経験者にしか理解出来ない信じがたい人格の持ち主がいます。
自分自身を愛する自己愛は、健全な心の発達の為には、必要なものです。しかし、それが病的に肥大化し、自分に対する誇大感を持つようになると、「自己愛性人格障害」と呼ばれる病気になります。健全な人のように、ありのままの自分を愛することが出来ず、自己を過大評価する病気です。
「自己愛性人格障害=モラハラ」というわけではありませんが、かなり高い確率で、モラハラの加害者は、自己愛性人格障害です。専門家の診断を受けることにより、事実を確かめ、その上で対処していく事が、必要でしょう。ただし、自己愛性人格障害の人は、自分こそが正義であり、合理的だと、信じ込んでいます。そして、常に自分が正しいという認識の下にいきていますので、専門家の診断を受けることは、まず承諾しません。仮に承諾したとしても、専門家を馬鹿にしたり、やり込めたりすることを目的にするなど、奇異な言動に出るだけでなく、専門家に頼ろうとする被害者を馬鹿にし、非難し始めます。
この自己愛性人格障害・モラルハラスメントの加害者の特徴を下記に挙げます。
1.自己の重要性に関する誇大な評価。自分の存在は、特別重要だと考えている。
2.限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれており、自分こそがそれを実現できると信じている。
3.自分が特別であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達(または高尚な団体)にしか理解されない、と思っている。自分の魅力、能力、すばらしさを理解できない人間こそが、愚かであると考えている。
4.誰からも過剰な称賛を求める。それを当然の権利と考えている。
5.特権意識、特別有利な取り計らい、自分の期待や要求に自動的に従うことを理由なく期待する。他人をコントロールし、常に自分の意に沿うような言動を期待している。したがって、それを行わない他人、または行えない他人に対し、自らの感情を抑えることはできず、ひたすら激高し攻撃する。
6.人間関係で相手を不当に利用する。自分自身の目的を達成する為、誰かを利用することを、当然と考えている。他人は利用するもの、という意識で接するが、それが見抜かれないよう、巧みに演技することも忘れない。
7.共感の欠如がみられる。他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない。またはそれに気付くことができない。しかし、自分の感情には異常に敏感である。
8.しばしば他人に嫉妬するが、それを認めない。それどころか、他人が有能な自分に嫉妬していると思い込んでいる。
9.尊大で傲慢な行動、または態度を平気でとる。
10.常に損得勘定が働き、得になると判断すれば、上記のような行動を自制し、全く別人のように振ることもできる。したがって、初期の段階では、見抜くことが難しい場合が多い。
〔この意味では、加害者は、自らの特異性、異常性を把握している。〕
11. 責任感の欠如が病的である。
12.自分の責任感の欠如は一切認めず、他人を利用して正当化しようとし、自分が負うべき責任を当然のごとく他人に押し付ける。
5項目以上、当てはまると思われた方は、是非、専門家の受診をお勧めします。
4項目だったからといって、「大丈夫」という事では全くありません。
人格障害から派生するモラルハラスメントの場合、その被害者がどんなに頑張っても、加害者の攻撃がやむことはありません。それどころか、被害者がもがけばもがくほど、加害者は喜びます。結果、ますます被害者は精神的に追い詰められていきます。
加害者はその状況を利用し、「お前は鬱病だ、精神病だ。」という新たな攻撃を仕掛けてきます。そして自分は、病気の被害者を抱擁する『良い人』を演じ始めます。
被害者は益々混乱し、加害者の異質性に戸惑いを覚え本当にうつ病になってしまうケースも多々あります。加害者は、病気の被害者をいたわる振りをすると同時に、自分を勝利者、自分こそ正常な人間と豪語します。そして、第三者からの同情、賞賛に酔いしれるのです。
いずれにしても、自己愛性人格障害の人は、全ての責任を相手に押し付ける技に非常に長けており、他人からそうではないと、指摘を受けても、絶対に認めることはないでしょう。何しろ自分の理解こそがいつも正しく、他人はいつも間違っており、自分より劣っていると思い込んでいるのです。
愛して結婚したパートナに対して、「人格障害」の疑いを持つことは、大変辛いことです。プラスの感情を過大評価して、その疑いを打ち消し、どうにか乗り越えたいと被害者は思うかもしれません。しかし、それは、不可能だと私は思っています。
ご相談も個々に状況がことなりますので、一概には言えませんが、被害者はまず現実を正しく理解しなければいけません。
しかし、嘘にまみれた根拠のない非難、罵倒、理不尽な押し付けに黙って耐えた結果、自信を失い、うつ病になってしまっては、正常な理解、判断は難しくなります。
どうぞ、一人で悩まないでください。追い込まれて「自分が悪い、自分さえ我慢すれば。。」などと思い込むのはやめてください。
正しい判断能力を失ってしまうと、奴隷、そして、廃人となり、悪のスパイラルに陥ってしまいます。
お子さんのために我慢される方がいますが、自己愛性人格障害のパートナーは、あなたを追い詰めます。
廃人となったあなたは、お子さんを守れるのでしょうか?
