サロと聞いて弦楽器に詳しい方は、ここはブレーシャ派の職人ガスパロ・ダ・サロの生まれ故郷であることを、世界史に詳しい方は、ムッソリーニの独裁国家イタリア社会共和国の首都であったことを思い浮かべることでしょう。
イタリアの耽美派詩人・作家のガブリエーレ・ダヌンツィオはここから程近い高台にあるバロック風の邸宅に住んでいました。洗練された美意識、女性達との恋愛や祖国愛に目覚めた行動で知られています。ムッソリーニは彼から多大なる影響を受け、後のファシズムへと転化させていきます。(日本人では、三島由紀夫も影響を受けた一人です。)
そしてこの地を実際に訪れると、その融合を見ることが出来ます。
湖の遊歩道の脇にひっそりとガスパロ・ダ・サロの胸像を見つけました。そこにはダヌンツィオの詩が添えられています。
『誰が知るだろうか。彼が、心の中からヴァイオリンを取り出しているのか、またはヴァイオリンの中に彼の魂を入れようとしているのか。(...non si sa se stia aprendo il petto per trarne il violino o se stia aprendo il violino per mettervi il cuore)Gabriele D'Annunzio』
ヨーロッパはその国、街の歴史を学ぶともっと奥深くまで知ることが出来て訪問が何倍も楽しいものになります。
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