「歯車」を取りだし、この面は表か裏どっち?
「こっち」
「こっち?」
「そう言えば、これは面白い形である」

歯車は1歯欠けただけでも全部に影響する。ちなみに欠けたときは「入れ歯」をして組み木のように嵌め込む。
時計はガラス面が裏輪列、蓋のされた方が表輪列と捉える。大事な表をうで側で守っているのである。
サイコロのような多面体とは異なり時計に関しては、裏側が表側に対して一つしかない。

時計の場合の用語は「表輪列」「裏輪列」と捉えた見方になる。
裏輪列である。

ひっくり返すと、表面の歯車と裏面の歯車の微妙な段差を垂直の歯車が食い違うことなく計算された歯数が噛み合う。
ランダムに歯車が分布しているというわけではなくて、表と裏で50個以上の部品が各々確固たるアイデンティティを維持しながら相互に働く配列で、最大の変化を促すように詰めこまれているので、戻し間違えると当然びくとも動かないか歯車を破壊してしまう。
オーバーホールするときは、違いを明確にしている事が前提である。
同じ回転機構を共有する事によって1繋がりの共同体が形成されて修理をして動いたときは毎回感動である。

今はAランク研磨をひたすらしているが、実は古びたアンティーク時計や柱時計の歯車を制作しながら手巻き時計を作りあげたいのである。
知り得ない「裏も表である」世界を以前より意識するようになっていた。僕らの羽は前肢である。羽になったからこそ細い脚でも立てる確固たる体型バランスを築いたのである。
時計をアクセントに風景を描けただろうか?
あなたも“歴史を調べる“を習慣にしてみてはいかかでしょうか?
最後まで見ていただき、ありがとうございました!
次回演目『あ行 ウォータープルーフ 』
登場語録…時計