こたつむり本舗

りうまちゃーなナマケモノのブルーな戯言の綴れ書き

今更ながらPIW2018滋賀大津雑感

2018-07-04 16:21:04 | ハコの覚書
プリンスアイスワールド2018 滋賀大津公演 5月19日昼の部 雑感

本田望結…演技構成的には出演者の中で最も低い、無理をしないで演技を魅せるプログラムで完全にショースケーターの演技。でもとにかく押しが強く物怖じしない堂々とした演技、Show must go on 幕を下ろすなの具現のような役者魂の塊。この年齢でこの風格はちょっと見たことない、これで難易度が格段に上がったなら…

本田太一…望結ちゃんのお兄さん、プロは昨シーズンのFSのラマンチャの男、こちらは完全に競技者の滑り。ジャンプ不調のなかで一生懸命跳びに行く姿は生真面目な若きカラスコ博士のよう…残念ながらドン・キ・ホーテ・デ・ラ・マンチャなアロンソ・キハーナの片鱗がないのが残念、もう少しはったりがきくようになれば…

本田真凜…太一君の妹で望結ちゃんのお姉さん、演技の傾向はお兄さん寄り。とにかく可憐で美しい所作に目が行くが…線が細すぎる。ジュニアなら飛び抜けた美的感覚が武器になるだろうけどシニアだと美しさへの過度のこだわりが欠点になる。望結ちゃんの線の太い良い意味でのふてぶてしさがあればなぁ。

安藤美姫…プリンスチームとのコラボプロ、まるで群舞を従えた宝塚スタアのような風格。元々この手の圧力の持ち主ではあったけど、こういう使われ方をすると一層映える。まさに水を得た魚で自前スポットライト自然と衆目を集める、こういう資質がないと世界のタイトルは取れないわな。

小塚崇彦…こちらもプリンスチームとのコラボ、ポジションとしては家臣団ダンサーズを従えたマツケンなんだろうけれど、若干家臣団ダンサーズに溶け込むきらいありw 卓越した足捌きで否応なく浮かび上がるからいいけど。長所と短所が同時に判るプロではあるかw

田中刑事…まさかのジョジョプロw四部の主人公の魔改造学ランをそのまま再現する力の入ったナンバー。とにかく楽しい!ダンサブル!突き抜けてる!元ネタ判らなくても乗れるショープロw
彼にこんな要素が潜んでいたは以外ちゃあ以外だけどフィギュアやるには大きな武器。んで、あの力作魔改造学ランはトンボか富士ヨットかカンコーか、学生服製造の本場倉敷にはいくらでもいるプロの学ラン縫製人が本気で魔改造したものであろう、実写版映画の衣装より出来がよさそうに見えた。

村上佳菜子…マイナーコードのラテンナンバーで緩急のついたダンサブルなプロ。佳菜子は陽気なプロが似合うし陽気なナンバーも多いけど、こういた影のあるナンバーが似合ってきた。

本田武史…いつものウォーミースローナンバー、ではあるがゲストにティーンの本田兄妹が居る分、存在感の大きさが際立つ。相変わらず掌の使い方が印象的で綺麗。難易度は低めなのはいがめないががっつりと作品として仕上げてくるのはさすが。

織田信成…こちらもダディスローナンバーだが、本田武史氏と傾向が同じな上、本田氏の方が格段に役者が上なので小粒に感じる。カウンター3Aやタノ3Loを入れて特にジャンプの難易度はダントツだけどプログラムからは浮いていて唐突感がある。もっとプログラムを作る努力が欲しい。

宇野昌磨…なんだか不思議なシェイ=リーン作の北米と中米ミックスなネイティブアメリカンなプロ、見る方も演じる方も「考えるな感じろ!」を要求されている感覚が満載。昌磨くんは結構知的に演技を組み立てる傾向で、こういう感覚で突っ走ることには苦手かなと思っていたけど、見事に場をかき乱してナンジャコリャだけを残していった。しかし、シェイちゃん鬼や。

高橋大輔…昨年秋に発表したダーティなスローナンバーのKrone、PIWキャストもゲストもダンサブルかバラードでもウォーミーかなので、彼だけトーンが全く違って浮いたプロ。それでも一蹴りで場を支配して持っていく存在感はさすが、動きも隙が無く流麗で重い寂寥感に満たしていくのはさすが。ただ半年ぶりの演技ということもあるのか緊張感も半端なく、演技そのものはXOI2017の時の方が良かった。

最後にプリンスキャストメンバー、とにかく出番が多くてダンサブル!よくこれだけの出番をこなせるなと感心するほど出ずっぱり、フォーメーション変化も多彩で無条件に燃える楽しい!今期のアイスショーのハードルを一気に上げたなと思ったチームナンバー目白押し。小林宏一氏、一体一公演で何回バックフリップ飛んだんだ?毎年PIWがこんなんだったらSOIはもういいかなとか、FaOIも二の足踏むなとか…wただ伝統?の観客のソリ載せはもう辞めてもいいんじゃないかな、あれで一気に客席の熱が冷めてるもん。

