史郎っちゅう男はほんまカワイイ男でな。
私が史郎んちに遊びに行ったらさ、
「よぉ!何して遊ぶ?」
って近寄ってきて、
「いやな、今、家の人、仕事に行ってさぁ、ヒマやなぁ思とったとこやねん」
とかなんとか言いながらリビングに案内してくれんの。
フワフワしたオモチャやら、
遊びすぎて壊れたオモチャやらいろいろコレクションしてて、
その中のお気に入りを持ってきて、
「今日はコレにしよか」
ゆうて遊びだすねん。
伊川谷一、優雅なニートやわ。
適当に遊んだら満足して目の前でデデンと寝てやがんのよ。
目の前で。
パソコン触りたいのに、
パソコンの上で。

デデンと。
気が向いたら私を噛んだり、
飛び掛ってきたり、
威嚇してみたりして、
私は流血することになるんよ。
ドMな私はその血を見て、
「血....血っ...」
と興奮し、満足して帰るねん。
んでや、
その帰るときよ...
史郎ったらめちゃ寂しそうな顔すんねん。
「えー今来たことやーん」
「もうちょっとゆっくりしてったらー?」
「ホラ、お腹出したるわ、猫キックしたるわ」
「なー遊ぼうよー」
って...
いやぁ、ツライね。
ツライよ。
ごめんね、史郎。
また遊びに来るわ。
バイバイ

「バイバイ...」
くそぅ!
カワイイわ、チキショー!!
連れて帰ったろかな。