わるくち②
私は言った。私は自分の道に気をつけよう。私が舌で罪を犯さないために。私の口に口輪をはめておこう。
(旧約聖書「詩篇」三九篇)
1
憎まれ口も減らず口も
陽のあたるところで開く口 ときに大声で
悪口と陰口は
じめついたところで開く口 きまってひそひそと
2
批判とわるくちはどうちがう?
建て上げるより壊したい欲が潜んでいるかもしれぬ
ウラミや妬みの苦い汁が溶け込んでいるかもしれぬ
ちがいの見分け方は 言葉に愛が宿っているか、かな
3
―あのひとがわるくちを言うのを聞いたことがありません
特に親しかったわけでもない人の言葉
親しくないから聞いたことがなかったのかもしれない
でも彼は その人に清々しい印象を残して旅立ったのだ
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