きゃべつ
1
老いたわたしの手の甲のように
青筋をたてているきゃべつ
仲間にしがみつくこと
仲間にしがみつかれること そうして
丸のなかに自分を閉じこめること
その生き方に懸命なのか
一枚だけでは自分になれぬ
ダンゴ虫のようにかたまらなければ存在できない
そんな弱さを
生きる知恵に変えたのか きゃべつ
2
一枚また一枚剥がしていく
どこまで剥がせば
―これがわたしです
といえるのだろう
もしかしたらまだ残っているかもしれぬ
素顔の瑞々(みずみず)しさ
それがあらわれてくるのだろう
一枚
また一枚
3
気づいたら
尊い方のやさしい手のひらがあった
弱いわたしの心のひだ
青い神経がとがるばかり
思いきり空へ祈ろうと思っても
縮こまってしまう
はみ出さないことに馴れてしまった臆病さ
そのとき声がした
―だいじょうぶ、だいじょうぶ
わたしが天にあなたの祈りを重ねていくよ
あなたのつよさで あなたらしく
★いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。