製造業にも派遣社員が全面解禁されました。
その影響で非正規雇用者が増え国民全体の給与収入が減りました。
企業が派遣社員の導入を望んだのは人件費の削減が目的でした。
先進国の人件費はどうしても高くなります。
高い人件費を使って生産した製品はどうしても高価格になります。
高価格の製品は売れないと経営者は判断しがちです。
そこで人件費の削減を考え、製造業への派遣社員導入や海外生産へシフトしていったわけです。
派遣法が改正されていった経緯については色々解説しているところがあり参考になります。
要望が無ければ規制緩和が行われるはずはなく、与党である自民党に対して経済界が働きかけた結果です。
企業にとって派遣社員は経費で処理でき、厚生年金や健康保険の会社負担がなくなるため人件費節約に大きく貢献します。
また、正社員を雇うよりも安い賃金での契約になっていることが多いのでさらに節約になります。
派遣社員の導入で企業は儲かるわけですが、それまで従業員に支払っていた人件費よりも少ない支出になるということは、その企業の製品やサービスを購入する人が使えるお金が減るということにつながります。
同様に、人件費が高いからと海外生産をすればそれまで国内で給料をもらっていた人が必要なくなり結果として製品やサービスを購入できる人が減ることになります。
国内で支払っていた人件費を海外に支払っている形です。
派遣社員等の非正規雇用の人の増加と海外生産が増加することによって日本の中で買い物ができるお金が減ることになりました。
これでは経済が発展するはずがありません。
苦しい企業の救済のための規制緩和が国全体の経済状況を悪化させたのです。
また、以前は日本のお家芸だった半導体メモリーや液晶テレビの生産はは韓国に抜かれてしまいました。
その原因は大企業の技術者軽視にあります。
韓国企業が日本の技術者に高条件を提示し引き抜きを行い、技術を持っていかれてしまいました。
年収2,000万円、部長待遇などの条件で引き抜きがあったそうです。
それに乗ってしまった技術者にも責任がありますが、行く決断をさせてしまったのは所属していた企業側の待遇にあったと思います。
韓国に行った技術者は3年程度で解雇されてしまうのがほとんどだったそうです。
日本の経済を再生するには政治、企業、国民の協力が必要と思います。
最近は円安に振れており海外生産のメリットが減りつつあります。
企業は海外生産から国内生産に切り替えて国内の労働者に給与を多く配分すべきです。
そうすれば生産した製品を買ってくれる人が増えます。
国は国内生産を後押しするため、国内企業の関連会社からの部品輸入に対して規制を設けるべきです。
国民は日本国内で生産した製品を優先して購入する必要があります。
安い物を買いたくなりますが、国産製品を購入することが国内生産を支え、ひいては自分の給料を増やすことにつながるということを意識して我慢しなくてはなりません。
これらがうまく回れば経済が再生し、国民は収入が増え、国は税収が増え、企業は売り上げが上がるという好循環になると思います。
後は、皆が欲しくなるような例えばスマートフォンのような新しいものを国内で開発できればさらに発展すると思います。
実現はなかなか難しいとは思いますが何とかしたいものです。
週末には選挙があります。
これまでの政治で良いのかよく考えて投票したいと思います。