Christmas on Ice 2017 雑感

2017-12-25 22:48:09 | ハコの覚書
Christmas on Ice 2017 12月16日昼の部 雑感

吉田陽菜…ベン・アゴスト氏とダンスコラボ、おそらく初めてのカップル演技だったと思うけどリフトも楽々こなす思い切りのいい肝っ玉で助走が短くてテイクオフ動作の素早いジャンプが魅力。表情も豊かで末恐ろしい今期のノービス女王。

ベン・アゴスト…このショーのストーリーテラー、グループナンバーには必ず顔を出して小芝居をしていた。アイスダンスの五輪メダリストらしくわちゃわちゃの中でも際だって滑りが美しいので人目を引く。陽菜ちゃんとの親子設定プロもハートウォーミングでショーの白眉。もっとペアかソロが見たいなー

浅田舞…アップテンポでショービズ感満載な浅田姉妹共作プロ、しかし他スケーターに比べて足元が薄いのが目立つ。衣装もちょっと寒くてささっと代替案が四つほど浮かぶ。浅田ブランドを強調したいみたいだけど姉妹の名前は出さなかった方がよかったかも。

デニス・ヴァシリエフス…見る度にニョキニョキ背が伸びているように見えるのは気のせい?上背に似合った筋肉がまだ付いてなくて細くみえるけど、時間が解決してくれるのを待つしかないかな。何から何まで師匠譲りの演技だけど師匠よりノーブルさを感じるかな。演じ心は十二分、基礎スケーティングも綺麗だからこれから化けそうな予感は競技より強く感じる。

キーラ・コルピ…北欧のリアル妖精、とにかく速い!スピンが美しい!正・逆回転のコンビネーションスピンが見せ場!THE・プロフェッショナルなナンバー、よく見ると高難度ジャンプは無いんだけど、容姿もスケーティングも美しさは正義!

村上佳菜子…ソロはクリスタル・ケイとの自作コレオのコラボのみ。ちょっとお疲れかなぁ、いろいろと重たかったなぁ、溌剌さが持ち味のスケーターだけにそれが目立つのとしんどくなるなぁ。

織田信成…重い内容のスローバラード、愛する人との永別の歌なんだけど気合い漲る必死の表情でジャンプを跳んでいた印象しかない。脱力感で一杯で身も世もないという内容で気合いの顔が違和感、滑りも一歩ごとに上下動して忙しない。色々とフィギュアというものを見直して欲しい。

ウィバー&ポジェ…ラテンな今季のSDとXOI用に作ったFrozen、タイプの違う2プロ。正直本調子の彼らの滑りじゃない、直前の試合で怪我したポジェ氏の膝がきつそう、無茶しやがって…でも出演してくれてありがとう!声援を一杯受けて舞い上がってカナダナショナルに望んでくれ。

鈴木明子…ロングエッジを多用したスローバラード2つ、競技じゃ絶対に見られないこれぞプロの技!、なんだけど2プロとも似たような傾向のプロだったのが残念。

イリヤ・クーリック…教科書のようなジャンプに驚異的なバタフライは健在、黙っていればロシアの紳士なんだがなんだが…下町商店街のアトラクションのような賑やかで野暮ったいプロw表は赤地にツリーやトナカイ、裏地は緑のジャケットは舞台衣装会社からのレンタルかと思ったら売ってた物とかw、根っからのコメディアン体質炸裂w

ボロソジャル&トランコフ…ロシアンらしい芝居仕立ての謎プロ2つwよく見れば飛行機嫌いの男が気絶してCAナンパの夢をみた夢オチ…と思いきや寝ぼけた勢いでガチナンパ→クリスマスデートですったもんだしながらCA彼女にプロポーズ、というの込んだプロだったwトランコフ氏は終始ウサンコフさんだったw

高橋大輔…タイプの違う対象的なバラード2つ、鋭さと柔らかさが同居した寂寥感たっぷりのプロは上体の動きがとても印象的。だけど足元も鬼!オーラスのハートウォーミングなゴスペルとのコラボプロは上体の動きは最小限でエッジワークを見せる玄人向けのプロ、エッジのタッチを変えてるようにも見える、よくこれだけ滑り分けられるなぁ。

Love on the Floor 2017とFriends on Ice 2017

2017-10-14 15:05:06 | ハコの覚書
今頃Love on the Floor 2017とFriends on Ice 2017の感想をまとめて

Love on the Floor 2017
昨年のキャストはいわば自己主張の強いごった煮で個性もバラバラ、
荒削りのパワーのぶつかり合いを楽しむ側面もあったんだけど、
今年はアンサンブルとプリンシパルがハッキリと分かれていて、アンサンブルに統一感があった。
舞台としての纏まりや熟練度は今年の方が上だけど、
何が産まれるか判らないハラハラ感は去年の方が強かったかな。
個人的な好みは去年のバージョン。

Friends on Ice 2017
現役スケーターは宇野君と本郷さんの二人だけ、表現面にもこだわりのある二人だけど、
長年プロスケーターとして食っているお姉さんやおっさんの中に放り込むと…
その表現面が霞むw
おっさん's、高難度ジャンプも難ポジスピンもやれません。
でもふっとしたターンでも腕を上げるだけで空気を作る、そこが現役との大きな違い。
そんなお姉さん・おっさんが次から次へと登場するFOIは
他のアイスショーとは全く違う個性のショーとなった気がする。

