唐國史補 (中唐)李肇
裴佶常話:少時姑夫為朝官,有雅望。佶至宅看其姑,會其朝退,深嘆曰:“崔昭何人,眾口稱美。此必行賄者也。如此安得不亂!”言未竟,閽者報壽州崔使君候謁。姑夫怒呵閽者,將鞭之。良久,束帶強出。須臾,命茶甚急,又命酒饌,又令秣馬、飯仆。姑曰:“前何倨而後何恭也?”及入門,有得色,揖佶曰:“且憩學院中。”佶未下階,出懷中一紙,乃昭贈官絁千匹。
——李肇《唐國史補》
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裴倍姑父外廉內貪:裴佶常話:少時姑夫為朝官,有雅望。佶至宅看 -華人百科
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良久,束带强出.须臾,命茶甚急什么意思_百度知道
現代中国語訳から日本語にしてみました。
(拙訳)
裴佶(字弘正752~813)は嘗てこんな事を話したことがある。裴佶がまだ若い時、おじさん(父の姉妹の夫)は朝廷に仕える役人で、品行清らかで貴いと評判がよかった。一度、裴佶はおじさんの家に行き、おじさんが朝廷から退出するのに間に合った。(おじさんは)深く深く嘆いて、独り言を言った「崔昭はどんな人なんだ。人々は口を揃えて皆、崔昭を称賛する。これはきっと賄賂をして獲得した評判だろう。こんなのが続けば、どうして朝廷の政治を腐敗させないことができようか。裴佶のおじさんの話がまだ完全に話し終わらないうちに、門番が壽州の崔長官がご主人様に謁見すると報せた。裴佶のおじさんは聴くと怒って、門番を叱り一度鞭打った。長い時間が経ち、おじさんは装束を整え、敢えて客を出迎えた。すぐ、おじさんは家の人に崔長官にお茶を出すよう命じた。またしばらくすると酒宴の準備を命じた。またしばらくすると、崔長官の馬に草を食べさせ、使用人にご飯を食べさせるよう命じた。崔長官を送り出した後、おばさん(父方のおば)は、おじさんに尋ねた。「あなたはどうして前はあんなに傲慢だったのに、後はどうしてそんなに謙虚なのですか?」裴佶のおじさんは意気揚々とした面持ちで門に歩いて行き、手を振り、裴佶をここから離れさせて言った。「しばらく書院に休みに行きなさい」裴佶は家を出て、まだ門前の階段まで行かないうちに振り返ると、おじさんが懐から1枚の紙を取り出すのが見えた。紙には書いてあった「崔昭は太織りの絹織物千匹を贈る」と。
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