高校を卒業してからずっと同じ美容院に行っていた。
注文はいつも『お任せ』。
最初に私の担当になった人は、かなりキバツな髪色にしてくれた。
金髪のショートボブ。
当時ホームセンターで働いていたので、上から怒られる。
金髪は一瞬にして終わった。
3回目、そのスタイリストさんは、違う店舗に移動になっていた。
2人目のスタイリストさん。
この人はお姉さんにしてくれた。
栗色のユルフワパーマ。
自分のお店を持ちたいと、またいなくなった。
3人目のスタイリストさん。
めっちゃ男前。
緊張してしゃべれなくなった。
男前は私の頭をグリグリにした。
私1人、「パフィーみたい♪」と喜んでいた。
が。
今年9月。
私は浮気をした。
ほんの軽い気持ちだった。
ちょっとしたきっかけで、違う美容院に行ったのだ。
初めてショートカットにした。
ショートカットはかなり好評。
これからもその美容院に行くことになるだろう。
そう思った。
ある日、私はバイト先の会社のパーティーに参加。
すると思いがけない人に遭遇した。
1人目の金髪さんだ。
「ひさしぶり!まだ美容院あそこ行ってんの?」
すごく複雑な気持ちになった。
どう言えばいいんだろう。
「あの…行ってたんやけど…
ちょっと理由あって…
…こないだは違うとこで切ってもらったんやけど…
でも…たぶん…次はまた前の店に行く…
…と…思う…」
逃げるようにその場を離れた。
いや、逃げた。
それから数ヶ月後。
私は名前も知らない、ある女性と仲良くなった。
女性とお話をしているとき、写真を見せてもらうことがあった。
その写真の1枚目に見たことのある顔…。
3人目のスタイリスト、男前だ…。
びっくりしてスタイリストさんの名前を言ってしまった。
女性はこう言った。
「なんで私の名前を知ってるの?」
この女性の名前と、男前の名前が同じ?
「うちの息子を知ってるの?」
息子?
息子かぁ。
この人、あの男前のオカンかぁ。
諸事情を説明し、世間は狭いねと話はまとまった。
と同時に、浮気は終わり。
次行く美容院は決まった。
私は、男前のところに戻る。
だけど、飛魚のアーチをくぐって
宝島についたころ
何も失わずに
同じでいられると思う?
人は強いものよ、そして儚いもの。
次の水曜髪切りにいってきまーす。
注文はいつも『お任せ』。
最初に私の担当になった人は、かなりキバツな髪色にしてくれた。
金髪のショートボブ。
当時ホームセンターで働いていたので、上から怒られる。
金髪は一瞬にして終わった。
3回目、そのスタイリストさんは、違う店舗に移動になっていた。
2人目のスタイリストさん。
この人はお姉さんにしてくれた。
栗色のユルフワパーマ。
自分のお店を持ちたいと、またいなくなった。
3人目のスタイリストさん。
めっちゃ男前。
緊張してしゃべれなくなった。
男前は私の頭をグリグリにした。
私1人、「パフィーみたい♪」と喜んでいた。
が。
今年9月。
私は浮気をした。
ほんの軽い気持ちだった。
ちょっとしたきっかけで、違う美容院に行ったのだ。
初めてショートカットにした。
ショートカットはかなり好評。
これからもその美容院に行くことになるだろう。
そう思った。
ある日、私はバイト先の会社のパーティーに参加。
すると思いがけない人に遭遇した。
1人目の金髪さんだ。
「ひさしぶり!まだ美容院あそこ行ってんの?」
すごく複雑な気持ちになった。
どう言えばいいんだろう。
「あの…行ってたんやけど…
ちょっと理由あって…
…こないだは違うとこで切ってもらったんやけど…
でも…たぶん…次はまた前の店に行く…
…と…思う…」
逃げるようにその場を離れた。
いや、逃げた。
それから数ヶ月後。
私は名前も知らない、ある女性と仲良くなった。
女性とお話をしているとき、写真を見せてもらうことがあった。
その写真の1枚目に見たことのある顔…。
3人目のスタイリスト、男前だ…。
びっくりしてスタイリストさんの名前を言ってしまった。
女性はこう言った。
「なんで私の名前を知ってるの?」
この女性の名前と、男前の名前が同じ?
「うちの息子を知ってるの?」
息子?
息子かぁ。
この人、あの男前のオカンかぁ。
諸事情を説明し、世間は狭いねと話はまとまった。
と同時に、浮気は終わり。
次行く美容院は決まった。
私は、男前のところに戻る。
だけど、飛魚のアーチをくぐって
宝島についたころ
何も失わずに
同じでいられると思う?
人は強いものよ、そして儚いもの。
次の水曜髪切りにいってきまーす。