氷艶2017ー破沙羅ー 5/20 マチネ 感想その五

2017-06-04 17:03:17 | ハコの覚書
 怒る岩長姫によって究極の大悪党を呼び出された猿田彦はちゃぶ台座布団乱れ飛ばして弁慶になって「歌舞伎」の世界から源義経(高橋大輔)を呼び出す、深く考えちゃいけねぇ感じるんだ!な場面だけど義経登場と共に代々木が揺れたwうん、問答無用で納得したw
 で、制作発表で演出担当の染五郎さんは言いました、歌舞伎にはなかった義経像を造ると…弁慶によって呼び出された高橋義経なんですが…まんま歌舞伎の義経なんですがっ!ww確かに登場人物の衣装やメイクは歌舞伎風ではあるけれど全く新しいデザインで、類型的歌舞伎衣装は纏っていないし歌舞伎役者が義経に扮してはいない、けれど、映像でおなじみな行動派で躍動感にあふれた義経ではなくて、伝統的に歌舞伎で演じ続けられてきた静謐で無垢な義経が氷上にいるんですけどw
 高橋大輔は小柄だしトップスケーターだしで躍動感満載行動派義経のイメージが強いのかもしれないし、ファンもそれを期待していたようだけど、昨年以降滑ったプログラムを考えると静謐無垢な義経の方がより仁に近いはず、それこそAnthem+The Person I Should Have Been=歌舞伎義経ですよ?物語の構成上終盤に大立廻りがあるのは必須だからほっといても終幕につれ躍動的にならざるをえない…それなら序盤だけでも歌舞伎義経来い!と思っていたら…まさしくその通りの過保護な家来達に守られぱなし、隙をみては寂寥感たっぷりの感慨に耽る義経でw、あな嬉しやな~、染高麗ありがとう!w
 そして二幕になるとやっぱり行動派の義経になりましたね。悪党どもの大宴会に出雲の阿国に化けて侵入する場面、最初誰だか判らなかった。日舞を習っているようではあるが男舞だけで女舞はまだの段階の習いだしてからは日が浅い、しかし付け焼き刃ではなさそう、初心者に近いわりには小道具で傘を使って綺麗なラインが出せるのはすげぇなぁ、
普通は台風と戦う人にしかならない段階だろうに、相当に踊りのセンスがあるなぁと思ってオペラグラスで覗いたら…高橋大輔だったw普通にアンサンブル黒子の誰かで義経一行がなだれ込んで大立廻りになると思ったわw
 そこからの阿国に化けてる義経の手踊り実は邦楽曲でヒップホップもトンデモナイもの観た!(トンデモなさ過ぎて記憶がふっ飛んで覚えてない)だったけど、個人的にさらにトンデナイと思ったのがその後の岩長姫にねちこくいたぶられる件、だって岩長姫本体は後ジテへの早変わりの為に早々に引っ込んでその後はプロジェクションマッピングと録音音声になっているので岩長姫と義経二人のシーンではあるが、実質は義経の台詞無しの一人芝居で映像相手に場を支えなければいけない訳で…役者でもない素人に振る演出ではないけれど…見事に悶えてましたねw見るものの心を岩長姫に傾倒させてざわめかせるほどにw
 ぎりぎりの間合いで凄いスピード突っ込んでいくダイナミックな立廻りも義経の魅力のひとつ。上体の使い方も大きく変則的な上、エッジワークがディープでえげつないことこの上なしw

 全体としてテクニックの上手い下手は勿論だけど、役者の格や華がないと場が持たないなと感じる場面もあり、歌舞伎の世襲は因習とはいえ合理的な側面もあるなと…
 そしてスケーターはマンネリしたアイスショー打破に必要なのは堅実なスケーティングスキルとシンクロナイズドスケーティングに適した資質かなと…

