忘れていたいものそれほど少なくないホトトギスの花は台湾のランに似ているうなだれた頭は墓を拝んでいる人のものぼんやりしていたべつの世界からまなざしが引きもどされるもっと、ほがらかに。慰めるはずだった飢えた鬼に泣き声を施されている遠くでひとり日ぐらしが笑う一度きり忘れていたものそれほど多くない