また、子供が、あなたを肯定したり、あなたを擁護した場合、攻撃の対象は子供にも及びます。
お子さんは、あなたと同様廃人になるか、自己愛性人格障害者の言動を毎日見て、恐怖を感じながら混乱に陥ります。そして、同じ人格障害者として育ち、あなたのパートナーと同じ道を歩んでいくことになるでしょう。”反面教師”といる言葉がありますが、それば、そういう対象(ここでいう自己愛性人格障害の親)がいても、それが異常だと気づかせてくれる第三者がいた場合に全うすることができるものです。
本来、正常なはずのもう片方の親が、常に我慢してめちゃくちゃな言動を許し、更には、子供にもそれを求めていては、子供は、その異常さに気づくことはできないのです。この状況下では、反面教師などは成り立ちません。
モラルハラスメントの加害者の非を認識できて初めて、それをばねに反面教師として消化させることができるのです。
一点注意しなければいけないのが、モラルハラスメントと言う言葉が独り歩きし、ご自身の言動を省みず、相手をモラルハラスメント加害者と決めつける相談者さんも増えています。そういった思い込みをなくし、自分を客観的に見るためにも、第三者からのどのように見えるか、と言うことに目を向けてみることも大切です。
勝手ながら、精神的健康の回復のために拝見させていただきます。
体力、体格、学力は成長しても、精神のある一部が止まっているということです。
精神的に少しでも早く立ち直って、新たな人生をスタートしてくださいますよう、心より応援しています。
また、こちらにお越しいただきありがとうございました。
自己愛性人格障害者の中には、社会的地位の高い方が多くいます。成功体験によって、ゆがんだ自己愛が助長されたり、役職についたことによって、勘違いをしてしまうことが要因の一つだと思います。
大切なことは、ご自身の判断力を高めることです。学歴、役職等の肩書きに惑わされず、その人の本性を見抜く訓練をしていく事が大切です。今回のラムネさんの経験は、その意味で、大変プラスになると思います。不信感に悩む必要はありません、世の中理不尽は沢山あります。今回の経験を生かし、それを見極める力を養ってください。
やっとの思いで自己愛から離れ、子供たちと新しい生活を始めました。
2年が経とうとしていますが、悪夢をまだ見ます。
この経験が私の人生にどんな学びを与えたのか…と必死で考えました。生きていくために。
いま現在の時点での私の答えは、人に同情をかうような人間に近づいてはいけないということ。
そんなこともわからないくらい、私自身も世間知らずだったということ。
意味を見出だせなければ生きていけないほど虚しい経験です。
「どんな学びを得たか?」は今は分からなくても、いつかきっと解るはずです。
人生に何も意味のない経験はありません。勿論しないで済む経験だったらしない方が良いものもたくさんあります。でも、その経験をしていない人より、絶対に学んだもの、得たものは大きいはずです。
「トラウマ」は、自分が「トラウマ」と思うから、そうなるのではないでしょうか。
お子さんたちが、「お母さんかっこいい」と思うよう、前を向いていきましょう!!心より応援しています。