クレモナ カルテット

楽器の製作と音の関係(ヴァイオリンとヴィオラの場合)

 楽器を作ることは、プロジェクトに始まり(「モデル」を選ぶこと)、材料を選び、創意工夫を凝らしながら製作し、最後に試奏をして音を聞くことができるのですが、
今回はそれぞれの作業が与える影響について書いてみたいと思います。
あくまで私個人の意見なので他の製作者の方はまた違った意見があると思います。
「製作における音への影響~ヴァイオリンとヴィオラの場合~」



まず材料の選定が25%ということですが、これは楽器の厚みやアーチングに非常に密接に関わっています。
それぞれの材料に適した厚み出しやアーチングをするので二つ合わせて50%と補足します。

次に「駒や魂柱などのフィッティング」ですが、上駒の溝、駒の選定や形成、魂柱の位置や太さ、テールガットの種類と長さなどのことです。
それぞれに小分けすることは難しい互いに呼応するものなのでトータルで20%としました。
 
次は「バスバー」ですが、これも音に関してとても重要なパーツだと考えるので15%としました。

弦は一番換えやすい物のひとつです。新しい弦を張るだけでものすごく音が変った印象を受けますが楽器全体という大きな視点で見るとその変化は5%くらいかな。

ニスの影響も5%ぐらいです。

付属品の種類は4%ですが、テルピースやペグなどの種類を変えると音が変ります。黒檀やツゲ、ローズウッドetc。これも簡単に出来る音を変える方法の一つです。

楽器を製作した時点で既に全体の70%の音が決まっています。【材料+厚みとアーチング+バスバー+ニス】
後から試奏などを経てどうにか出来るのは29%。【駒・魂柱などのフィッテング+弦+付属品の種類】

プロジェクトを立て「こうすればこうなるハズ」だと思って奮闘努力していくのですが、人知の及ばない1%~2%の幸運が存在するということも確かです。

コメント一覧

yoko
kenさま
バスバーは「力木」と呼ばれるだけあって、楽器のエネルギーを司る部分です。色々試してみるとその重要性を強く感じます。
ken
バスバー
初心者ですが大変参考になります。
バスバー15%にはびっくり。これは何でしょうか?
形状かな?材質、取付け位置、も関係ありますね。
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