伊織さんは日増しに膨らむ紀保チャンへの愛を、「時限付き」と割り切っていたと思うのです。
事件が解決するまでの間だけ。
乾龍一が出てくるまでの間だけ。
みのりのことが解決しさえすれば、その時点で全部リセットして人生やり直すよ。紀保のことも今だけだ。ごめんよ。母さん。
・・・てかんじ?
ある時期、
「もう終わったんだ。」
「俺たちの同志も解散だ。」
と連呼していたのは、とうとう自分で決めたタイムリミット(事件解決)がやって来て、無理やり自分に言い聞かせることで、本当に終わりにしようとしていたのですね。
いやー、素直に考えたらその通りだったんですけど、あんまりにもしんどそうな顔していたので、紀保につきまとわれるのが本当に嫌になっちゃったのかと本気で心配したよ・・・。
後に、みずえママが寝ている間に紀保を部屋から追い出して、
「もう大丈夫だからね、母さん。母さんを苦しめる女はもういないから・・・。」
と、遠い目をしたあたりも、紀保とのタイムリミット到来を意識しての発言に思えました。
だけど事実を知った最初の頃は、突然「自殺」なんておかしな片付けられ方して、どうにもこうにも納得はいかないわ、気づいたら紀保まで失うわ・・・で、酒に溺れてしまった伊織さん。
情緒不安定なヒーローをヒロインの愛で救おうとするシーンです。(いい加減な説明だ。)
夕顔荘1階
瀬田さんの部屋
いったいどれだけの期間、自堕落な生活を送っていたことになってるんでしょう・・・?
蔦子さんが「あれからそんなに日は経ってない」と言ってた気がするけど、
あんなにこざっぱりしていた伊織さんのお部屋が、縁側にまでゴミ袋山積み。
カップラーメンのゴミがゴロゴロ。
スタッフやりすぎ・・・否、伊織さん堕ちすぎ・・・。
「酒を飲んで死ねるならこんなに結構なことはないね。」
へべれけ~な状態で伊織さんが言う。
「そうやって自分を責めてるの?
みのりさんが死んだのは自分の責任だ。そう思ってるんでしょ?」
わかるわ、と紀保が伊織さんの胸の内を察して自分の身の上話を始めましたが・・・
私も幼い頃母が散歩中に高波にさらわれて、その時私のせいだって自分を責めたもの。
でも、母の残した針と糸を手にするうちに感じたの。
母はいつも私の近くにいる。
私のこと責めてなんかいない。
私が母を愛していたように、母も私を愛してくれている。
だからみのりさんもあなたを責めてなんかいない。きっと愛しているわ。
あなたが彼女を愛していたように・・・
思わずまんまセリフを引っ張ってきちゃいましたが、今から考えるとあまりの的外れっぷり。ナルホド伊織さん、あなたは正しかった。
紀保にとってこれは、この時点で彼女がかけられる精一杯の慰めの言葉だったんだろうけど、伊織さんにしてみれば聞くに堪えない「キレイゴト」以外のなにものでもない。
鬱陶しそうに聞く伊織さんの表情から、凝りもせずココロの内を読み取ってみました。
↓
高波にさらわれた?
