こたつむり本舗

りうまちゃーなナマケモノのブルーな戯言の綴れ書き

驚天動地

2018-07-04 21:54:30 | 三日坊主日記
高橋大輔がまさかの現役復帰した!
予想すらしてなかった出来事に驚天動地でまだ夢うつつで…
まさしく「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!な… 何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった…」

だってね、高橋大輔ってフィギュアスケートという特性があったとしても、アスリートにはあるまじき芸術性指向強い男で、プログラムに向かうインタビュー記事を読むと、それおんなじことを中村吉右衛門丈の芸談で読んだ気がする…みたいなことばかりだったわけですよ。
実際にコンペでの演技も滑ってるのに踊ってると言われる男でしたよ、引退後に歌舞伎役者と共演しても位負けするとなく板に付ける度量と器量があるわけですよ、完全にアーティスト気質な男が場違いな競技の場にいる感プンプンしてたわけでして。
確かに引退に至った経緯は不本意きわまりなく不完全燃焼なのは当たり前、心残りだろうことは明らかでしたが。
それがまあだからといって、引退から四年が経過してまさかの現役復帰宣言が出るとは思っても見なかった、驚いた、不完全燃焼のやり直しを試みるとは!ここまで勝負好きなアスリート気質の持ち主とは思ってもなかったので…高橋大輔という男を舐めてました。

アーティスト気質とアスリート気質はフィギュアスケートであれば高いレベルで等比して存在する、うんそうなんだね、あり得ないと思ってたけどあり得るんだ。
そしてひとつの物語が終って、また新しき物語が始まる、その時目にする光景は、おそらくは…
「そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…」

今更ながらPIW2018滋賀大津雑感

2018-07-04 16:21:04 | ハコの覚書
プリンスアイスワールド2018 滋賀大津公演 5月19日昼の部 雑感

本田望結…演技構成的には出演者の中で最も低い、無理をしないで演技を魅せるプログラムで完全にショースケーターの演技。でもとにかく押しが強く物怖じしない堂々とした演技、Show must go on 幕を下ろすなの具現のような役者魂の塊。この年齢でこの風格はちょっと見たことない、これで難易度が格段に上がったなら…

本田太一…望結ちゃんのお兄さん、プロは昨シーズンのFSのラマンチャの男、こちらは完全に競技者の滑り。ジャンプ不調のなかで一生懸命跳びに行く姿は生真面目な若きカラスコ博士のよう…残念ながらドン・キ・ホーテ・デ・ラ・マンチャなアロンソ・キハーナの片鱗がないのが残念、もう少しはったりがきくようになれば…

本田真凜…太一君の妹で望結ちゃんのお姉さん、演技の傾向はお兄さん寄り。とにかく可憐で美しい所作に目が行くが…線が細すぎる。ジュニアなら飛び抜けた美的感覚が武器になるだろうけどシニアだと美しさへの過度のこだわりが欠点になる。望結ちゃんの線の太い良い意味でのふてぶてしさがあればなぁ。

安藤美姫…プリンスチームとのコラボプロ、まるで群舞を従えた宝塚スタアのような風格。元々この手の圧力の持ち主ではあったけど、こういう使われ方をすると一層映える。まさに水を得た魚で自前スポットライト自然と衆目を集める、こういう資質がないと世界のタイトルは取れないわな。

小塚崇彦…こちらもプリンスチームとのコラボ、ポジションとしては家臣団ダンサーズを従えたマツケンなんだろうけれど、若干家臣団ダンサーズに溶け込むきらいありw 卓越した足捌きで否応なく浮かび上がるからいいけど。長所と短所が同時に判るプロではあるかw

田中刑事…まさかのジョジョプロw四部の主人公の魔改造学ランをそのまま再現する力の入ったナンバー。とにかく楽しい!ダンサブル!突き抜けてる!元ネタ判らなくても乗れるショープロw
彼にこんな要素が潜んでいたは以外ちゃあ以外だけどフィギュアやるには大きな武器。んで、あの力作魔改造学ランはトンボか富士ヨットかカンコーか、学生服製造の本場倉敷にはいくらでもいるプロの学ラン縫製人が本気で魔改造したものであろう、実写版映画の衣装より出来がよさそうに見えた。

村上佳菜子…マイナーコードのラテンナンバーで緩急のついたダンサブルなプロ。佳菜子は陽気なプロが似合うし陽気なナンバーも多いけど、こういた影のあるナンバーが似合ってきた。

本田武史…いつものウォーミースローナンバー、ではあるがゲストにティーンの本田兄妹が居る分、存在感の大きさが際立つ。相変わらず掌の使い方が印象的で綺麗。難易度は低めなのはいがめないががっつりと作品として仕上げてくるのはさすが。

織田信成…こちらもダディスローナンバーだが、本田武史氏と傾向が同じな上、本田氏の方が格段に役者が上なので小粒に感じる。カウンター3Aやタノ3Loを入れて特にジャンプの難易度はダントツだけどプログラムからは浮いていて唐突感がある。もっとプログラムを作る努力が欲しい。

宇野昌磨…なんだか不思議なシェイ=リーン作の北米と中米ミックスなネイティブアメリカンなプロ、見る方も演じる方も「考えるな感じろ!」を要求されている感覚が満載。昌磨くんは結構知的に演技を組み立てる傾向で、こういう感覚で突っ走ることには苦手かなと思っていたけど、見事に場をかき乱してナンジャコリャだけを残していった。しかし、シェイちゃん鬼や。

高橋大輔…昨年秋に発表したダーティなスローナンバーのKrone、PIWキャストもゲストもダンサブルかバラードでもウォーミーかなので、彼だけトーンが全く違って浮いたプロ。それでも一蹴りで場を支配して持っていく存在感はさすが、動きも隙が無く流麗で重い寂寥感に満たしていくのはさすが。ただ半年ぶりの演技ということもあるのか緊張感も半端なく、演技そのものはXOI2017の時の方が良かった。

最後にプリンスキャストメンバー、とにかく出番が多くてダンサブル!よくこれだけの出番をこなせるなと感心するほど出ずっぱり、フォーメーション変化も多彩で無条件に燃える楽しい!今期のアイスショーのハードルを一気に上げたなと思ったチームナンバー目白押し。小林宏一氏、一体一公演で何回バックフリップ飛んだんだ?毎年PIWがこんなんだったらSOIはもういいかなとか、FaOIも二の足踏むなとか…wただ伝統?の観客のソリ載せはもう辞めてもいいんじゃないかな、あれで一気に客席の熱が冷めてるもん。