ひな菊の丘から

Crying Uncle、おったまげた!という意味らしい。

ずいぶん前に、相方が「こんな子どもがすごいこと弾いてるで」と見せてくれた動画が、今回見に行ったバンドのフィドルとマンドリン。ちょっとエキゾチックな、と言うか身近な感じの見た目の男の子ふたり。マンドリンの男の子はスポーツ刈りだった。それもそう遠くない過去のことだと思う。何故って、マンドリンのテオは今16才だから。

来日の知らせは早くに聞いていたのに、あまり興味がなかったのか(その割には彼らの動画、よう見てはったけど)ライブの予約を入れていなかったので、ちょっと突っついた。そしたら行く気だったらしい。聞くところによると、直前まで予約状況は今一つだったそうだ。

会場に着くと、もうかなり席が埋まっている。結果的に満席で、やはりブルーグラスの人は予約しないのかなあ、とか思ったり。でも会場内外国人率がめちゃ高かったのは、もしかして親類縁者だったかもしれないな。

ライブが始まった。

前日の、フォートワースのライブでも聴いてきた、こでりんが、「ギターのジョンはトニーライスみたいやし、ベースのアンドリューは竹野内豊を外人にしたみたい、でもフィドルのマイルズは顔見えへんしなんか汚い」と言ってたけど、ほんまや。

ずっとこんなんで、顔は見えない。そういえば以前の動画でも前髪がずっと長い。(因みに翌日、京都ホンキートンクでのマイルズはバンダナを頭に巻いて、顔は見えたようだ。聞こえたんかな。)

マイルズとテオの兄弟は、お父さんが日系ハーフなので、何となく馴染み深い顔つき。ギターのジョンも日系クオーターらしいけど、あまりそうは見えない。ただ全員完璧アメリカ人、って感じではある。Anyaみたいに日本語覚えよう、とかは思わないのかな。

休憩時間に、早速あちこちで「一緒に写真撮って」攻撃にあってる。見えてないけど、真ん中にいるのは、前日のfbでの感想を見て急遽来る気になった、というK子Aきちゃん。

ジョンの隣は久々のみゆっき、その隣Tきちゃんは、ぐいぐい行ってたな。ジョンのメイン楽器はみゆっきのダーリン、須田くんのSUDA Guitarらしいのだが、現在修理中で、この日はマーチンだった。テオのマンドリンは、なんと!グリスマンから譲ってもらったらしい。

セカンドセット、録音はしたけど、知らない曲(多分オリジナル)も多くて、全部は書けない。ただ、案外トラディショナルなブルーグラスの曲を多く演奏していたのでそれは嬉しかった。ちゃんとルーツを踏襲して、その上を行ってる若者、と言う感じだった。

ジョンもちょっと前髪じゃまかも。

たぶん、4人全員歌えるのだが、バランスよくヴォーカルを取っていたのはマイルズを除く3人。私はテオの歌にとても惹かれた。

トニーライスっぽい風貌どおり、リードギターもバリバリ弾く。

Walls of Time,Who's That Knocking at My Door,Molly & Tenbrooks,I've Endured,Moonlight Midnightなどの選曲は、ワォ!と喜んだけど、

一番感動したのは、HazelのA Few Old Memoriesをテオが歌ったことで、ライブ後司会をしていた稲葉和裕さんが降りてきて、「あれ良かったでしょ?」と私に向かって言い、後ろにいたテオに「彼女はHazelが大好きなんだ。僕もあの曲は好き」と話してくれたのも嬉しかった。

アンコールではその稲葉さんをステージに呼んで演奏。

なんでも、前回?の渡米の時、彼らと共演して以来のご縁らしく、最初は「え?子どものバンド?」と思ったが、それは大きな間違いであったとすぐ悟ったらしい。

大学生の頃(ってン十年以上前)は、お金もなかったけど、頻繁にアメリカからブルーグラスバンドがやってきて、その都度がんばってバイト代貯めて、毎日ホールとかサンケイホール(フェスティバルホールでやった人はいたかなあ?)へ行ったことを思い出す。当時のお金で5000円だった、という’73年のビル・モンローは、大枚はたいても直接この目で見たかったコンサートだった、という夫(その頃私はブルーグラスを知らない高校生だった。)

今は、youtubeでいくらでも動画が見られるけど、リアルで、しかもライブハウスの距離で、生の音楽に触れられることとは雲泥の差があると思う。この日の会場に、若い人の姿が皆無に近かったことがあまりにも残念だった。いや、ほんまにすごかったのよ。すごかったのになあ。

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