モラルハラスメントのご相談が多い中、被害者の方の特徴をまとめました。
程度の差はありますが、皆、うまく加害者にコントロールされ洗脳され、
加害者に都合よく使われています。
無気力、言いなり、奴隷となりますが、それでも加害者の攻撃は続きます。
加害者は、こういった症状も利用し、被害者について
『心の病を患っている。』『うつ病だ。』『わがまま病だ。』等豪語し、
被害者を悪人、自らを被害者と設定します。
『こんな配偶者で、自分は不幸だ。』
『それでも見捨てず養っている慈悲深い人間だ』
『感謝が足りない』
等々、好き勝手なことを主張し、自分がいかに慈悲深く、そして哀れな
被害者であることを演じ、周りに吹聴したりします。
なぜそうなったかという自分に都合が悪いことは伏せ、自分にとって都合の良いところ
だけ上手く利用し、『善人』である自分を作り上げるのです。
この行為が意図的なものであるのに、とても自然に加害者は行っていきます。
モラルハラスメントは治りません、これが私の見解です。
というより、治ると期待することは、止めましょう。
更なる被害に遭います。
ですから、被害者はそれを十分理解したうえで、その後どうして行くか、見極める必要があるのです。
多くのご相談者産の通じての経験、医学的に自己愛性人格障害と診断された人の言動を
総合し、どう接するのが良いか考え進めていくことをカウンセリングでは行います。
勿論、加害者の言動の変化に気づき、モラハラが緩和されることがあります。一時的な繕いでなく
本当の意味で、自分自身の言動を顧みる加害者が、稀にいます。
そもそもこういう加害者は
モラルハラスメント加害者とは異なるということです。
以下に、被害者の行く末についてまとめてみました。
自信をなくす
モラル・ハラスメントの最大の特徴は「静かに・じめじめと・陰湿に」、繰り返し行われることです。
被害者は容姿を馬鹿にされ、人格を否定され、存在を否定され
(無視は無言とは違って相手を不安にさせる武器であり、精神的殺人です。 )
自分を形作っている趣味や友人、親など大切なものが、常にくだらない価値のないもの
として否定され続けます。
あえて、人前で、馬鹿にしたり、非難したりするケースも多いです。
本当に被害者に被がある場合ももちろんあります、人間ですから。
そういう時は、それを大袈裟に他人に聞こえるように吹聴したり、自分がいかに大変か、と
いう事を披露する良いチャンスにしたりします。
一つ一つの言葉・態度・反応は、取るに足らないものに思えるかもしれませんが、
それが毎日のようにウダウダと繰り返され、自分の価値を貶められることで、
次第に自信が持てなくなり、精神的に追い込まれていきます。
ことあるごとに加害者から非難され、その存在さえも否定されるような扱いを受け、
自尊心が破壊され続けていくように感じます。
人間は一時的な悪意のある言動には耐えられますが、それが日常的に繰り返されると
持ちこたえることができません。しかも、その悪意を示す人に対してやり返すことも、
弁明することもできない状態であれば最後には病気になってしまうのです。
心の病気になる
モラハラの目的は、多かれ少なかれ悪意を持って
(場合によっては加害者はその悪意を意識していないことすらあります)、相手を傷つけることです。
モラハラ的な状況、つまり被害者が何をしても言っても馬鹿にされたり、
加害者のイライラの原因はすべて被害者の責任としてして片付け、攻撃の対象に
されてしまう、その状態から抜けだせなくなってしまうと、被害者は恒常的な不安を抱くようになります。
人間というのは一時的な悪意には耐えられますが、その悪意が日常的に繰り返し示されると持ちこたえることができません。
しかも、その悪意を示す人に対してやり返すことも、弁明することもできない状態であれば、
最後には病気になってしまうのです。
自発的な行動や発言ができなくなっていく
加害者は「自己主張せず無条件に自分に従う奴隷」を求めています。そのため、
被害者が自分の意見を言えないよう巧妙に仕向けていきます。
・威圧する態度で言いたいことを言えない雰囲気を作る。
・被害者が話し始めると険しい目線を向ける。
・揚げ足をとったり些細な言い間違いやミスをやたら指摘する。
・発言した内容に好意的な反応や、同意をすことはなく馬鹿にしたり否定する。
・気に入らない発言は無視することで相手を黙らせようとする。
・些細な言葉にひっかかり激怒したりネチネチと説教が始まる。
・失敗すれば、責め立てたり説教したりそれ見たことかと冷笑する。
何か言えば罰を受ける、ということが長期間繰り返し行われることで「何も言わない方がいい」
