実際に起きた事件を取材した記者によるノンフィクション
滋賀県で医学部を目指して9浪した女性が
自分を支配し続けた母親を殺害し
バラバラにして遺棄した事件
母親のあまりに惨い教育虐待
本人は理系が苦手で文系に進みたいのに
親の見栄のために医学部をひたすら受験させられる
日々勉強を強制され監視され
テレビさえ自由に見られない
模擬テストの成績が振るわず
希望(させられている)の医学部の偏差値に届かないと
その偏差値との差の数だけ鉄パイプで殴られる
正座させられその太腿に熱湯をかけられた事もある
子どもに庭で土下座させてそれを写メするとか
この母親は何らかの人格障害じゃなかったのか
あまりに辛く
彼女は自立しようと何度も家出をするが
その都度連れ戻される
母親は探偵を使ってまで探し出す
これでは絶望するしかない
実際彼女は「どちらかが死ななければ終わらなかった」と言っている
逮捕後に父親は献身的に娘を支えているが
妻とは20年以上別居して
娘が一番苦しんでいる時に
なんとも影が薄い存在だった
それでも出所後に待っている家族がいるのは
励みになるだろう
彼女が書いた手記か手紙の写真を見たが
字が綺麗で文章のまとめ方が上手で読みやすい
本人の希望どおりに文系に進んでいたら
今頃得意分野で活躍していたかも知れない
出所したら今度こそ好きな道で幸せに生きて欲しいと思う
彼女には深く同情するけど
殺人はやっぱりダメ
倫理的な事だけでなく
罪悪感で結局いつまでも母親にコントロールされている事になるから