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ほいほいとぼとぼ日記・爺爺刻々

落語はいかが?

 え~、本日はわざわざのお越しでありがとうございますな。この忙しいさなかに、こんなブログを見ようなんて方は、よっぽど暇なんですかね。いやいや、お客さんのことじゃありませんよ。もう、お客様はお得意さまですから。今日は、高座からですが、ぐぐぐぐうっとビールなんぞサービスいたしますよ。ほれほれ、ま、一杯、ぐぐっと。お客さんもうちょっと近くへ来てくれませんか?え、「お前が近寄れ」。いえいえ、お客さん、それは勘弁願います。高座から落ちちまいますから。はぁ、「落ちて良いんだ」ですか・・「これがほんとの落伍者だろうって」
 
 トントントン、大家さん。こら、大家いねーのかい。何だい、八つあんじゃないか?どうしたんだ。いや、じつはそこんとこの公園でこんな本を拾ったんですがね、高い本だったら、売っちまって飲み代にしようなんて了見で、一体どんなもんかを「おごうつく」でいらっしゃる大家さんならお値踏みができると思って寄ってあげたんでございますよ。
 なんだろね、この人は。ごうつくに「お」をつけて。ま、仕方がない。さて、本を見せてご覧なさい。 ほうほう。これは、すごいものかもしれませんよ。東京大学落語会(東大落語研究会OB)編の「増補 落語事典」と書いてある。昭和48年のものだから、今から32年も前だから落語全盛の時代だけど、2年前に文楽師匠が亡くなり、丁度48年に志ん生師匠が亡くなり、名人、巨星が二人いなくなった。しかし、まだあの圓生や小三は現役さ。そして談志もまだ30半ばのころだから、みんな脂ののったいい時代だね。
 大家さん、落語の解説はいいから、いくらだか教えてくれよ。講釈が始まると長いんだから。江戸っ子は、一言でいいんだからね。長いのはフンドシだけにしておくれ。
 まったく、人にものを頼んでおいて、長いのフンドシにしろだと。こうゆう価値のありそうなものは、それこそじっくりと見るものだよ。なになに「本書には約1260編の落語の梗概と解説を収録した。」事典だから、あいうえお順だよ。「あ」は「青菜」から始まり、最後は「綿医者」まで。バレ話(下ネタ)もあるし。うふふ。この「赤貝丁稚」。丁稚が進物の赤貝をつまもうとして赤貝にはさまれた。どうしても取れないので医者に行ったが、赤貝にはさまれたといえずにいた。医者が「小声でいいから言いなさい」「赤貝にはさまれました」「それはそれは。でも、まだ指でよかった」。あははは。これは、楽しいな。速記本から取材しているそうだな。たいしたもんだ。
 あとは「サゲの分類は一切やめた。中略。「地口落ち」「ぶっつけ落ち」「仕込み落ち」などの分類法に、多分の難点があるからである。」ふむふむ、さすが東大だな。記述が学術的だな。
 大家さん、期日が額に飾ってあるんじゃなくて、俺にも呑む期日があるんだから、早くして下さいよ。熊公が、酒屋の前でとぐろ巻いて待ってるんですから。
 バカをお言いじゃないよ。分かりましたよ。これは、いくらだと言われれば十点だな。
 えええ、十点?? そんなお金はないでしょ。十円ですかあ。
 いやあ、違うよ、事典だけに十点だ。お後がよろしいようで。
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