gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

戰國策 齊策四 (「戦国策 上」明治書院より)

2022-01-19 16:38:32 | 日記
戰國策 齊策四

蘇秦謂斉王曰「斉秦立為両帝、王以天下為尊秦乎。且尊斉乎。」王曰「尊秦。」 「釈帝則天下愛斉乎。且愛秦乎。」王曰「愛斉而憎秦。」 「両帝立、約伐趙、孰与伐宋之利也。」王曰「不如伐宋利。」 対曰「夫約然与秦為帝、而天下独尊秦而軽斉、斉釈帝、則天下愛斉而憎秦、伐趙不如伐宋之利。故臣願王明釈帝、以就天下。倍約儐秦、勿使争重。而王以其間挙宋。夫有宋則衛之陽城危、有淮北則楚之東国危、有済西則趙之河東危、有陰平陸則梁門不啓。故釈帝而貳之以伐宋之事、則国重而名尊、燕楚以形服、天下不敢不聴、此湯武之挙也。敬秦以為名、而後使天下憎之、此所謂以卑易尊者也。願王熟慮之也。」

原文のあるサイト

原文、譯文 (現代中国語訳) のあるサイト

書き下し文と現代日本語訳は「戦国策 上」明治書院にあります。

「戦国策 上」明治書院より

(書き下し文)
蘇子、齊王に謂つて曰く、齊・秦、立つて兩帝と爲らば、王、天下を以て秦を尊(たつと)ぶと爲すか、且(は)た齊を尊ぶとするか、と。王曰く、秦を尊ばん、と。帝を釋(す)てば、則ち天下、齊を愛せんか、且た秦を愛せんか、と。王曰く、齊を愛して秦を憎まん、と。兩帝立つて、約して趙(てう)を伐つは、宋を伐つの利に孰與(いづれ)ぞや、と。王曰く、宋を伐つに如か不(ず)、と。對へて曰く、夫れ約して[然]秦と與に帝と爲らば、天下獨り秦を尊んで齊を輕んじ、齊、帝を釋てば、則ち天下齊を愛して秦を憎まん、趙を伐つは宋を伐つの利なるに如かず。故に臣願はくは王の明かに帝を釋てて、以て天下に就き、約に倍(そむ)き秦を儐(しりぞ)け、重きを爭(あらそ)はしむる勿くして、王、其の閒(あひだ)を以て宋を擧げんことを。夫れ宋を有(たも)たば、則ち衛の陽城(やうじやう)危ふく淮北(わいほく)を有たば、則ち楚の東國危ふく、濟西(せいせい)を有たば、則ち趙の河東危ふく、陰・平陸を有たば、則ち梁門啓(ひら)けじ。故に帝を釋てて之に貳(くは)ふるに宋を伐つの事を以てせば、則ち國重くして名尊く、燕・楚は刑を服し、天下、敢て聽かずんばあらじ。此れ湯・武の擧(きよ)なり。秦を敬して以て名と爲し、而る後天下をして之を憎ましむ。此れ所謂(いはゆる)卑を以て尊に易ふる者なり。願はくは王の之を熟慮せられんことと。

(現代日本語訳)
蘇子が、斉(の閔)王に説いて言った、「斉と秦とが立って東・西両帝となられた場合、王さまは、天下の諸侯が秦を尊ぶとお思いになりますか、それとも、斉を尊ぶとお思いになりますか。」王が言った、「秦を尊ぶであろう。」「帝号をお捨てになった場合、天下の諸侯は、斉を愛するでしょうか、それとも、秦を愛するでしょうか。」王が言った、「斉を愛して、秦を憎むであろう。」「東・西両帝がお立ちになって、盟約して趙をお伐ちになるのは、宋をお伐ちになるのと、どちらが有利でしょうか。」王が言うには、「宋を伐つ方が有利だ」と。(蘇子が)答えて言うには、「そもそも、盟約して秦とともに帝におなりになったら、天下の諸侯は、ひとり秦を尊んで、斉を見くびり、斉が帝号をお捨てになったら、天下の諸侯は、斉を愛して秦を憎むでありましょう。(しかも、秦と盟約して)趙をお伐ちになるのは、宋をお伐ちになることの有利なのには及びません。されば臣は、王さまが、はっきりと帝号をお捨てになって、天下の諸侯に付き従われ、盟約に背いて秦を体(てい)よくあしらい、(秦に斉と)覇権を争わないようにしておいて、王さまには、その隙に宋を攻め滅ぼされますよう、お願い申し上げます。さて、宋をお保ちになったら、衛の陽城(衛の邑)は危うく、淮水以北をお保ちになったら、楚の(下)東国は危うく、済水以西をお保ちになったら、趙の(黄)河(以)東は危うく、(斉の)陰・平陸(の両邑)をお保ちになったら、(魏の首都、大)梁の門は開けますまい。されば、帝号をお捨てになって、これに宋を伐つことを増し加えになりますならば、お国は重くなり、お名は尊くなり、燕や楚は成り行きとして屈服し、天下の諸侯は唯一人として仰せに従わないものはありますまい。これこそ、古の殷の湯王・周の武王にもひとしい壮挙でございます。秦を敬って面目を立てておやりになり、そうして置いて、天下の諸侯に秦を憎ませるという段どりは、これが世にいう、『卑しきを以て尊きに易える』ということでございます。なにとぞ、王さまには、この点をよくよくお考え下さいますように」と。













最新の画像もっと見る

コメントを投稿