野菜の声 きゃべつ
1
一枚また一枚
自分をはがしていく
どこまで行けば
これが私です
そういえるのか
まだ残っているかもしれない
みずみずしい素顔が
あらわれるのか
一枚
また一枚
2
気づいたら
尊い方のやさしい手のひらがあった
弱いわたしの心のひだ
重ねようとしても重ねようとしても
青い神経がとがるばかり
そのとき声がした
―だいじょうぶ、だいじょうぶ
わたしがあなたを重ねていくよ あなたらしく、そっと
●ご訪問ありがとうございます。
きゃべつは、すんなりむけません。力を入れすぎると破れてしまいます。繊細な野菜だなあといつも思います。