実に久しぶりにレヴューらしきものを書いてみます。
脇田もなり
『RIGHT HERE』
2019/7/31リリース
VIVID SOUND
HCCD9609
まずはリードトラックをご覧ください。
素晴らしいサマーアンセム。作詞は一十三十一、作曲・編曲・プロデュース・トラックメイクはDorianというコンビによる実に気持ち良いメロウグルーヴです。
しかし、このアルバムにはコレに負けず劣らずのグッドソングが満載。
個人的にグッときた部分をご紹介します。
2曲目の「Thinkin' about U」はONIGAWARAの斉藤伸也が手掛けた、ポップの王道をゆくグルーヴチューン。嬉しかったのはコーラスの素晴らしさ。Smooth Aceの岡村玄によるコーラスアレンジが最高なんです。重住ひろこ&岡村玄のスムースエース陣に斉藤伸也を加えたコーラス隊が加わると、大好きなスムースエースのグルーヴィな楽曲を彷彿とさせる瞬間がそこかしこに。
「LOVE TIMELINE」と「WHERE IS…LOVE feat.Sunny Belltree」は作詞が鈴木桃子で作曲・編曲・トラックメイクが佐々木潤というコーザ・ノストラの二人。柔らかく心地よいグルーヴを醸し出す楽曲が、もなり嬢のフックの強い声と絡み合って唯一無二の歌になっています。
「恋をするなら」は作詞が飯泉裕子で作・編曲が佐藤清喜という大好きなmicrostarのコンビ。プロデュースもmicrostarです。いかにも彼ららしい往年の名ポップスへの愛に溢れた楽曲に頬が緩みます。
圧巻はラストの4曲。くるりの「ハイウェイ」から「3MOTION」「FRIEND IN NEED」「passing by」と続く流れは個人的に最高の時間だと思います。
「ハイウェイ」で聴ける、ラブアンリミテッドしまだんのギターとKAYO-CHAAANのエレピの音が本当に気持ちよすぎて、どこかに連れて行かれそう。
「FRIEND IN NEED」での越智俊介が弾くベースのグルーヴも大好きです。この楽曲の格が何段も上がった様な気がする名プレイ。ソウルフルなサウンドメイクともなり嬢の粘るクセ声のコンビネーションも堪りません。強烈なグルーヴに身体が揺れないはずがない名曲。
エンディングの「passing by」でもKAYO-CHAAANのエレピが炸裂。音色といいフレージングといい“最高”の二文字以外の言葉が浮かびません。
全12曲の全てに身体を揺らす要素があります。ベタで甘ったるいスロウチューンや泣きのバラッドだったりといった、私が苦手なファクターが一つもない。
メインプロデューサーの新井俊也さんの手腕にはリスペクトと感謝しかありません。素晴らしいアルバムを送り出していただき、本当にありがとうございます。