氷艶2017ー破沙羅ー 5/20 マチネ 感想その四

2017-06-04 17:01:28 | ハコの覚書
 怨みに沈んだ岩長姫によって「破沙羅」の世界に召喚されたのが「歌舞伎」の世界の仁木弾正(市川染五郎)、空から登場するやいなや、この世界にやって来たからには極悪非道の限りを尽くすと宣言する底抜けに陽性な極悪人w常にバックにちゃぶ台座布団が乱れ飛んでいるようなキャラクターw
 先代萩の世界からは切り離されているんで氷艶の仁木は役としてはあまり仕所がない、一幕中盤以降の岩長姫との酸いも甘いも噛み分けた艶っぽくも怪しく危ない大人のやりとりと、二幕序盤の阿国に化けた義経をつまみ喰う戯れのやりとりくらいで、あとはトコトン突き抜けたヴィランぶりを堪能するが吉。とにかく楽しそうに悪事を働く仁木が楽しいw
 仕所が薄い分、とにかく立廻りが派手、なんたって仁木もスケート靴で立廻りをするから!とにかく早い!大きい!スケート靴で六方も踏む!宙乗り沢山!一体仁木は何度空を飛んだことやら判らない!これでもか!とガンガンあの手この手で前に出てくる大悪党!ひたすら楽しいw
 でもね、前から思っていたんだけど、舞踊では無双の華やかさの染五郎さんなのに、芝居になるとどうも線が細くなるのはどうしてかと不思議だった。確かに私が染五郎さんの演技をよく観ていたのは、まだ若手の頃で脇を固めていた頃ではあったんだけど、花形御曹司なのどうして?と…なんとなくこの人は性格が良すぎて周りの人に合わせすぎる傾向が強いのかなと今回ハタと思い付いた。舞踊だと否応なく舞台の中心で一人で引っ張らないといけないけれど、そういう状況で本来の才能が煌めく人なのかなと。
 今回の氷艶は善人側は台詞無しのスケーター中心の座組なので、悪人の頭目二人仁木と岩長姫で芝居を作る必要がある上に飛び道具的な役柄もあってガンガン出てくるわけで…これからが本当に楽しみです。
 しかし、氷艶の市川染五郎の凄いところは演出家としての手腕!あのプランはどこから出てくるのか謎!良い意味で裏切られっぱなし!観たいと思っていたモノがほどよいタイミングで出てくる作品構成感覚も見事、それとシアターじゃなくてアリーナだから縦方向にダイナミックな使い方をしてくるだろうなとは思っていたけど想像以上に縦の視点がいっぱいで、プロセニアムじゃなくて花道育ちの人の視点は違うと感心するやら呆れるやら…全くこの人の頭の作りはどーなっているのやら…この人はウォルフガみたいング・アマデウス・モーツァルトの生まれ変わりかなにかですかねw

氷艶2017ー破沙羅ー 5/20 マチネ 感想その三

2017-06-04 16:58:34 | ハコの覚書
 瓊瓊杵&木花の裏切りにあい置いてけぼりを喰らって恨みに身を沈める岩長姫が市川笑也、この人も久しぶりに観るお人。アイスホッケーの選手登録歴の過去があるのは昔から知っていたので氷艶の制作発表があった時にはこの人は絶対に出る!と確信した人でしたw
 今回は岩長姫ということで相当に迫力のある顔に作ってあったが、透明感のある容姿と美声は健在、昔から位取りだけは苦労した形跡のない人だったけど、「破沙羅」の世界のトップに君臨する悪の女王然とした押し出しも立派。若い頃からの長所はそのままに経験を重ねた熟練の演技で物語を進めていく。
 最初に登場したときの生真面目一本やり義務感満載な様子から、恨みで仁木弾正を呼び出してからの仁木との妖艶な絡み、義経を捉えての艶然とした挑発、まさにねっとりとした怪しい大人の色香を振りまいていた。まさか良くも悪くもクリスタルのようと評された笑也に妖艶とか艶然といった単語を使う日がこようとは!どんな形でもいいから猿翁さんに観て欲しいなぁ。
 で、スケート経験者の笑也さんは終始スケート靴をはいているわけですが…滑っているというより浮いてるwお引きずりの打ち掛け状のドレス姿で上体を動かすことなく優雅に裾を捌きながら氷の上で浮いているw趣味で滑ってた人の滑りじゃなかった、ジュニア上位からシニアレベルでの選手登録の過去があり、現在まで定期的に滑っている人の滑りでしたねw
 それと、つーっと音もなく浮いているような滑りにも驚いたけど、氷上での毛振りにも驚いたw舞台でも滅多に毛振りはしない人が氷上で毛振りw市川笑也の毛振りなんて22年ぶりだwおおーっっとこの場面だけ音色の違う歓声が沸いてましたねw
 それ以上に驚いたのが一幕で岩長姫の裾からフィギュアブレードが覗いた時!、なのに二幕では白のホッケーブレードで、一幕と二幕で使用するスケート靴を替えていたこと!
 競技の種類によってスケートブレードに重心を乗せるポイントが全く違うから併用は無理なんだそうですが、二種類のシューズを使い分けて同等の滑りをするなんてね…変態!w

氷艶2017ー破沙羅ー 5/20 マチネ 感想その二

2017-06-04 16:53:35 | ハコの覚書
 猿田彦/弁慶の愛しき妻・天鈿女命が村上佳菜子。このウズメちゃんが可愛くけなげで一途で猿田彦を慕っている情感もたっぷりで出色の出来、天鈿女らしい躍動的で溌剌とした色気もあり、まさに仁にあった役で見応えがあった。
 基本スケーターには台詞は全くないのでウズメちゃんも喋らない、でも猿田彦とラブラブのおしどり夫婦感がちゃんと出ていたのには驚いた。だから立ち往生した弁慶を嘆き悲しむ様も、夫の再生を女神に祈る(天岩戸の変形シーン)様もすとんと腑に落ちる出来になっていた。
 最も競技スケーターに近い人で、衣装も最も身軽なデザインで、最もスケートのプログラムに近いソロを唯一滑ったのもこの人。つか、一般的なフィギュアスケート的なスケートはウズメちゃんのソロでしか堪能出来ない演出になっていた。けど最初のソロは長かったかな。

