Miles DavisのBye Bye Blackbirdのアドリブの分析の第1回目です。
分析は旋律理論の部分と和声との比較など自分なりに分析をしているのでちょっと
時間がかかります。2回目以降の楽譜と分析は終わっているのですが皆さんに
納得していただくための説明文が終わっていないので悪しからず!
1曲丸ごと欲しいと思う方がいるかもしれませんがそうすると投稿が1か月とか
2か月で1回できるかどうかとなってしまうのでこのように数小節で出しています。
前回ではメロディの演奏部分を見ていただきましたがどうだったでしょうか?
簡単に言えばこの曲は和声によるメロディ作りがされているということです。
分析ではコンサート譜で行いますのでトランペットで演奏する場合は1オクターブ
さげて1音上げKey「G」演奏してください。グリツァンド記号部分は半音の装飾音です。
分析ではアドリブになると和声によるメロディからスケールモードで音の対比による
演奏になり「F ionian」「Gdorian」とそれらをつなぐブリッジになるスケール(D7♭9など)
でバッキングのコードを追いかけるようなフレーズはほとんどありません。
原曲の部分がターゲットとして使われるのでコードに沿ったということとは別です。
最初の4小節はアドリブにつながるブリッジになる部分です。「Gm7/C7」はGドリアン
「F」はFイオニアンで「A」のロングトーンはGドリアンとFイオニアンとの共通音で
フレーズからはGドリアンのフレーズが次の小節までつながっていると考えられます。
フレーズは小節線を意識しないということです。その結果として和声に合わない音
が出現します。この時、和声ではなくフレーズとして良いかどうかが優先します。
次の「G・E」「C・A」で「G」音と「C」音は3度の弱い対比音です。「E・D」で
「D」音は基音「F」音の下の対比音で次に基音「F」音を予感させますが。
「d」音を次のFイオニアンは移るためのブリッジとしてGドリアンを経過的に入れ
たものか?ですがその後の1オクターブ上の「E・C・A」までをフレーズとすると
Fイオニアンの対比音「D」サウンドに一時的に中心音をうつし緊張感を高めて次の
「E・C・A」で基音単位となり緩和になったようです。休符は音がないと考えないで
下さい。フレーズの間(ま)でありますからブレスをしようがしまいがフレーズとして
どうなんだということを考えます。小節線も同じ考えでフレーズの切れ目ではないのです。
次のコーラスではここが完全にFイオニアンですのでブリッジではなく対比音で緊
張感を高めたもののようです。赤いっカッコはフレーズの切れ目です。赤丸はターゲットに
使ったらしい音。
最後から3小節前の「B」音です。ここはコードが原曲「Am 7/D7♭9」で下はアドリブ時の
バッキングのコピー「A♭dim7」ですがここはピアノかベースが「Fmaj7」の「A」「A♭」
「G」と意図的に付けられたもののようです。ここでMiles Davisは2コーラス目では「D♯」
「D」という音を使っているので彼の考えていたこのブリッジは「A♭m7」すなわち
次の「Gm7」への半音進行です。
メジャー7度のコードで6度の音良く使われます。ここでは「Fmaj7」の6度の音「D」
です。この音は基音の対比音で「基音から6度そして基音」を予感させながら6度で止まる
というようメジャー7でありながらに意識的に6度を使うプレイヤーは多いです。
和声的にはぶつかるよ!ぶつかるんだったらテンションでしょと考えるのは短絡的!
結果的にはメロディックテンションになるのだけどね!