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YouTubeの政経プラットホームから文字起こしした記事です。
深田萌絵氏と森山高至氏の対談
空前の人手不足!!派遣システムが破壊した建築業界。建築エコノミスト森山高至
F:派遣が自由化されてから色んなものが失われました
M:短期的に人件費が下がればいいということで、進めたから人材が育たなくなって
社会の持続性が失われてしまった。
F:日光東照宮が腐ってカビが生えている。
(修理に約12億円「国宝」日光東照宮・陽明門がボロボロ。
「平成の大修理」が3年前に終わったばかりなのに!)
M:社会の問題が建築だけだ無く、美術工芸に如実にあらわれいます・
例えば技術継承する人がいなくなっているんです。
あれでも(東照宮・陽明門」修理)本来なら漆を塗る職人などがふんだんにいて
材料もあればいいけど、昔のものが無くなったり、ここが出来る人がいないと
かがあって、あの東照宮のような工事ですら、復元が大変になってきていると
いうことです。
F:日本画家の人達は復興系の修復系の仕事についているんですけど、「賃金が
安すぎて生活が出来ないんです」)
M: すごく学んだ技術とかがある、誰かが受け継がなければならない技術がある
のに、それでは生活できないということが起こっている。
僕の知り合いで、法隆寺の銅の雨どいなどの銅細工を作る会社が奈良にあるんで
すよ。
その様な仕事は何十年に1回しか仕事がないんですよ。その仕事があるまでの間はどうしているのかっていうと、普通の家の雨どいをどうで作る仕事があった
から成りてっていた。「普通の家でお金をかけた銅の雨どいで、それに飾りを付けたりした。」今ではその仕事もほとんどないから、
「何十年に一回の法隆寺の仕事をやるために他の仕事をやらなくていけなく
なっている。」というように、本末転倒になっている。
銅職人の仕事では食えないから他の仕事をやって、何十年かに一回の仕事を受けるみたいになってい
る。
る。
これでは技術継承はされないですよ!
F:そういう技術継承が出来ないので、けっこう、そういう技術を中国の人が学
びに来ている」っていう話をよく聞きますよ)
M:それって本当の技術継承に繋がるの?それって技術の流出にもなるんじゃない
の。
F:そうです。その人たちは中国に帰って中国で似たようなお寺とかを作るん
です。)
M:鯖江とかの眼鏡の世界もそうでしょう。
眼鏡の作り方を教えたばっかりに、日本の眼鏡産業は壊滅しちゃった。という
話もあるじゃないですか。そういうことが起きます。!
F:そうですね、技術も持った人がいなくなって今後、建築業界はどうなっちゃ
うんでしょうか?)
M:今、建築業界は、それの真最中です。技術を持った人が引退して、跡継ぎが
いない。だから廃業する!廃業したら次の人はいない。
F:土建職の人が言っていたんですけど、「高卒でとび職になる人が激減して
いて、現場に人が足りない。きつい仕事というイメージが強いので人(日本人)
が来ないので、外国人ばっかりになってきている。)
M:それは大問題で、結局、若い人が来ないってことは、年配の人がやり続けなけ
ればいけないってことになる。そうすると体力勝負の仕事で失敗したり事故を
起こしたりする。
本当は技術があるのに「若い人と同じ動きをしなきゃいけないシーンがけっこ
うある(鳶の仕事では特に)ので・・・
F:そうやって現場の人達が減ってくると建築業界は回らなくなってくる。)
M:すでに回らなくなっているのでコスト高になっている。
職人さんの値段も上げなくてダメだって言っているのに、不思議なんだけど、
職人さんの手取りがあまり上がっていないんです。だから、あまり若い人が
来ないってなっている。
だけど、「危険な職場だけど儲かるよ」とか「習得に時間はかかるけれど一人前
になった時には安定しているよ」というものが、今、全然見えないから来ない。
お母さんが「やめろ!」みたいなこともある。男の子はお母さんの意見が通り
やすい。「もっと安全で儲かるところに行きなさい」って言う。
F:その中で、建築コストは上がっていますよね?)
M:そうです。1,5倍から2倍になりつつある。
F:コロナ前なら比べると、もう2倍ぐらいになっている。現場の人にお金が
回ってもいいんじゃないのって思うんです。)
M:現場にお金が回らないとダメなんです。今の手取りが倍にならないとやってら
れない!まだ、現場には来ていない。
F:買う側は倍になっている。資材も高くなっている。お金はどこにいっている
のでしょうね?)
M:アイダに入っている色んな手続きの人に吸われっちゃているんじゃないですか?
