チェルノブイリの事故後、国民投票によりイタリア全土の原発は停止されました。
そして自国ではまかないえない電力をスイス・フランスの原発(いずれもイタリア国境近くに作られた原発です、なのでイタリア領内に原発がないといっても安心はできないのが現状です)から輸入していましたが、供給の不安定さや経済界からの後押しで3年前にベルルスコーニが再び政権を握った時に、原発の再開を求める政策を打ち出していました。
当初世論は原発再開もやむを得ないという風潮でした、私個人的には一度決めたらそれを貫いてほしい!!とイタリアに望んでいたのですが、このまま行くと再開するだろうなぁ。と思っていました。
そして日本で起きた原発事故「フクシマ」を境に世論は一気に「原発反対」になりました。そして日本でも注目度が高くほぼトップニュースで扱われるほどでしたね。
原発反対に投票した友達になぜそうしたかを聞いてみました。
「あんなに正確で勤勉な日本においてこんな事故が起きたのだから、イタリアでも事故は大いに起こるかもしれない。おそらく自然災害でなく人的ミスによって起こりうるだろう、なぜなら勤務中に恋人にメール打ってたりFACEBOOK見たりしてる作業員だらけだろうしね。もしイタリアでこのような事故が起きた場合、一体だれが終息作業に行くであろうか。絶対に誰も行きたがらないし、行かないだろう。今後どうして電力を確保していくかは大きな問題になるけど、やるしかないさ。」とのこと。
基本、怖がり屋さんで他人は信じない方が賢いという国民性の現れなのでしょうか。
今イタリア政府が推進していることに「太陽光発電」があります。去年まで太陽光発電のパネル設置を促すために減税措置が取られました。(今年も減額になりましたが継続されることが決定)発電した量から自宅で使った量を差し引いて余った分を電力会社が買い取る。という従来のものに対し、さらに総発電量にお金を払うということらしいです。なのでパネルを設置すると初期費用はかかりますが、発電量に対し2倍のインカムが発生します。そしてそれを支払うのは結局、パネル設置をしていない人々ということになるのです。 今後、パネルを設置する家は増えていくことと思われます。でもまだまだ国全体のエネルギー確保にはほど遠いのが現実です。
さて今後この国はどう動いていくのか、地震が起こったあとすぐにフランス・ドイツのヨーロッパ大国が自国民に対し日本からの国外退避を促したのですが、イタリア大使館は違いました。
東京に居残った数少ない国の一つだったのです、なぜかというと日本の地震・福島原発に対する動向を「日本国から学ぶことが多くある」という視点から東京に残って逐一、冷静にそして感嘆と共に日本の動向を見守っていたそうです。私の勝手なイタリア人のイメージから怖がり屋でパニックを起こしすく、一番に逃げるかと思いきや(失礼!)以外でした。まだまだ計りしれないイタリアです。
この国の出した「原発反対」からの再出発を期待と共に見守っていきたいです。
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