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すっかり育児ブログ
猫と犬もおるよ

強く儚いもの

2007-12-21 17:43:38 | 昔話
高校を卒業してからずっと同じ美容院に行っていた。

注文はいつも『お任せ』。


最初に私の担当になった人は、かなりキバツな髪色にしてくれた。

金髪のショートボブ。

当時ホームセンターで働いていたので、上から怒られる。

金髪は一瞬にして終わった。


3回目、そのスタイリストさんは、違う店舗に移動になっていた。


2人目のスタイリストさん。

この人はお姉さんにしてくれた。

栗色のユルフワパーマ。


自分のお店を持ちたいと、またいなくなった。


3人目のスタイリストさん。

めっちゃ男前。

緊張してしゃべれなくなった。

男前は私の頭をグリグリにした。

私1人、「パフィーみたい♪」と喜んでいた。



が。



今年9月。

私は浮気をした。

ほんの軽い気持ちだった。

ちょっとしたきっかけで、違う美容院に行ったのだ。


初めてショートカットにした。


ショートカットはかなり好評。

これからもその美容院に行くことになるだろう。


そう思った。


ある日、私はバイト先の会社のパーティーに参加。

すると思いがけない人に遭遇した。


1人目の金髪さんだ。

「ひさしぶり!まだ美容院あそこ行ってんの?」

すごく複雑な気持ちになった。

どう言えばいいんだろう。

「あの…行ってたんやけど…
ちょっと理由あって…
…こないだは違うとこで切ってもらったんやけど…
でも…たぶん…次はまた前の店に行く…
…と…思う…」


逃げるようにその場を離れた。

いや、逃げた。


それから数ヶ月後。

私は名前も知らない、ある女性と仲良くなった。

女性とお話をしているとき、写真を見せてもらうことがあった。


その写真の1枚目に見たことのある顔…。


3人目のスタイリスト、男前だ…。

びっくりしてスタイリストさんの名前を言ってしまった。


女性はこう言った。

「なんで私の名前を知ってるの?」


この女性の名前と、男前の名前が同じ?


「うちの息子を知ってるの?」

息子?

息子かぁ。

この人、あの男前のオカンかぁ。


諸事情を説明し、世間は狭いねと話はまとまった。


と同時に、浮気は終わり。

次行く美容院は決まった。

私は、男前のところに戻る。


だけど、飛魚のアーチをくぐって

宝島についたころ

何も失わずに

同じでいられると思う?

人は強いものよ、そして儚いもの。


次の水曜髪切りにいってきまーす。