一昨日おとうさんと「能」を見に行ってきました。
能といっても伝統的なお話ではなく、宮沢賢治の童話を能の世界観に落とし込んだ舞台です。
能の世界には古くから演じられてきている5000ものお話があるそうです。
とはいっても最近では約200種類ぐらいのものがよく演じられているそうなのですが。
近年は新作能といって新しい能の世界を創っている方達も多いようです。
宮沢賢治作、光の素足。
話を説明するのは難しいので割愛しますが感想を。
あくまで僕自身の捕らえ方でしかないのですが、音と言葉と動き、そこには一切の無駄がなかったかのように感じます。
空間に広がりきる祈りの波動です。
こう書くと重苦しく感じるかもしれませんが、物事はいたってシンプルです。
叩く、喉を振るわせる、地面に足を踏みおろす、息を吐く。
そんな日常的な中にもありえるであろうカタチで、また新しいカタチを作り出すのです。
僕の身体はあまり意味をもたなくなり、とろけちゃった感じでした。
目は開いているのか閉じているのかわからなく。
耳は聞いているのか聞いていないのか。
聞こえていたとして理解しているのかしていないのか。
そこにあるのかないのか。
演者の方達にはもしかしたら失礼な感想かしれませんね。
ただ僕にとってはそれが最上級の喜びでもあったのです。
人の作り出した空間を心地よく感じたのは久しぶりでした。
とても美しい波でした。
美しいという中にはすべてが含まれるような気がします。
愛、哀、喜、奇、怒、努、楽、落。
な~んでもです。
もちろん好き嫌いはあり、場合によっては自分にとって美しいものが人にとっては美しくないものでもあるとも思いますが。
音も劈くような質ではなく、そこにある事をすんなりと受け入れられる音でした。
まるで水滴のような。
人ってすてきです。
あと最近ひとつ思った事が。
自己顕示欲が強かったり、とても自己中心的であったり。
僕はそういったものに嫌悪感を持ち合わせていました。
(それを嫌だと思うって事はたぶん僕がその性質を強く持っているからだとは思うのですが)
ただそういった感情があるからこそ生みだせるものもあるのかなぁ~と漠然とですが思うように。
色々なものを見て色々感じて行きたいなとまた思いました。
次はクラシックか、ジャズかな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕が手がけるシルバージュエリー、天然石アクセサリー、誕生石などのお店DESERT ROSE