 さて、猿田彦&天鈿女命夫婦が大地の主として呼び出す天津神の天孫・瓊瓊杵尊が織田信成。直衣風の衣装も似合っていたし、滑りもいつもより綺麗だったけど、表現が暗い。
 この人は明るいひょうきん者のパブリックイメージがあるし、本人もコメディ得意と盛んにアピールしているけれど、表現者としての本質は陰で受け止めることなく段取り的に流す形質のある人。実際にスケーターとして滑って居るところを見ないと判りづらいけど陽の形質は皆無の人だ。
 この瓊瓊杵尊は出番こそ少ないけど、冷静に見れば事件を起こした張本人で悪人ながら、しれっとした顔でちゃぶ台座布団乱れ打ちして善人側でふんぞり返る役どころ。スケーターの役としては唯一「それがどうした!細けえことはいいんだよ!」と強引にねじ伏せなきゃいけない物語の要の役なんだが…陰の形質ゆえにそれが出来ていない、話が膨らまない、パブリックイメージ先行が徒になったか、表現者としては力不足じゃなかったかなぁ。

 瓊瓊杵尊の妻になる姉妹の妹・木花開耶姫が浅田舞、ジャンプがないのは幸いだったろうが、そうとうブランクがあるのによく滑っていた。
 かなりアグレッシブなお姫さまな造形だったんだけど、夫役が流すタイプだったので独り相撲になった傾向あり。なんだか印象の薄い夫婦だったかなぁ。

 静御前に鈴木明子、義経の胸の内に宿る幻影で気弱になると現れるという役どころなのであまり出番は多くない。 氷艶は従来のアイスショーのようなスケーティングプログラムがあまりない。ウズメちゃんのソロと義経&静のデュオの二つくらいか、一幕の義経とのデュオスケーティングで貴重なスケートプログラムを担当する役どころ。
 鈴木明子は表現に長けたスケーターで、プログラムも大地に根を張ったような力強くパワフルが多く得意なジャンルではあるが、正反対のようなはかなげな清楚なプログラムが苦手ではなく、力強いプログラムと同等レベルで得意。それは高橋大輔も同様なのだが、通常のアイスショーではシングル同士のデュオスケーティングは即席即興であまり滑り込むことも少ないが、今回は存分に滑り込んだ状態で儚げなデュオスケーティングで魅せた。ふわふわと風に溶けるような表現が出来るのもフィギュアスケートの魅力の一片を見せた、今回はカップルジャンルのスケーターがいないので貴重なシーンになった。
 そうかと思うと…二幕目岩長姫に捕らわれた義経を助けるために現れてからは静御前も白刃を振るって立廻りに参加するwこれ、映像作品でしか静御前を知らなければ違和感を覚えるかもしれないが…歌舞伎だと静御前が白刃をかざす唯一の赤姫なので、氷艶なら静も立廻りくらいやるだろと納得出来るw歌舞伎の静は自立した気丈で強い女なのです。義経とは逆で映像イメージから歌舞伎イメージになったパターンですな。

 悪のタココンビこと、奴江戸兵衛(澤村宗之助)と鬼佐渡坊(大谷廣太郎)は岩長姫の眷属ながら三枚目のコメディ担当wこのたっぷりとしたタコモチーフの着肉衣装を纏ったタココンビのはっちゃけぶりがすさまじく、悪の一味が皆どこか愛らしい雰囲気を帯びることになったw(蛇髪姫のぞく)
 でも、この摩訶不思議な底抜けのコメディキャラも荒事歌舞伎のお約束の定番なんだよなぁw
 レクレーションレベルでしかスケート経験のない宗之助さんと、スケート経験無しなのに氷艶出演を志願した廣太郎くんの為に、プロテクター代わりの着肉衣装と万一の転倒でもギャグに持って行ける三枚目役を用意したということだそうだけど、猿田彦/弁慶の亀鶴兄さんよりスケートは上手くなってたよね。
 
 義経と一緒に召喚された善の四天王が大島淳・鈴木誠一・蝦名秀太・佐々木彰生の四人、PIWチームメンバーOB+飛び抜けた表現力で全日本フィギュア大会の華だった彰生くんの四天王は大立廻りの中心になったメンバー。
 集団で滑る事になれていてる面々が超高速大立廻りの中心に居たのはなんとも心強い事だった。
 悪投の大宴会に現れた悪の四天王が澤村國矢・片岡松十郎・中村かなめ・中村蝶紫の四人、滑ることなく宴会の場面で一差し舞うのが見せ場だけど、それが動く錦絵のごとくで極上のスパイスだった。
 それに場面ごとに善側になったり悪側になったりするアンサンブルとして、スケーターはPIWチームメンバーOB・OG中心にアイスホッケー経験ありの俳優さんとジャパンアクションエンタープライズの面々が走り・滑りまくり、演奏のDRUM TAOも迫力あるスタイルでまるで立廻りに参加しているようだった。

氷艶2017ー破沙羅ー 5/20 マチネ 感想その一

2017-06-04 16:49:25 | ハコの覚書
 時間が経って記憶が薄れても、なんかなんか…トンデモナイモノ観た!の衝撃が薄れない…とにかく今まで観たことのないもの、全く新しいエンターテイメントステージ、類似系はない!
 「氷艶2017ー破沙羅ー」はそんな舞台だった。

