潛研堂文集 五 兩馬
主人有兩馬一赭白一青其齒相若調良又相若也試之行而校其里數則赭白者日贏一十主人才之被以黃金鞍錦障泥異檀而飲之出入射獵必以從青馬惟默水芻而已閱一年而赭白死欲乘青馬鞭之不前乃舍勿乘重一十年叔於種下主人曰是凡馬也而霸於赭白意者造物忌才乎將修短有定命乎其夜青馬見夢於士人曰予以吾真不如赭白邪吾與彼皆凡馬也力之所不及吾能安焉黃金鞍錦障泥於吾柯盆吾故不官窮極其力以殉之彼強其力以求勝故不久而傷其天年然自主人乘赭白驚而蹙者歲齋一一而吾未嘗一日貽主入憂予奈何優彼而劣吾主人覺以告廬史廟吏曰是非知命者彼知生之可樂而不知榮之可印以直一匕彥責一樂也以凡焉而冒神峻之名而享共利赭白之所得視彼多矣若夫驚而蹙主人受其咎而未嘗以咎馬則赭白亦智矣哉
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現代日本語訳を考えてみました。
(拙訳)
主人は2頭の馬を飼っていた。1つは赤土色、1つは青色。その歯はともに若くよく調っていて、互いに若い。ある日、試しに行かせて、その道のりを比べると、赤土色は日に十里余り行った。主人は能力あるこれに黄金の鞍と錦の(馬の脇腹に垂れたあぶみの)泥よけを被せた。檀(まゆみ)を異にし、これに飲ませ、猟に出入りするときは必ず従えた。青い馬はもっぱら黙って水と馬草を食んで、自分の時間を過ごす一年だった。そして赤土色が死んだので、青色に乗ろうと鞭打ったが、進まないで止まる。重ねて十年、乗ることがなかった。末に主人が広めて言うには、青が平凡な馬で、赤土色より長命だったのは、天の神が才能ある者を嫌うためだろうか、はたまた、短く修める定まった寿命があるのかな。その夜、青い馬は夢を見た。夢の中で、学徳を積んだ立派な人が青い馬に言った。自分は本当に赤土色に及ばないのか?自分も赤土色どちらも普通の馬である。力の赤土色に及ばない所は、自分が、なぜか黄金の鞍と錦の泥よけに比し、木の枝の台だったことだ。自分は故に、その力を窮めに極め、命を捨ててまで主人に従う役を司らなかった。赤土色は強いその力で勝ちを求めた故に長生きしないで敗れた。その定まった寿命には、そうして主人が赤土色に乗ったことで驚いた。きゅうきゅうとちぢこまった者は寿命が一年一年縮まる。しかし、自分は未だ嘗て、自分がどのように赤土色より優れようかと主人を心配したりして送った日は、一日もない。そして劣った自分に主人は気付き、家と廟の使用人に告げて言うには、短命を知る者では、生きるその生涯を楽しめないだろう。また、誉れを知らなければ、誉れのため仕事を司る印を持てないだろう。ただ、一男女は1つの楽しみを求めるのである。普通の馬でありながら、素晴らしい優れた馬の名を冒すと、赤土色の馬は、見ることができる所の共通の利を享受すること多いだろう。もし、それで、驚き、こせこせするなら、主人はその咎を受け、未だ嘗て、馬つまり赤土色の馬を咎めて、また智恵があったということはないなあ。
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