砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

♯46 職業病

2006年02月15日 | ログ

ある晴れた日の午後。

散歩していた老人が倒れている男を見つけた。

「おやまぁ。大丈夫かねお前さん」

「あぁご親切にどうも」

聞けばもう3日も食事を食べていないという。

「お金がないなら私の家へおいで。暖かいスープをご馳走しよう」

「いえ、そういう訳ではないのです。職業柄つねに腹を空かせていないといけない商売でして」

「失礼ですがお仕事は何を?」

ふらふらと立ち上がりながら男は言った。

「はい。東の国で共産主義者をしております」