 物語は日本神話の瓊瓊杵尊の降臨とそれに伴う岩長姫・木花開耶姫の姉妹の輿入れの物語がベース。姉妹二人が妻となるはずが、瓊瓊杵尊は妹・木花開耶姫とだけ駆落ちし、一人残された姉の岩長姫は憎しみと嫉妬に狂い…あとは、「それがとうした!細けえことはいいんだよ!」ちゃぶ台ひっくり返して座布団が乱れ飛ぶ!善と悪との戦いに!
 あらすじがあるようで「それがとうした!細けえことはいいんだよ!」、物語が進むようで「それがとうした!細けえことはいいんだよ!」善役と悪役がいる、それだけ踏まえていれば、あとは「細けえことはいいんだよ!」
 歌舞伎役者だけは台詞を喋るがスケートも滑る、スケーターに至っては最も弱点になるだろう台詞もないけど、最も華になるジャンプもほぼない。その分、登場人物同士の距離感や主従関係、役の位取りはとても大事にしている感じ。台詞やストーリーではなく演者の存在感で舞台を進める作りで、役者・スケーターの存在感・華が全てという恐ろしい作りのステージだった。

 まず登場するのは物語の導入役の女神稲生の荒川静香、それもステージになる幕の上から宙乗りで空飛んで登場。そうか劇場じゃなくて体育館だから宙乗りも双方向で使えるのか、劇場の常識が揺さぶられた瞬間だった。
 荒川さんの女神役は「破沙羅」の外に広がる「氷艶」の世界を統べる神の役どころで、登場人物の力関係では最上位の役、善でも悪でもなく"力"な存在。だけどスケート好きなら彼女の演技は予想は付く範囲、いつもの通常運転の荒川静香で予想外の出来ではないのだが、プロの役者でもないのに最高位の神の位取りが出来るのってなかなか凄いことじゃないのかと物語が進むにつれ思った次第。
 荒川さんはもう一役一幕最後に登場する岩長姫の部下の蛇長姫を兼ねている。もうこれは舌なめずりしながら殺戮を楽しむ邪悪な姫wこれが女神稲生以上にはまり役wシームレスな高速スケーティングで縦横無尽にぶっ殺していく様はまさに毒蛇の化身。

 女神稲生の導きで語られる「破沙羅」の最初の登場人物は国津神の猿田彦(中村亀鶴)。堂々な押し出しに朗々とした声、瞬時でTHE歌舞伎な雰囲気がアリーナに広がる。善側のストーリーテラーな役割でこの人が黙っちゃうと善側には喋る人が居なくなってしまう重要な役どころ。まあ、レクレーションレベルでしかスケート経験のないとかであんまり滑らなくてスパイクシューズで登場することが多かったんだけど。
 私、しばらく歌舞伎はご無沙汰で亀鶴さんの演技を見るのも久しぶりなわけだが、若き日の並び侍な日々の亀鶴さんも思えばなかなかに目立つ存在ではあった。なにしろ無駄に熱い!横向く仕草だけでも力一杯!中の人は松岡修造内!と思うほどw、そうかと思うとリバーシブルで高橋一生的な霙時雨になったり、器用で上手いんだけど石原良純召還して気温・湿度・気圧の調整して欲しいなと思ったこともw
 久しぶりの亀鶴さんはほどよい松岡修造感で正しく正義の味方!男の中の漢!コイツが居る方が正義の善の方!途中ソレってどーよ?になっても「それがどうした!細けえことはいいんだよ!」ちゃぶ台座布団乱れ打ちで矯正してくるw話の流れで何故か弁慶にもなるけど「それがどうした!細けえことはいいんだよ!」な押し出しの強さが立派、弁慶の立ち往生の件もあり、荒事の立役ぽくて大変良かったです。
 ただ、岩長姫登場まで一人語りで場を持たせるのしんどそうでもあった。

LOVE ON THE FLOOR 7/2 マチネ感想 その三

2016-07-05 21:22:13 | ハコの覚書
・高橋大輔はスタンドプレーも出来るバイプレーヤー、つまり究極のオールラウンドプレーヤー
舞台人には舞台の場を支配して輝くスタンドプレーヤーが居る。素人演芸会以上の舞台だと、このスタンドプレーヤーが居ないと生の舞台は成り立たない。好例は藤原竜也さん、彼は舞台の端に姿を現しただけで劇場の全てを支配するかのようなオーラを持っている。
そして商業舞台でピンクレジットされる人たちは強弱はあるが大抵はスタンドプレーヤー、スタンドプレーヤー同士のバトルがうねりを産みドラマ作る、んだがスタンドプレーヤーばかりだと喧嘩にもなる。スタンドプレーヤーとスタンドプレーヤーを繋ぐバイプレーヤー・地味だがいぶし銀の脇役も必要。スタンドプレーヤーとバイブレーヤーをバランス良く配役するのが良い舞台には欠かせない。
実は数は少ないが、基本はバイブレーヤーだが場面によっては誰をも支配するスタンドプレーを見せる人もいる、意外だろうが山本耕史さんがこのタイプと感じている。周りに気配りして場面場面で気配を変え、ある時は地味に他人の演技を支え、次の瞬間には全てを従えてしまう究極のオールラウンドプレーヤーだ。そして高橋大輔も間違いくこのタイプ。デュオの時の必要以上に主張せず寄り添い消える様とソロの時の存在感の幅の大きさ、舞台人としても希な才能の持ち主かも。

