今回、今までとは変わった現象があったので、まとめてみます。
機種はTX70Lで、「現象は全く電源が入らない」ということでした。
まず受け取った状態で、冶具を使って負荷をかけないで、通電してみました。今までの修理ユニットは、無負荷の場合はいくつかの系統は、電圧が出力されるのですが・・・今回は、どの系統も全く出力されていません。
厳密に言うと一瞬電圧がでるのですが、すぐに電圧が落ちてしまいます。
そもそも5Vのスタンバイ電圧が出ていません。
この時点でお客様には、電解コンデンサーの交換だけでは直らない可能性もあることをお伝えしました。(以前このような現象の時はPowerMOS-FETの故障が原因でした)
お客様からは、その場合はさらに調査・修理を継続して行って欲しいとご了解を得ました。
内部を確認してみると・・・4つの電解コンデンサーが液漏れを起こしていました。
C54・・・3300μF 10V C61・・・2200μF 10V C62・・・1000μF 16V C71・・・330μF 35Vの4つです。C54・C61・C62の3個が液漏れを起こしている場合は、起動しなくなってしまいます。
うん?でも液漏れしている電解コンデンサーの頭部の様子が今までと違います。
通常、液漏れを起こした電解コンデンサーの頭部は膨らんでいます。
通常の液漏れコンデンサー
しかし・・・今回液漏れを起こしたコンデンサーの頭は・・・へこんでいるのです???
上の写真と違いがわかりますか?
こんなのは・・・初めてみました。一気に破裂して、中の圧力が抜けてへこんだのでしょうか?
とりあえず単体を調べてみると・・・容量が1/10以下に抜けてしまっています。
通常、液漏れした電解コンデンサーでも、容量は問題ないことが多くたいていの場合は、ESR(等価直列抵抗)が上昇していることが多いです。
う~ん、いつもの液漏れコンデンサーと様子が違います。
平滑用の電解コンデンサーを日本製のものに交換して、まず冶具で確認してみました。
5Vスタンバイ電圧が正常に出力されています。PS-ONにしてみると、各系統の電圧が正常に出力されました。液晶モニター用の24Vも出力されています。そのままの状態で暫く確認しましたが問題ないようです。他の箇所は故障しているようではないと判断しました。
検証用パソコンに接続して、まる1日かけて負荷テストを行いましたが、問題ありませんでした。
今までいろいろな液漏れ・破裂電解コンデンサーを見てきましたが・・・今回のようなのは初めてです。頭部が膨らむとばかり思っていましたが、ちょっとへこむこともあるんですね。
p.s.お客様から、「電源ユニットを取り付けて正常に起動しました」とご連絡がありました。(2010.1.26)
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