羽村家ではそんな話になっていたのか。(失笑)
大事な一人娘、傷つけまいとそんな作り話を語るとは父親ってありがたいね。
そりゃあ、あんたを責めるわけがないさ。
あんたの母親はあんたより男を選び、そして道連れにして死んだんだ。
byデビル伊織。
言いたかっただろうなあー、これ。
でも最後の良心総動員してなんとか飲み込んだんだろうな。
で、次のセリフにつながる。
「あんたやっぱお嬢さんだ、なんにもわかっちゃいない。」
今聞くと非常に痛切なセリフです。
なんにもわかっちゃいない。
本当にその通り。
ただ「幸せを掴んだ紀保」と「不幸のどん底の自分」という境遇の差に八つ当たりしていたわけじゃなかったんですね。
そのくせ、
「じゃあ俺を愛してみろよ。あんたのいう愛とやらで俺を慰めてみろよ。」
というのも単なる挑発じゃなかったはずで。
もうぐっちゃぐちゃだー、瀬田伊織・・・。
ヒーローの情けない姿を直視できず、このシーンはあんまりちゃんと見直したことなかったんですが、けっこう意味深いことを言っていたのだな、と改めて開眼。
さて、事情がわかってから見直すと、ここまでの伊織さんの気持ちはよくわかるんですけど。
相変わらず紀保の気持ちの変化がわからない私。
七夕祭の時、2人きりの浮舟で、例のセリフ=「俺はあんたの婚約者と約束したからな。あんたのことは俺が守るって。」と言われて、思わず幸せをかみしめるように笑顔になってしまった紀保だけど、私の中ではあの時のあの笑顔は単に「同志の絆」を感じている笑顔だと思っているんです。
潜在意識では「好き」でも、紀保自身は、
「あんなにとっつきにくかった伊織さんとこんなに心通う仲になれて嬉しいわ」
って程度の自覚しかなさそうだなって。
そのあとみのりの遺書が見つかって。
龍一さんが釈放されて。
地裁の前で龍一さんと抱き合って喜んでいたのも、紀保の気持ち的にはまだ全然無理はなく、当然のこと。
だから、その後の同志のチュウがいったいどういうつもりだったんだろう、と。
OA時には?マークが飛び交い、首をひねりました。
で、見直してみて出た結論。
きっと紀保にもわかっていない。
「今はさぞ満足だろうなあ。」
と、アグレッシブバージョンの伊織さんが紀保を攻撃する。
傷つけられ涙を流しながらも、けなげに語りかける紀保。
「あなたの悲しみを怒りに変えて、私を憎めばいい。
憎んで憎んで、その怒りと憎しみがあなたを突き動かして
悲しみの底から立ち上がる力になるように。
そのためなら私、あなたの怒りも憎しみも受け止めて見せる。
私、あなたの同志だから。」
そして、チュウ。
もちろんこの時にはもう、紀保の中にも愛は芽生えていたとは思ってるんですけど、もし紀保が伊織さんのことを「愛してる」と自覚していたら、逆にここで彼にチュウすることはなかったと思うのです。
なんてったって約束第一・誓い第一の女ですから。
気づいた時点で自制しちゃうだろうな、と。
だから決して「好きよ!」っていう意味合いのチュウではなかった。・・・つもりじゃないかな、紀保的には。
愛じゃないならなんなんだ?っていうと、
ボロボロの伊織さんに母性本能くすぐられちゃったのかもしれないし、
潜在意識の「愛してる!」っていうのが自身の意思とは関係なく表面化しちゃったのかもしれないし。
そこはまあ、たぶん両方ってことで。
でもやっぱり、押し倒されてからの紀保→泣き崩れる伊織さんのこと「いい子いい子」って優しく受け止めてあげてた、そんなとこにはどうしても彼女の母性を感じてしまうんだよなあ。
なんにせよ、無意識でしてしまったこの行動がきっかけで、紀保も徐々に自分の気持ちに気づいていくことになったのは間違いないでしょう。(と、私は思ってます。)
さて、聖母のような紀保チャンの胸で嗚咽する伊織さんは、というと・・・
壁にかけた銀細工が落ちる音でハッと我に返る。
その後の挙動不審な伊織さんの動きからまたまた心の内を読み取ってみました。
↓
今、俺、何してた?
紀保にキスされた夢をみていたような・・・
で、そのあとそのまま押し倒したような・・・
あれ?夢か?
にしちゃあ妙にリアル、
てゆーか、えっ?今俺誰と抱き合ってんの?
で、自分の下にいる紀保を目視。
事態を悟る。
目が泳ぐ。
涙もいっきにひく。
慌てて立ち去ろうとする。
腰が抜ける。(第一回目)
つんのめりながらその場を去り、お洋服着たままシャワー。(第二回目)
ああああああああああっ!!!
俺はどうしたらいいんだあああああああっ!!!(絶望)
という伊織さんの声なき慟哭。
ご自慢の耐久力が崩壊した瞬間でした・・・。
その後、最近の伊織さんを心配し、たまには外に連れ出そうと夕顔荘にやってきた雄介。
そんな心優しくまだまだ真っ白だった雄介を突き飛ばして出て行った伊織さん。
雄介の声に気づいた紀保が急いで後を追ったものの、伊織さんの姿はない。
いつもの橋の上から叫ぶ紀保。
伊織さん!(×3)
ここもまた、最後の最後でみずえママの懺悔を聞いた後、伊織さんが紀保を探して崖っぷちで叫んだ
紀保!(×3)
と呼応しているように思えます。
すれ違う2人。
噛み合わない歯車。
まったく、じれったいったらありゃしない。by蔦子姐さん
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(毎日、毎日、長文コメントすみません)<m(__)m>
相変わらずの伊織の心の声、とてもよかった♪
そうなんだよなぁ、ホントのこと言いたかっただろうな…
妹の死が、単なるきほへの嫌がらせの顛末でないとわかったら
もしかしたら、みのりのことも
きほに話そうと思っていたのかもしれないのに
薬の横流しだの自殺だの
伊織にとってやりきれない事実ばかりが出てくるんだもの。
真犯人がわかるまでは、(そうそう期限つき)
龍一にかわって紀保を守るぞって思っていたんだろうに
犯人は出てこないは、龍一は出てくるはで
伊織さん、壊れちゃったね。
きほちゃん、的はずしてるけど
「そうやって、自分を責めないで」っていうきほの気持ちは
伝わっていたのでは?と思う。
なぜきほがここでキスをしたのかは
きほの性格分析じゃわからないかも。
だって、それは昼ドラだからかもしれないもん。(-_-;)(禁句?)