LOVE ON THE FLOOR 7/2 マチネ感想 その二

2016-07-04 17:39:21 | ハコの覚書
・誰よりも荒削りなのに最もたおやかな動きの高橋大輔
出演者の中で一番体が固くて荒削りなのは高橋、なのに素人がぱっと見しただけでも解るしなやかさと流れのある動き。華やかなたおやかさと荒削りな力強さを内包したアンビバレンツな要素を持った高橋はとにかく目立つ!おそらくダンスになれるに従って荒削りさは無くなっていくだろうから今だけの時分の華だろうけど、多分別の力強さを宿すんじゃないかと期待は出来る。質は若干変質するだろうけどアンビバレンツな要素持ちということは変わらなさそう。
そしてこの柔らかさ、偶然お隣になったマダムは「太極拳のよう」とおっしゃっていたが、私はなんだか日舞っぽいなと。肩から肘の動かし方・角度、手首の返し方、特に指の処理が和物ぽい、
それと高橋は音への反応はすこぶる良く早い。だけど他のダンサーのように動きの全てを一瞬のうちに行うんじゃなくて、初動は早いが終盤緩めて次の動きに繋げるような感じで動く。それがなんとも言えない連動と艶やかさと柔らかさを生み出しているような気がする。それが何故日舞を連想させるのか…この動きを残す動き、どこかで見たことある、あれは確か片岡仁左衛門や中村富十郎の舞踊で見たような…

LOVE ON THE FLOOR 7/2 マチネ感想 その一

2016-07-03 22:21:57 | ハコの覚書
いろいろ書くのも野暮な気がするので、高橋大輔を中心に覚え書き。

・思っていた以上に本格的なダンサーだった高橋大輔
よく見るアイドルタレントを主役に据えてなあなあな稽古をしてずっこけるか、素人を大胆に起用してしごいてしごいて鍛えてなんとか形にして舞台に上げるか、なら、今回のパターンはどちらに近いと言われれば後者に近いんだけど、アメリカで有名アーティストと共演しているダンサーたちに混じっても遜色無いレベルにまで仕上げていた。
確かにまだ荒削りで気合いの力業で持って行っている感はあるし、本人の自己申告通りに出演者の中で一番体が固いんだろうなというのも一目でわかるレベルだけど、日本のショーダンスではなく、ちゃんとUSAのショービズのプロのダンスにはなってたんじゃないかな。
もっと稽古を積んでいればもっと洗練されたダンスになっているのは明らかだけど、荒削りな気合いこそ、今回の舞台に必須要素のみたいにも感じた。

Christmas on Ice 12月19日昼の部 雑感

2015-12-21 22:15:17 | ハコの覚書
Christmas on Ice 12月19日昼の部 雑感

岩野桃亜…まだノービスなのに芝居っ気たっぷりで客いじりばしばし、物怖じしないなかなかの度胸の持ち主、これからが楽しみ。
荒川静香・鈴木明子…共に今公演用のオリジナルソロプロとコラボプロだったんだけど…綺麗なプロだったんだけどちょっと印象薄し。ソロプロは既存の滑り込んだ持ちプロを持ってきた方が良かったかも。
ブライアン・ジュベール…楽しそうに伝説のライズ再び!コラボプロではリフトも。
デニス・テン…コラボプロとソロ、ソロは今期のEXながら初お披露目のヒップホップ、複っ雑なリズムをひとつももらさず踊りまくるかっこいいプロ。
イリヤ・クーリック…ウォーミーな情緒的なソロ二つ、相変わらずバタフライが素晴らしい。
エラッジ・バルデ…手馴れたMichael Jacksonメドレーが良く似合う、見せ方を良く知っているダンサーぶり、アゴストとのコラボでは一転コミカル、でも身のこなしは美しい。一公演でバックフリップ合計四回!
タニス・ベルビン&ベン・アゴスト…ソロのハレルヤは美しくもドラマチック、タニスはノービスの小田垣櫻くんとのコラボも。まるでバレエ・くるみ割り人形の金平糖の精が抜け出たよう。小田垣くんもお芝居は達者でスケート綺麗。バルデとのコラボのアゴストさんは…しっかり怠け者のサンタクロースでした。
チン・パン&ジャン・トン…さすがに現役時代よりレベルは落としてきたけど、高いリフトやトリプルツイスト・スローサルコーは変わらず、そして相変わらずのラブラブ振りで…
ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ…今期EXは恋に落ちて儚く死んでいく正統派のドラマチックなロミジュリに感動(フィギュアのジュリエットって逞しい人が多いんだもん)、もうひとつは没になったSDをリメイク、雰囲気たっぷりのプレスリーに乗ってケイトリンを口説く(様に見える)ポジェに感動。どちらも煌びやかなプロで見ごたえあり。
高橋大輔…ラクリモーサは色々と衝撃作、三曲?繋いでエフェクト重ねてる?とにかく拍子はころころ変わる変拍子、転調ばかりだし、メロディラインは長く続かない、特徴バリバリあるようでまったく捕らえ所のない曲、コレオはコンテンポラリバレエ系、これってフィギュアスケートナンデスカ!人外のモノが現れたかのような感覚、しいて言えば備中神楽の退魔破邪招神の剣舞の猿田彦の舞のような混沌しとたモノを見た感覚。
もうひとつのBorn on Christmas Day、この公演のために作られたプログラムだけど、結構難しい足技の入った難プロだったような。しんみりと暖かいプロ。

