信用
1
アルバイトでテスト作りをした
メールでやりとりした
一度も顔を合わせない
電話で声もきかない
一区切りついた
提供いただいた資料はどうしましょうとたずねた
―そのままお持ちください 信用していますから
そう返信があった
「信用していますから」
顔を知らず声を聞かず メールだけの出会い
メールだけの別れ
パソコンに眠ったままもう目を覚まさない「信用」
2
いわれのない信用は、のどに何かがひっかかったようで、気持ちがよくありません。「信じる」「信頼する」「頼る」「頼みとする」など、似た意味の言葉も同様です。
「信(まこと)」は、それを注ぐ者の全力を求めると思います。
「信心」「信仰」という言葉を並べてみれば、理由の要る、同じ根っこの言葉だとわかるでしょう。
「信のこころを用いて相手に対する」、それが「信用」だと思います。
●ご訪問ありがとうございます。
ひとから信用されることの少ない人生を送ってきた私には、この出来事は妙な体験となりました。ネット社会の現象のひとつかもしれません。「信用取引」のあやうさ、責任の乏しさなどを、ちょっとだけ考えさせられたことです。