と自発的な発言を諦めていくように徐々に仕向けられていきます(マインドコントロール)。
しかし被害者が従属的な行動しかとれなくなると、今度は「自分で考えて動け」とか
「自分の意見がないダメな奴」などその姿勢を攻撃材料に責めるようになります。
そして、更なる攻撃を行います。
痛めつけることが目的なのですから、被害者がどう行動しても、非難、攻撃はやみません。
判断力が低下し仕事の能率が下がる
加害者は挑発を繰り返し、被害者を苦しめいらだたせます。
加害者が被害者をおとしめ続けるので、まわりの人間も被害者を軽んじるようになります。
いつ傷つけられるかもわからず、常に緊張し、攻撃に気を取られて仕事の能率も悪くなります。
そして理不尽なことに、そのことがまた加害者の新たな攻撃の材料にされてしまうのです。
「仕事ができない」とレッテルを貼られた被害者は、雇用者から能力の欠如や仕事上の失敗を理由にして解雇されます。
家庭でこの状況が起こると、子供たち、義理親、そして実親まで、敵になっていきます。
無気力になる
こうして相手とのコミュニケーションで落胆や苦悩を何度も味わわせられることで、
「頑張ってもどうせ認められることがないしバカにされるんだ」
「何かをやってみてもすぐに嫌味や皮肉を言われて否定されるだけだ」
という学習性無力感が形成され、無気力なうつ病に近い状態に陥ってしまいます。
ダブルバインドによって何をしても言っても否定されるという状況が長期間続くと、
統合失調症になりやすくなります。
感情の麻痺
虐待されることに慣れると、被害者は状況に無頓着になり、感情が麻痺していきます。
無意識のうちに感覚や感情を意識から分離しているため、今起きている出来事が他人事のように思えます。
苦しみに気づかないようにしたり、自分の感情を凍結保存し、感じないようにしているのです。
逃げることもやり返すこともできないまま、明日も明後日も加害者とともに仕事や生活を続けていくには、
そうするよりほかに方法がないからです。
感情の決壊、ヒステリー症状
常にディスカウントされている(蔑まされている)ので心がズタズタになっており、
もうこれ以上びた一文も卑下されたくなく、ちょっとした言動に過敏に反応して攻撃的防御を行う,
あるいは、ストレスの高原状態が続いているので、少しのことで感情爆発が起こって止められなくなることが
あります。
それを加害者はまた利用して、ダメ押しするかのように、被害者をけなし続けます。
自己愛性人格障害になってしまう
●加害者は相手にとって最も大切な人となり、影響力を最大にしてから裏切る。
元は人を疑わず無防備だった被害者は基本的不信感を植え付けられ、
また傷付けられるのではと人に対して防衛心が強くなり、消極的、または攻撃的になってしまう。
●加害者は悪い母親役となり、「お前は俺がいないと何も出来ない」と
言いながら過保護過干渉に世話をやき、価値を収奪する。
その後悪い父親役となり、無視をしたり、人と比較して貶したり、少しでも期待と違うと不機嫌になったり、
何をしても否定するなど言葉と態度による暴力を加え続ける。被害者は
「相手の思い通りにならなければ存在を認められない」
「相手の期待に応えない自分は必要とされない価値の無い人間である」
という自己不信感を植え付けられ、自己愛性人格障害になる。
●「自己投影・投影同一視」により加害者は自分の欠点を被害者
に向かって投げつけ続ける。長期間一緒にすごし、繰り返し
「お前はプライドが高く、
人の目を気にする駄目な人間」
「自分勝手で人の気持ちがわからない」
などと言われ続けるとマインドコントロールされ自己愛性人格障害の特徴をコピーされてしまう。
●自己愛と闘った場合、同じような攻撃の仕方を身に着けてしまうのです。
病的な心理状態や心身症
抑うつ感・自己嫌悪・希死念慮・対人緊張・楽しみの喪失・摂食障害などの病的な心理状態
不眠症、胃痛、生理不順、過食、食欲不振、精力減退、円形脱毛症、などの心身症
ストレス反応性の自律神経失調症、身体表現化障害(転換性障害)、うつ病、適応障害、神経症などの精神疾患
生きる意欲の低下・自殺願望
「自尊感情」が傷つけられたり脅かされたりすると、自我は為す術もなく崩壊してしまい、
重篤な人格障害レベルの症状を引き起こしたり、自殺念慮、自殺企図を引き起こしたりすることもあります。
自己愛性人格障害者の周りに、自殺者がいることは珍しくありません。
自殺理由について都合よく自分とは無関係なように言いますが、実は加害者からののコントロールによるもの
であることが少なくないのです。