とりあえず嵐のレヴューの次に書こうと思っていた。
少しでも多くの人の目に触れる時に書こうと考えていた。
それが、この作品の虜になった人の使命だとすら感じている。
国府達矢
『ロックブッダ』
2018/3/21リリース
felicity
PECF-1149
このアルバムが出た時は不勉強ながら彼の音楽を殆ど知らなかった。名前を少し聞いたことがあるくらいだった。
初めてちゃんと耳にしたのは5月の“音楽ガハハ”
やついいちろう、マキタスポーツ、レキシの池ちゃんが月イチでやっているラジオ番組。
まず衝撃を受けたのは家内であった。私も一緒に聴いていて今まで聴いたことがないタイプの音楽に驚きしかなかった。そして脳裏に刻まれたこの「薔薇」という曲の虜になった。
ダメ押しだったのは星野源のオールナイトニッポン。俳優:松重豊が源ちゃんに教えたという事でオンエアされ、その情報はSNS上を駆け巡った。しかし、それでもまだ彼の音楽は一部の好事家の間だけで語られるある意味マニアックな存在だ。
やついいちろうが紹介したように、これこそが世界に聴かせたい日本のロックだと私も思う。ジャパンオルタナティヴロックの一つの頂点がこの音楽にある様に感じて仕方がない。
タイトでドライヴするskillkillsによるリズム・セクションの上を縦横無尽に駆け回る国府達矢のヴォーカル&ギターが、ロックの可能性を改めて感じさせてくれる。これほど情感豊かで美しくもエモーショナルなギターは本当に久しぶりに聴いた気がする。そして和のテイストをロックにこれほどマッチさせた楽曲もまた初めてであった様に思う。
彼がアルバムをリリースするのは実に15年ぶりのことらしい。それだけの長い時間をかけて磨いた宝石のような楽曲がこのアルバムには輝いている。今年のベストアルバムであると同時に、個人的には21世紀の名盤トップテンに入れても良いくらいの作品だと思う。
とにかく聴いて、彼の存在を知って欲しいと思う。聴いて好き嫌いがあるのは全然かまわない。でも、聴いたら私の様に虜になる人が絶対に出てくると信じている。それだけの力がこのアルバムには漲っている。
どうぞ一人でも多くの音楽好きの方々に聴いていただけます様に。