奥村愛子の『虹色ナミダ』というアルバムを聴いている。彼女にとって2枚目のフルアルバム。つんく♂が絡んだコトで、一部のファンから酷評を受けたりもしている(笑)が、コレはコレで十分アリだと思うんだけどなぁ。
コンセプトの統一感は薄れたという言い方も出来るかもしれないけど、逆に見ればヴァラエティ豊かになったとも言えるし。
元々、歌謡曲のサウンドコンセプトは“ゴッタ煮”の世界。その点で、このアルバムの曲群は見事に『歌謡曲的』とも言える気がする。
冒頭の3曲「恋の嵐」「虹色ナミダ」「くちびるセクシー」はホーン主体のアッパーチューン。ホーンのフレーズ単体で見れば「虹色ナミダ」のイントロやサビのバッキングに軍配があがるけど、実はおいしいフックは“つんく♂”の「くちびるセクシー」に一番感じられるんだよなぁ・・・ま、個人的な感想なんですけど。あ、この曲のサックスソロは藤井尚之だったんですね(笑)
それよりも、印象に残るのは4曲目以降。「もう一度マリンブルー」はAOR歌謡と言えばイイのかな。80年代アーバンポップスのテイストが色濃くでたミドルチューン。サビ直前からの展開は35-45エイジには堪らないモノがあります(笑)。バックも素晴らしい。ドラムは岡本郭男、ベースは渡辺直樹のスペクトラム~AB’Sコンビ。ピアノは大谷和夫でサックスとフルートは包国充!腕っこき揃いにもホドがある。
筒美京平の曲を清水信之がアレンジしたフュージョンちっくな曲や、知野芳彦のカッティングが気持ち良いメロウグルーヴ「恋はここから」(間奏のギターソロ、好き好き~)、80年代マイナー系歌謡曲の王道「銀色の雨」(クレジットにA・SAX山本拓夫って入ってるけど、フルートの間違い?)、同じく山本拓夫のティンホイッスルが印象的な牧歌的歌謡曲「ベランダの向こう側」(今回のアルバムの中では一番おいしいメロディの自作曲)など色んなタイプの“歌謡曲”が詰まってると思います。
名盤とまでは呼べないかもしれませんが(笑)、けっこう楽しめる作品に仕上がったと思いますけどね。
あ、ラストに入ってる「恋したいハート(Brassless Version)」のイントロは「ロング・トレイン・ランニン」!(爆)モロだなぁ・・・