HPのあらすじによると
本当は伊織の方からキスしようとして
きほちゃん、いったんビンタすることになってるし
この直前に、フキさんから
七夕の夜の告白成功捏造話も聞いているから
このときの
きほちゃんの気持ちとしては
男女の愛を越えた
聖母のような、広く大きな愛で
伊織さんをどーんと包んであげたかったんだと思う。(思いたい)
龍一さんが釈放されたとき
マスコミの外にいた伊織さんに手を振ったのに
無視?だっけ
で、追いかけて行ったら、
「良かったな」って言ってくれたけど
全然、良かったな…の顔じゃなかったんだよね、確か。
その伊織の表情をみて
同情とかではなくて
単純に純粋に
私だけが幸せになんてなれない!
同じ痛みをもって同じ時間を過ごしてきた
同志なんだから、と思ったんじゃないかな。
そもそも、同じ痛みじゃなかったんだけどさ。
で、このときの自分の気持ちを考えると
コテージ愛のときの伊織さんが
必ずしも自分を女として愛してくれたわけじゃないと
感じてしまったかもなきほちゃんの気持ちも
わかる気がする。
きほの叫び×3、気づかなかった。(すごい発見!)
壊れてた伊織さんは
部屋のゴミをゴミ袋に入れる気もしなかったはずなのに
すごい袋の数だったよね(笑)
まあ、紀保ちゃんは、ラグビーボールみたいにどこに跳んでいくかわからない子なんでね。cottonサンの言うとおり、自分でもわからんとチューしちゃったんでしょう、なんとなく。私は、この場面の解説は無理なんで・・・。
でも、雄介のことを書いてくれて改めて気づかされたよ。雄介、ほんとにいいやつじゃないか! 何だかんだいって伊織のこと心配してたのにぶっ飛ばして行くとは・・・いくらヒーローでもいただけん。
こう考えると、やっぱ雄介のブラック化の根本的な原因は、フキさんより伊織にあったように思うわけなんです。(あ、ごめん。話それた)
いえいえ、こちらこそいつもコメントありがとうございます。
そうか、昼ドラだからっていう禁断の選択肢もありましたか(笑)女心は理解されないものなんですね。
そうそう、HPを読んだ印象だと、伊織さんがキスしようとしたから、その流れを受けて紀保が「それなら私が受け止めてあげるわ」って感じでチュウしたみたいに思えるんですけど、(それならなぜ紀保がキスしたのかも意味がわかるような気がするんですけど、)何度見返しても伊織さんのは、単に酔っ払いが絡んで顔を近づけてきてるだけにしか見えないんですよね~。
この時の自分の気持ちを考えたらコテージの時の伊織さんが必ずしも自分を愛してたわけじゃないかもっていうの、すごく納得してしまいました。なるほどね~!
でももしそうなら、コテージの時には指輪をもらった経緯もあるわけだし、紀保の愛の叫びも聞き入れたうえでのことなんだし、もう少し伊織さんのこと信じてやってほしかったですね。
そうそう!きちんと袋にゴミ入れることは忘れなかったようで(笑)
あの時既に柏木さんはいなかったし、夕顔荘には伊織さんだけだったのに、台所とか共有スペースはキレイでした。
>のりきとさん
まあなんだかんだ言いましたがやっぱり同志チューには「?」が残るわけで。最終的には「理屈じゃないわ」ってことで片付けようかと思います。私もお手上げです。
伊織さんは雄介に甘えすぎていたのかもしれないですね。
慕ってきていた雄介がニコリともせずに「夕顔荘退去勧告」してきたあたりでやっと「アレおかしいな。」と気づいたのかも。
その時にはもう時既に遅し。残念な限りです。