馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

詩育日誌09.24いま世界はうなだれている⑥イガ栗野球

ストライクが入らないから
そろそろ、交代です。
箒はときどきバットにもなる
イガ栗野球

(ヤギ小屋を箒で掃除するときついでにイガ栗をたたいて落とす)

きびしさを求めてくるスープ少年たちには
もう、くたびれた。
どうしても救われない今日と明日のあいだで
眠ってもらおう

(ヤギは小屋の外で草を食べながら用を足すがたまに粗相をする)

じわっと変化球
起きてみると
「やあ」というかたちに口を開けて
夢でスイッチoff

(ヤギの糞はコーヒー豆のようにコロコロしていて匂わないがオシッコは匂うので床を拭いてやり段ボールをそのうえに置く)

カマをふりおろすように
ストレート
不可能という可能
をめがけて

(イガ栗は半分開きかけているので長靴で踏んで栗の実を鉄の火ばさみで取り出すが栗のイガは思ったより痛いから手袋をはめて投げる。それを箒の柄で打つ。柵をこえるとホームラン)

コントロールに気をつけて
もう、朝だよ。
やさしいことばをかけるヤギが
うなだれた世界と交代する


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