6年前 トウルーズ郊外 、スズキの販売店でスイフトを購入した。
販売担当者は、私の拙いフランス語を努めて理解し、
適切にアドバイスをしてくれた。
その年の瀬、お礼を込め彼にSMSで年賀状を送付したところ、
返信には
「賀状頂戴しました。とても残念なお知らせですが、訳あって
スズキを退社しました。しかし困ったことがあれば気軽に
どうぞご連絡ください。」とメッセ-ジを残し、
彼は姿を消してしまった。
購入後4年以上の時は流れ、今日は2度目の車検のため、
スズキに車をもちこんだ。
受付係との手続中、別の従業員らしき人が、
割り込んで受付係と朝の挨拶を短く交わした後、
こちらを振り返り、
「スイフト、調子いいですか?」と思いがけない言葉。
驚きながらも「エエ、いいですよ!」と答えると
ハイタッチで彼は私に「ボンジュ-ル!」。
私もそれに応えながら、見覚えのない従業員らしきその人に生返事する。
マスクを外して脱いだ帽子の下から、笑顔がのぞき、
「あなたにスイフトを販売したフランクです、、、。」と目で語っている。
そして奥のアトリエ(工場)へと姿を消していった。
係の人に「彼はスズキを退社したのでは?」と尋ねると
「エエ、そうですが彼はこうして毎日この販売店に顔を出すんですヨ。」
不思議だな~。
しかし、なぜか分からないが、すがすがしい気持ちになった。
退社した人が、こうして気安く毎日訪れる販売代理店。
この現場には人の心を和ませる社風が根付いていると感じた。
スイフトは日本語に訳すと、「迅速」。
でも彼との再会は6年もかかってしまった。
兎にも角にもスイフトのお陰で
予期せず、お世話になった人と巡り会うことができた。
おお マイ スイフト!!
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