砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

日常殺人事件

2004年11月23日 | ログ
君の言葉が意味を殺す。

『退屈』『無意味』『どうにかなる』『ずっとこのまま』

それらの言葉が意味を殺す。
日常の、意味を。

日常は堆積する。
それが歴史を作り出す。

だけど言葉は日々を否定し、歴史を否定し、
そうして世界を塗りつぶす。

幸せな言葉の四倍速で悲しい言葉は伝播する。
僕らの関心は常に終わりに在って、ニーズに応えてメディアは死を報道する。

平和な日々より壊れた日々を。
正しい生き方より殺人者の考察を。

あぁ、毎日が殺される。
忘却剤と興奮剤しか正気を保つ方法は存在せず

愚かな先駆者達は未来を探して電車のホームより埋葬される。
何て無様。けれど少しばかり羨ましい。

死人に口なし、価値は底なし、下落は株価の比ではなく。
拡散する。霧散する。ヒューヒューと。始めからなかった意味が希薄になる。

何故生きるか。
模範解答はなく、自分の答えは採点不能。
仕方ないから、みんな白紙で提出だ。

賢人と暇人だけが知らない答えを書き込んでいく。
日常を生かす為に。自分を肯定するために。

結果はいつも同じ。七行書いては破り捨てる。

そうして毎晩後悔する。
ああ、自分がもう少しばかり馬鹿で世界に鈍感ならば。

幸せに、ただ生まれて死ねただろうと。