なぜかに人間だけが安いままなんです。
その原因が派遣業界ではないか?と言っているのです。
派遣業界というのは人を育てない。
お金を払う方は多く払っているのに、貰う側は、間(派遣業界など)で取られ
て少なくなっている。このギャップがすごい!
なぜそうなっているかっていうと、結局「クビにしやすい」ということだけ、
昔は「社員がずっといてください」の社会だったが、いまは「辞めてほしい時
に、辞めさせる為に派遣を採用し、人材を大切にしなくなってしまった。
建設現場を含めて色んな所にでています。
F:ホワイトカラーの一級建築士などだとそれなりに稼げるようになっているじゃ
ないですか?)
M:これもまた、不足し始めているのです。
建設業のホワイトカラーというのは管理職の人で一級建築士とか一級施工管理
技士の資格をもって計画を立てたり現場に支持をしたりする立場の人なんです。
この人たち一番層が厚いのが団塊の世代だったんです。この方たちが会社を引退
しているかと思いきや、実は彼らの色んな資格で会社が動いているケースが
多いんです。
建設の仕事をとる時には、「この規模の仕事には有資格者が何人必要」とかいう
条件があるんです。だから仕事を取った時にこの仕事に見合った有資格者の人数
がいなくてはいけない。だから、もう引退しているけれど、70歳過ぎた個人の
方に「一応、会社のメンバーになってくれ」と頼む。別に「ほとんど会社に来な
くてもいいよ」という待遇で在籍してもらっていた。そんな人も亡くなる人も
増えてきて仕事が取れたけどもダメになってしまう。(有資格者がいないため)
入札参加も出来なくなる。
M:「有資格者がそろっていないと仕事を受けることも出来ないのですね。
足りない部分は団塊の世代が埋めてきた」)
M:これまでは、80歳過ぎても、一応、会社に登録してくれていたが、その人
達が人生の本当の引退になってしまった。この人たちは昔の知恵もあるし、
人脈もあるし、資格もあるから仕事が出来る。
特に地方の土建屋さんの橋の工事、道路の工事をする時の施工管理技士や
一級建築士の人が必要で、勤続何十年の人がいたからできた。
その人が亡くなってしまうと代わりの人がいないってことが起きています。
中央官庁も建築家の一級建築士で上澄みにいる人には「そういうこと」が
全然見えていない。
その人たちは「自分が設計したやつを工事会社に頼んで工事会社がやるっていう
感覚だから、「工事会社が見つからない。見積もりが高い」と騒いでいるけど
工事会社がなぜ困っているかというところは見えていない。
それを見えるようにしてその人たち(上澄みの人)知らせていかなくてはいけな
いがそれが全然できていない。
F:色んな大学に建築学科ってあるんですけど、下の層はそれを取っていないんで
すか?)
M:「大卒で何年働く」とか「専門学校にいって何年働いて」とか受験の前提があ
る。それをクリアするのは結構大変でしんどいから取らない人もいる。
そもそも面倒だからやりたくないって人もいる。
それも不足の原因になっている。
「資格を頑張って取っても別に自分の給与に跳ね返らない」ってなっている。
人材の流動化を進めたのはいいんだけども、その一方で「ギルド」のようなもの
を作らなければいけなかった。
職種ごとに横に連携して最低賃金の交渉が出来るようにしておく必要があった。
ヨーロッパなどはそうなっている。
日本は人材の流動化だけをやった。「いつでもクビに出来るぞ」ってなったけど
人材は育たなくなった。
F:ヨーロッパでは産業全体で賃上げをする。)
M:日本ではその制度を作らせないようにした。日本では「組合は左翼だ」という
ような風潮にした。
そして、日本の世の中の人がみんな経営者気分なんです。
意見が経営者側になっている。
「お前は労働者だろ」っていうと「いやいや、気持ちは労働者じゃないんだ」
って言う人達ばっかりになっている。気分は勝ち組!で本人は大変なことにな
っているのに理解しない。それが根本原因になっている。
だから労働者側の意見とか、弱者側の意見が社会に浸透しない。
みんな弱者が嫌で、弱者って認めたくない「弱者じゃない」って一番弱い人が
言っている。ある程度の文化人とか有識者と言われる人達もそうなっていて意
見が上からばかりになっている。
経済学者と言われる人が「いやいや、社会を考えたらやむを得ないですよ」っ
ていうが、評論家でも経済学者でも「労働者だろ、ただの一労働者なんだよ」
これらがヨーロッパ型の「ギルド」を生まない原因になっている。