櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

断想11/12

2022-11-12 | ダンスノート(からだ、くらし)

 

肉体とともに、刻一刻と何かが盛衰しているのだろう。

形の無い生命かもしれない。

(櫻井郁也ダンスソロ『やがて、、、(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)』創作ノートより)

 

前作反芻を進めつつ次への身体を探っていて、時折思い直すひとつがこれ。漠然とした言葉だが、これをメモしたときの感覚は比較的いまも新鮮だから次作にもどこかで繋がってゆくかもしれない。

似ているものの一つには、肉体の場所や時間に関わる認識があると思うが、これは観賞する場合にもたびたびあって共有しやすいかもしれない。

踊っているときでなくとも、別の肉体が踊っているのを眺めているときでも、ごくまれに、場所の認識や時間の感覚が変化することがあって、これはやはり印象に残る。

場面が見えてくるのは当たり前だが、それとは別に、何と言えばいいのか、代わりが無い場所、代わりが無い時間、とでも言うようなものが出現して、さまざまな物事に無常さとか名残惜しさを感じることがあるのだ。

視覚が捉えている物理は同じでも、その大事さが急速に変化するというのかしら。肉体がしっかり生かされていると、場所や時間も生きていることが、分かってくるのかもしれないし、それと共に、刻一刻の儚さが際立って体感されてくるのかもしれない。

かと思えば、ふと場所が消えたり、時間が停止したまま動かなくなってしまったように、感じることもある。特別な集中力が出た時に限ってだが、これは、深く真っ暗な所のような、少し怖しいような感覚でもある。

肉体が纏っている場所や時間が移ろいゆくような働きが、もしかすると、踊りにはあるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

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