もともとHDDの速度が遅いのを改善するためには、SSD(半導体ディスク)に換装するのがベストなのですが、少し前はまだまだSSDは高価でした。そのため小容量のSSD(Optaneメモリー)+HDDという構成でこのペアでひとつの仮想ドライブとして動作します。Windowsの起動やよく使うアプリファイルなどは、Optaneメモリーに保存しておきます。もっとも16GB~32GBなどの小容量なので保存量には限界があります。
なので、Windowsの起動は速くなり、よく使うアプリなどの起動も速くなります。逆に滅多に使わないアプリなどはHDDからの起動になりますので、HDDの速度での動作になります。SSDの高速性とHDDの低コスト、大容量といった良いところを取り上げた技術です。
今回お客様から、動作が遅いというノートパソコンNS300/MのSSDへの換装とメモリー増量のご依頼がありました。
仕様的には、Corei3-7020U、メモリー4GB、HDD1TB+16GBOptaneメモリーという構成です。
あまりにも遅いので、ほとんど使用していないとのことでしたが、Windowsは結構速く起動してきました。これはOptaneメモリーのおかげでしょうか?
Windowsが起動して、いろいろなアプリや設定を開いてみましたが・・・確かに遅いです。というかいわゆるHDDの速度です。
SSD1TBへ換装し、メモリーも増設することでお預かりしました。
Optaneメモリー+HDDの動作の場合は、このままHDDを取り外してしまうと、Windowsが起動しなくなってしまいます。取り外す前に「インテル®Optane™ メモリー・テクノロジーを「無効」にする必要があります。
無効にする方法は、「BIOS」設定からと「インテル®ラピット・ストレージ・テクノロジー」からと二つの方法があります。すでにWindowsが起動しないような場合は、「BIOS」設定から無効にする必要がありますが、今回はWindows自体は正常に起動動作していましたので、アプリから無効設定にしました。
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「インテル®ラピット・ストレージ・テクノロジー」を起動して「インテルOptaneメモリー」タブをクリックするとステータスが表示されます。
「有効」になっていますので、下の「無効化」をクリックします。少し時間がかかりますが暫くすると「再起動」を促す画面が表示されるので、再起動します。
再起動後、改めて確認してみると「インテルOptaneメモリーのステータスが「無効」になっています。
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「有効」時は、メモリーアレイという形で、HDD(932GB)とOptaneメモリー(13GB)を合わせて一つのディスクのような表示になっていましたが、「無効」にすると、HDDとOptaneメモリー(PCIeSSDという表記になっている)は、独立したディスクの表示になっています。
これで、Optaneメモリーは無効になったので、完全シャットダウン後に底面カバーを開けます。この機種は、DVDドライブを取り外してから、底面ネジを外してカラ割すれば底面カバーは外れます。バッテリーとマザーボードをつなぐケーブルも外しておきます。
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M.2スロットに、16GBのOptaneメモリー(SSD)が付いていました。
内蔵バッテリーとマザーボードをつなぐケーブルも外しておきます。HDDを取り外して、同容量の1TBのSSDへクローン作成を行いました。その間にメモリー(PC4-17000)を取り付けました。
Optaneメモリーですが、SSDに換装すればOptaneメモリーを使う必要はないので、マザーボードから取り外しました。
余分なものはすこしでも削ってシンプルな方がヘンなトラブルが起きる可能性が低くなります。
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SSDに換装(Optaneメモリー取り外し)、メモリー増設したことで、十分使用に耐える動作速度になりました。
インテル®Optaneメモリー自体はすでに生産終了となっており、第12世代以降のCPUはサポート終了しています。
HDDからSSDへディスクが変わっていく過渡期の技術だったのかもしれませんね。
以前一体型デスクトップ(テレビ機能付き)パソコンで、時々起動しなくなるということで、販売店の人に来てもらい都度修復していたというお客様・・・また起動しなくなり、どらともへ修理依頼をいただいた際にパソコンの構成がOptaneメモリー(16GB)+SSD256GB+HDD3TBというものでした。
メインのディスクがSSDでさらにOptaneメモリーを使用しているのは、あまり意味がなく、かえってシステムを複雑にしているだけなので、Optaneメモリーを「無効」にして復元できたこともありました。その後は、快調に動作しているそうです。
<まとめ>
Optaneメモリー+HDDのストレージ構成のパソコンのディスク交換を行う場合は、「インテル®ラピット・ストレージ・テクノロジー」などのアプリまたはBIOSからOptaneメモリーを「無効」にしてから作業を行うことが大事です。
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