コロナ2020
この川柳は、2020年に書いたものです。
マスクのゆきわたりなど変化したところもありますが、変わっていないところもあります。お店の経営者への圧迫、沖縄などの苦渋は、いっそう増していると思います。
もう一度気を引き締めようと、自分にいいきかせています。そして懸命に祈ろうと拳をにぎっています。
あのときはマスクしていた見合い席
微笑みの文化が消えるマスク顔
宰相(さいしょう)の嘘隠しきる布マスク
吸う空気吐きだす空気菌嗤(わら)い
背後からランナーの菌ひたひたと
路地裏にあわてて入る咳(せき)のひと
ドア開いて菌入れ替わる通勤車
人来たらすぐに逃げよう新入児
人好きに声かけさせぬコロナ町
テレワーク画面向こうもマスクして
労働者コロナの鉤(かぎ)に胸裂かれ
パチンコの玉が錆(さ)びたと店たたみ
感染者裏の口から入院し
肺臓をしゃぶりつくしてコロナ死に
臨終に会えない子らが窓見上げ
今週も正念場(しょうねんば)だと専門家
そんなのは関係ねぇと花見妻
医療者を軽くねぎらい金ださず
菌のなか吸って吐いての君は医師
スーパーの店員方に礼をいい
あの男女自粛(じしゅく)期限は三ヶ月
感染は怖(こわ)いが酒もあおりたし
おはようの代わりにかける「熱はない?」
死ぬことは他人事(ひとごと)でなし ニュース見る
ご訪問
ありがとうございます。
希望をもちづけよう、そういいきかせています。
神がきっとなんとかしてくださる、と。