徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

フェルメールの仮面

2013年02月18日 | 読書
久々、普通のポイントの単行本を借りた。
まったく知らない作家。
私の本棚(図書館(#^.^#)にいくと新刊書がたくさん出ているが、手に取るも、字が小さくてなかなか借りない。
最近は、大活字本の新刊もあるので楽しみにしているが、なかなか読みたいものにあたらないし、すでに読んだものも多い。
フェルメールのあの有名な絵が思い浮かびがんばって読んでみようと借りてみた。

寝る前に少しずつ読み進んだが、内容は、絵の専門用語が多くて未知の世界。

主に、小樽とフランスの地方が舞台で、交互にその地でのことが描かれる。

フランスでは、18世紀~19世紀と現代が交錯するミステリー風。

小樽の描写には、懐かしくて胸が熱くなった。
先月亡くなった千代ちゃんと2000年ミレニアム旅行と銘打って大学生二人にヘルプされながら名古屋空港から旅立った地だ。
今では中部国際空港(セントレア)で障害者の搭乗には便利が非常によいが当時の名古屋空港は古くて不便で大変だった。(セントレアは計画段階で、車椅子当事者も設計の段階からスタッフとして入ったから)

裕次郎記念館へ行くのがメインの旅行。
小樽の街は石でできた古い建物が息をしているような場所だった。特に日暮れてからはなおさら素敵だった。
コーヒーショップなども中に入りたいけど、入り口に石段がありストレッチャーには無理だった。
あのときのことを思い浮かべながら読み進んだ。

1700年代後半から1800年半ばあたりの時代の絵描きアンリ(この人が実在かどうかも私は知識がなく知らない)の絶望的な世界と現代の小樽の主人公とがどうつながるのか。
だんだん面白くなってとうとう読破できた。

面白くなってくるまでは飽きて、大活字本の伊集院静の短篇集をはさんで一日で読んだ。(仕事の合間に(^.^)
どの短篇も読んだときはいいなと思ってもあんまり記憶には残らないけど、この人の書くものは好きだなって思った。ということはこの作家の精神的なものに共感するということだろう。

結局、フェルメールの仮面を読んでみて、絵画の世界にいかに大きなマネーが動くかと知った。
私には贋作と模写作品をどういう区別するのかあまりよくわからない。
模写には模写した人のサインが入り、原作者のサインを模して入れると贋作となるのか?

古い絵画はどこまで信じられるのか、なんだか考えさせられてしまう作品だった。
有名な絵って言うだけでルーブルなど有名な美術館にある絵はすべて本物と思ってみてしまう。

結局、誰が描いたのではなく、自分の心に響く絵がいい絵なのではないのだろうか。

作者の絵の具などいろんな知識が半端ではないので調べると、芸大の教授だった。

あとがきに、かかわった人々に感謝の念をあらわし、特に、原稿を書き進めるのにすべて目を通して意見を言ってくれた妻に感謝の言葉を述べていて、とても暖かい気持ちになった。

辻仁成の「永遠者」が少し読んだだけでまだ面白くなるところまで進んでいないけど、なかなか読む気が起きない(^.^)


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