楽しさを教えてくれた人

2015-02-22 21:26:23 | ハコの覚書
坂東三津五郎丈の訃報を知った。

…あまり芳しくないという風の噂も聞いていたので…とうとう、ついに…と言ったところ…
とにかく踊りの上手い人で、この人の舞踊を見て始めて日舞って面白いんだと思った。
つまりは日舞の楽しさを教えてくれた人。

今頃は勘三郎さんと二人で踊り狂ってる頃でしょうかねぇ。

写真力@成羽美術館

2013-04-29 16:13:31 | ハコの覚書
高梁市立成羽美術館で開催中の篠山紀信展・写真力を観に、前日に國橋まつり大神楽を終えたばかりでちょっと抜け殻ぽくなってる成羽に行ってみた。

ここは田舎の公立美術館でありながら、今の安藤忠雄氏設計の建物で三代目、岡山県でも指折りの老舗美術館で、倉敷の大原美術館とは所縁があり、成羽コレクションがちょこちょこ大原に貸し出されるている姉妹館でもあったりする。

美術館駐車場脇にある吉備津彦&宇羅像@備中神楽
この二神は備中神楽にしか登場せず、他の神楽には出てこない


んで篠山紀信展、たまたま入館タイミングが一緒になったアマチュアカメラマンらしきミドルエイジの男性二人組と、タイミングがずれないまま館内を回ったんだけど…

(以下青字は男性二人組のつぶやき)
坂東玉三郎・花魁揚巻…「スゲー」構図を計ろうとして後退る、危うく衝突事故、入館者はこの写真でみんな後退っていた
大相撲・力士・行司・呼び出し勢ぞろい…「写真じゃなくてまるで絵だね」
黒柳徹子セミヌード…「これ…は…大分昔の写真だよな…こうして見ると美人だねー」
高橋大輔…「お、大輔がおる」 地元だもんな
田村正和・眠り狂四郎…「これ誰?」「ほら眠り狂四郎」「あ、田村正和!若けー」 変わってないイメージあったけど…
岸恵子…「これ岸恵子だよな、なんて顔してんだ、すげーな女優だねー、この顔よく取れたねー」 女優魂に感心してたよう
AKB48…「みんな良い顔で写ってんなー、いっぺんにこれだけの人数取っててこれだよー」
吉永小百合の前で佇んで次に行こうと振り向くと渡辺恒雄…「なんの罰ゲームだよっ!」

良くぞ言ってくれました!と言うほど同意見のオンパレード
それ以外では、

中村勘九郎・襲名披露…揚巻花魁で皆が後退った先に居る。ぱっと見、勘三郎が居るのかと
浅田真央…わあお、パブリックイメージが吹っ飛んでるー 静かに燃え深まる高橋と闘志みなぎる浅田が二枚上下並べて対比されている
三島由紀夫…彼の美意識を理解するのを本能が拒否する感覚…
夏目雅子・大原麗子…まるで天女
勝新太郎・座頭市…蹴り出した下駄が飛び散る様が躍動的で印象的(例の男性達は見るなり「これはないー」 位置的に、聖母のような大原麗子から視線を移すと、感情丸出しで泥臭く戦うような勝新・座頭市が飛び込むレイアウトになってたせい)

服着てるけど(着てないのもあるけど)丸裸にされてると感じる写真多し、さすがは人気の大御所。
あ、三島由紀夫氏だけは、ヌードではあるけれどガチガチの冑を纏っているようで、その冑を纏った姿こそが三島由紀夫だといっているようでもあった…かな?

後はお目当ての児島虎次郎の常設展!確かここに「酒津の農夫」がっ………いない…お出かけ中ですかのう、大原あたりに…

児島虎次郎「酒津の農夫」
生で観たかったんですけどぉ


大岡越前

2013-03-30 21:38:38 | ハコの覚書
HNKBSプレミアムの『大岡越前』、制作会社がTBS時代と同じところが作ってるとはいえ、あまりにthe・時代劇テンプレであまりにTBSしてて、まったく…本気を出したNHKはコワイわ。地上波放送は月曜八時で放送でしょ。

ただなー、やっぱり着物に着られている俳優さん、声が軽くて厚みがない俳優さんが多いこと…こういったthe・時代劇テンプレだとかなり悪目立ち…
主演の東山さん、さすがに所作が綺麗で姿が美しい、なんとも端整な御奉行様。これで声に深みが出れば文句なしなんだけど、あとは本当に声に深みが出ればね…いっそ、ジャニーズは義大夫のレッスンを必須にしちゃいません?

つか、この『大岡越前』がNHKでできるなら、次は『銭形平次』が見たいんですけど!