詳細をお聞きすると・・・パソコンはPrecision390という大型のデスクトップPCで、OSはXPだそうです。
最近なかなか電源が入らないことがあり、何回もスイッチを押してやっと電源が入るそうです。
「Precision390 電源が入らない」でネットで検索すると・・・マザーボード上の電解コンデンサーの液漏れや電源ユニット内の電解コンデンサーの液漏れによる修理事例が結構ありました。確かにXPのころに出回っていた電解コンデンサーには、暫く使っているとすぐに液漏れや頭部膨張してしまい、コンデンサーの機能を果たさなくなり、パソコンの起動や動作がおかしくなることがよくありました。どらともでは、それらの電解コンデンサーを交換して対応していたのですが、最近ではそのような故障も見かけなくなりました。
とりあえず、電源チェッカーやテスターも持ってお伺いしました。
しかし、このパソコン、サーバー機としても使用できる設計なので筐体が大きくて重たいです。電源スイッチを押すと・・・今回は一発で電源が入りました。
懐かしいというか、ほぼ忘れかけていたXPの起動画面が出てきました。
お仕事で使っているパソコンで、もちろんネットには繋いでいないのですが、よく使うアプリがXPでしか動作しないので、ずっと使っているそうです。
もう一台Windows10のデスクトップPCがあり、そちらでメールやネット閲覧してるそうです。
Precision390のカバーを開けて内部を確認してみました。
マザーボード上の電解コンデンサーは全く問題ありませんでした。内部にホコリもそれほど溜まっておらず綺麗です。電源ユニットを開けてみてもよかったのですが・・・その前にマザーボード上のC-MOSバッテリーの電圧を測ってみました。(コンセントを抜いて十分放電してから測ります)
すると・・・2.9Vでした。バッテリーは汎用のCR2032で、定格は3Vなのですが、実際に新品の時は3.3Vくらいの電圧が出ています。
今までも何台かあったのですが、C-MOSバッテリーが2.9Vくらいになると、起動したり、起動しなかったりすることがありました。さらに電圧が低くなると、全く起動しなくなることが多いのですが、中途半端な電圧だと、起動したり(電源が入る)、起動しなかったり(電源が入らない)するみたいです。
CR2032は、いつも持ち歩いていますので、お客様の了解を取り、交換しました。やはり新品のCR2032は3.3V出ています。
交換後電源を入れると、BIOSのセットアップを促すメニューが表示されたので、時計や日付を合わせて進むと・・・XPが起動してきました。
何回かシャッドダウン、起動を試してみましたが大丈夫そうでした。
これで様子を見ていただき、再発するようだったら、電源ユニットの出力電圧、内部の部品の状態を確認することにしました。
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