嵐の今年第一弾シングルになるのかな。当然、当ブログでも初レヴューとなります。
Twitterで少し感想を書いたりしてますし、もうネット上には私よりも詳しい方々の緻密な分析があるので簡単な感想を書き留めておきます。
嵐
「Find The Answer」
2018/2/21リリース
ジェイ・ストーム
JACA-5717・18(初回限定盤)
JACA-5719(通常盤)
タイトルチューンは松本潤くん主演のドラマ主題歌なので、万人に受け入れられるキャッチーで心地よい仕上がりの楽曲になっているかと思います。イントロのストリングスに「Troublemaker」の断片が垣間見えたり、色んな部分に今までの嵐ポップの要素がちりばめられている様に感じられました。ネガティヴな見方をすれば既視感の強い楽曲ですが、ヴォーカルの力が強くなっていることでポジティヴに捉えられる。
初回盤のカップリング「街角の恋人たち」は私的には今回の5曲中ベストトラック。最初に聴いた時、とてもJ-POPに感じられなかった。明らかに現行の邦ポップと一線を画する音作り。往年のAORを意識しながらも懐古的にならず、ちゃんと今の音に仕上げている。ベースもキックもハイハットも抑え目、ギターも柔らかくリフを刻む。上物は温もりのあるホーンと流麗なストリングス。シンセの響きが良いアクセント。このテンポで緩やかに身体を揺らすグルーヴをダダ漏れさせる石塚知生のアレンジが最高です。そして、何よりも特筆すべきはインストゥルメンタルでも気持ち良いこの曲を極上のアンセム足らしめる5人の歌の力。全員にグッとくる瞬間がちゃんとある。個人的にはリーダーの声の色気、翔くんの伸びしろ、相葉ちゃんのファルセットに引き込まれます。控えめな男女コーラスも効果的な実にオトナな魅力に溢れたアーバンメロウな名曲。
通常盤のカップリング「Circle」も素晴らしい。攻めの姿勢という意味では一番だと思います。作曲は、「Winter days」を手掛けたTasuku Maedaとトラックメイカーの重鎮:今井了介。見事なアレンジはお馴染みの吉岡たく。トレンドをしっかり押さえたFuture Bassでありながらゴリゴリにし過ぎることなく嵐が歌う意味をきちんと持たせるお仕事っぷりに感服。アンビエントな入りも熱を帯びていくビートの構築も実に計算が行き届いているし何よりも心惹かれるのはリフのシンコペーションとブレイクが作り出す緩急と抑揚。心がザワザワする演出が素晴らしい。インストゥルメンタルだけ聴いてもめっちゃカッコいいですが、ブリッジの“心の奥のほうで・・・”で聴ける繊細極まりないヴォーカルは必聴です。
通常盤カップリング2曲目は「Bounce Beat」ですが、これも大好きです。EDMなのに苦手な要素が薄い。単調な重低音のビートやハードエッジなだけのシンセではなくちゃんとポップスとして成立させる為の仕掛けが施されているのを感じる。軽快にドライヴするギターのリフやカッティング、要所でグルーヴを醸し出すスラップや控えめながら端正な響きを塗すピアノ、印象的なエフェクトコーラスと考え抜かれたプロダクションがちゃんと嵐ポップに仕上げているのを強く感じる。彼らのヴォーカルに30代らしいフェロモンが漂うのも好印象。
通常盤最後の1曲はオリンピックのタイアップ「白が舞う」。タイアップに求められるモノをきちんと形にして期待に応えているなぁというのが第一印象。個人的にはそんなに好きなタイプの曲ではありませんが、ファーストヴァースのソロリレーからリフのユニゾンに嵐の王道を感じるのと同時に歌の成長を感じていたりします。この曲にも今までの嵐の楽曲のファクターが程よくミックスされている様に感じたりしています。
タイアップ曲では求められるものを最大限期待に応える形で幅広い層に受け入れられるモノを作る。カップリングでは枠に囚われることなく攻めの姿勢を示し最高のクオリティでカッコいい楽曲を提示する。如何にも彼ららしいスタンスだと思います。
個人的にはカップリングで歌われる様な曲が普通にテレビから流れてきたら嬉しいとは思いますが。