砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

男は・・・

2004年11月02日 | ログ
男がまだ幼かった頃
男は考古学者になりたかった

親は優しく言葉を吐いて
事実と論理で夢を砕いた

男が本を愛した頃
男は小説家を志した

男のノートは静かに笑い
男の言葉で夢を砕いた

男が恋を知った頃
男は唯一の恋を願った

世の女性は不敵に笑い
何も奪わず夢を砕いた

男が大人となる頃に
男は何も持たなかった

世界は彼に何も与えず
けれど奪わず夢を砕いた

男は今日が終わる頃
明日を希望し眠りにつく

女神は静かに胎動し
夢を叶えず砕くだろう

『猫の一日 / 殺人観察』

2004年11月02日 | ログ


我輩は猫である。名はサツジンキ。
人に付けられた名ではない。否、名ですら有り得ない。
それは我輩の性質を示す記号であり、我輩だけが知る誰も呼ばない記号である。