どちらも、全く電源が入らないという現象で、内部を確認すると・・・やはり起動回路用の電解コンデンサーが液漏れしていました。
いつものように、電解コンデンサー11個を交換して、検証用のTX90につないで動作確認、負荷テストを行い問題がありませんでしたので、ご返却しました。
ここまでだと、いつものブログ記事と全く同じになってしまうのですが、液漏れした電解コンデンサーの特性を少し載せます。
上は、正常な電解コンデンサー(1000μF/16V)の静電容量(C)と等価直列抵抗(ESR)の値です。
Cap静電容量は、1051μFとなっています。このシリーズの電解コンデンサーの静電容量の許容差は±20%ですので、1000μFの規格値に対して問題ありません。
ESR等価直列抵抗の値は、0.02Ωで十分低い値となっています。理想コンデンサーでは、ESRが0Ωです。
このESRの値が大きいと、高周波でスイッチングを行うスイッチング電源回路に使用すると、十分な電流が流せないことになってしまいます。
次に、実際にAPI4PC50に使われていて液漏れしていた1000μF/16Vの電解コンデンサーのデータです。
こちらは、静電容量が631μF、ESRが20Ω以上となっています。容量は40%程度減り、さらにESRはとても大きな値となってしまっています。
こうなってしまうと、本来の電解コンデンサーの役目をはたせなくなってしまい、結果として電源回路の動作に影響してしまいます。
どらともでは、電源ユニットの電解コンデンサー交換では、低ESR長寿命品を使用しています。しかし放熱板や、半導体素子の熱くなる部品の近くに電解コンデンサーが配置されており、多少コンデンサーを傾けて半田付けしたりして、熱の影響をなるべく受けないようにしています。
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