砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

鷲の扉

2004年07月03日 | ログ
今日は旅の御方。長い旅の途中の御方。
貴方が開いた扉は「鷲の扉」
故にここは「鷲の世界」となりませう。
この世界の住人は二人。
鷲と兎で御座います。
正確に申し上げますれば『頭を無くした鷲と羽を無くした兎』で御座います。
彼らが何をしているか気になりますか旅の御方?
あれは欠けたるモノを探しているので御座います。
鷹は自らの首より上を一日中探し回り、兎は無くした筈の羽を捜しておるので御座います。
兎に羽はあるのか、とおっしゃいますか?
もちろん羽などありません。
兎は羽を持たぬさだめ。
されど彼の兎は自分の羽を捜します。自分の頭を捜すあの猛禽のように。
あの鷹は最初から頭部を持たず生まれました。
しかし彼は捜すでしょう。鷹に頭はあるはずなのだから。