4月19日(金) 対戦相手:見物客
某所
朝4時に起きて5時に家を出て6時に渋谷集合でロケに来ております。映像のお仕事なのですが、久々ですね。役どころはピエロさんです。遊園地で風船を配る役だそうですが、細かい演技などはその場で決まるのかな?台本には
ピエロ、丸い風船
としか書いてませんもんね。これはパントマイムで動くから台詞が台本に書かれていない。という訳でもないようで、ほんの1シーンである事を示していますね。映像の仕事って待つのが当たり前みたいなところがありますからロケバスの中でウトウトしてますと、お子さんとお母さんが入ってきました。子役さんのようです。そして、私、どうもこのお子さんに風船をプレゼントするそうです。
だから台本読もうよ。
いや、読んでもそれ以上書かれて無いんですってば。
「こんにちは~。」
「、、、。」
お母さんいわく2歳半のこの女の子、メチャクチャ怖がってますよ、そりゃこんな白い顔で赤緑な人今まで見たこと無いでしょうし。お近づきの印にと、ひとつペンシルバルーンを膨らましてプードル作ってみましたが、
「◎◎ちゃん、風船くれるって。」
「いやない。」
もう完全に拒否。仕方ないっす。でもロケバスの中という空間を共有していますと、慣れてくるんですね。徐々にさっき作った風船の犬に興味を示し始め、ウサギに喜びお花のブレスレットを腕にした頃には完全に心開いていますよ。よしゃ!さて、いよいよ我々のハートウォーミングなシーンの撮影の時間が来まして某所の遊園地内に移動します。それでも女優さんを撮って回っている本隊はまだ別の場所のようで、こんな格好が遊園地にいたら違和感は全く無いものの
人が集まるのです。そりゃそうだわ。人を集める為の職業みたいなとこ有るからね。で、見えないガラス拭いたり、写真撮られたり、握手したり時間つぶし。ペンシルバルーンは使い方を間違えると大行列が出来てしまいますから、極力使わないようにしてます。で、いよいよ本隊が登場。遊園地に遊びに来ているという設定のエキストラさんも多くいらしてます。それ以外にはカメラがある事で集まってしまうギャラリー達ですね。しかもピエロ居るでしょ。大学生か専門学生か若い女の子の団体がやってきまして、しばらく動かないでいますと
「人形?」
「人間??」
「本物???」
よくあるリアクション。でも
「今ちょっと笑ったよ。」
「あ、ひげ生えてる!」
「動いてんじゃん。」
徐々にウザいリアクション。
「ねぇねぇ、写真撮って。」
「何かやってよ。」
「何の撮影なの??」
徐々に、を通り越して大いにウザいリアクションになってきました。言葉は使っていないにしてもこれ以上この子たちと絡んでいると撮影に支障をきたすね。しかも見たこと有る女優さんとかが現れたらもう収拾付かなくなっちゃうよ。そこでワタクシの取ったパントマイムは、両手のひとさし指を一本ずつ立てて大きく腕を振り
「向こうに行ってくれ!バイバイ。」
うん、我ながら良いパントマイムだったね。それからすぐに撮影が始まりまして1シーン、所要時間2分くらい。カットされてなければ3秒くらいじゃないでしょうか、映ってるのはね。見れる時が来たらお知らせしましょっかね。
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