gooブログはじめました!ホームページ「16葉のクローバ」の番外編です。

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さがさないで

2014-05-01 09:10:04 | 今日子詩集


「さがさないで」

立春も近い 冬の日
刺すように冷たい風は 容赦がない
ほんの少しの陽だまりでは
何れ来る春の気配を したためている

温もりも 優しさをも拒否し続ける
あの 風を
追い駆けてゆきたい

日本を いや 世界を渡り抜けて
時間と季節と空間を
其々に 土足で踏込み
生物の情感などと言う
甘ったれた想像物を 破壊してしまう

それでも
そよ風ではなく・・・・
追い風ではなく・・・・
孤独と背中合わせの風を
追い駆けてゆきたい

瞬時に変化する私
初めから形態も居場所もない
留まることも 安定することもない
掌握することは不可能

だから
さがさないで欲しい
いつかまた 巡り会う時まで

自分自身を 見失っている私を


鼓動

2014-05-01 08:37:02 | 佐藤もも詩集


「鼓動」

どきどきして
一刻も 休むことのない心臓

あなたと私
別れの切なさを知るために
巡り合ったのかしら

だから
どきどきしている この私の鼓動
封切り前のシネマをみるように
こころがこわれそう

ふと
別れのさみしさが 横切るけれど
前よりもあなたを
ずっと 好きになれそう

ふるさと

2014-05-01 08:27:03 | 自遊人マサル詩集


「ふるさと」

ビルという名の 林を抜ける
首都高という 排ガスの道

都心を グルリと一周し
東西南北に 伸びる道

空には 青空はなく
星空も 七色のネオンにかき消され
商店街もなくなり 高層ビルに吸い込まれ
一軒家が無くなり 4~5軒の家が建つ

日進月歩で 移り変わる街並み
我が故郷

故郷の迷子にならぬよう
瞼に残る故郷を 心に焼き付けておこう

ルノアールの「麦束を持つ少女」

2014-05-01 08:15:00 | のりひと詩集


「ルノアールの麦束を持つ少女」

この明るさは どこから来るのだろう
愛らしい微笑み
赤いリボンで飾った金色の髪
見る人を ぴたっと見据えている
つぶらな瞳

絵の背景には 麦の茂りが色ずき
大人たちの労働を真似ながら
父親を手伝う姿が 画面に溶け込んでいる

印象派の中で
ルノアールほど子供の愛らしい
美しさを描いた画家が
居なかったのがよくわかる

彼は旅先の田園で少女に出会って
汚れを知らない 野の天使を見たのだ

能面

2014-04-11 10:42:38 | 今日子詩集


「能面」

見渡す限り 雪一色の山村
田畑には 人も そして動物の足跡すら
何一つ 痕跡が無い

唯一 熱い息遣いを感じさせる
雪深く埋もれた
古い 古い神社・・・

極寒の如月の末
年に一度の「蝋燭能」

村の人々が
近県 いや全国から集う
老若男女たち

煤けた匂いと 微かなお香の香りが漂う
大小様々な蝋燭の灯りが
妖しく揺らめく・・・
笛と鼓と唄の流れに
小町が 童子が 鬼が其々に想いを重ねて
語り 唄い 踊る

人前では
その喜びはもちろんのこと
哀しみも 怒りも せつなさも全て
深く深く 見の内に沈める

いつしか 根雪のように固まり
人の言葉尻から 手の指先から
微かな湯気をあげて
雫となりて 滴り落ちる・・・
て)


河豚

2014-04-11 10:27:52 | のりひと詩集


「河豚」

人は視神経の奥で
知らず
知らずに
汚れに反応するように

気に食わない人
好きな人
空気のように
無害な人に分けている



内臓を取って 資格のある
料理人の手で 丁寧に洗った
トラフグを食べても
本当は警戒している
自分を眠らせていない

レッテルを貼る
他人も
自分も
妥協する仕事の作業現場では
これ以上
好きな仲間はいないという
良い顔をしているのに

ひまわり

2014-04-11 10:20:52 | 自遊人マサル詩集


「ひまわり」

花の中の太陽
ひまわり

夏の暑い日差しを
浴びて

力強く
黄色に輝いている

太陽が
雲に隠れると

地上の
太陽は

俺だよと
存在感を
見せている

(マサル詩集 花のしおりより)

心模様

2014-04-11 10:00:30 | 佐藤もも詩集

「心模様」

あなたに見せてあげたい
私の心模様

あなたに
恋している時間

あなたを
格好良いと感じている時間

ああたが
大切だと思っている時間

ちょっぴり私だけを
みているなんてもったいない
と思っている時間

春の雨

2014-03-17 10:23:16 | 今日子詩集


「春の雨」

霧雨が 白い雲のように漂う

縮んでいた 有機物たちが
目を覚まして
其々に 手足を伸ばそうとする

潤いを得た瞬間に
弾けるように 殻を破る

その力強さ・・・・しなやかさ
止めることは 誰にもできない

はっきりと聴こえて来る 息遣い
温度感も携えて
夜の闇を幾たびか超えて
エネルギーは 膨大に変化していく・・・

孤独・・・という殻を
今 脱ぎ捨てて
再生する 悦び

前例がない

2014-03-17 10:16:05 | 自遊人マサル詩集


「前例がない」

大嫌いな言葉 前例がない
都合の良い言葉 前例がない

自己の職責を守る 最大の言葉
幾度となく この言葉に
阻まれ 閉ざされ 落胆し

幾度となく この言葉を
打ち砕いて きただろう

どの社会にも 通る言葉
どの社会でも 使う言葉
どの社会にも 残る言葉

日進月歩を 阻む言葉
現状維持の 言葉です

ネット心中

2014-03-17 09:51:41 | のりひと詩集


「ネット心中」

身も知らない同士が 勇気のなさ 心細さから
一緒に死んでくれませんかと
ネットの書き込みで誘い合う ネット心中

そんなに死にたければ 誰にも迷惑をかけず
自分だけで死ねばいいのにと思いませんか
それもできない意気地なし
覚悟が固まってもいない人の誘いに乗ったら
ふらふらと悪魔に魅せられたことになります

ほとんどの人は5%の楽しみのために
あとの95%を歯をくいしばり艱難辛苦の仕事をしているのに
若い身空で浮け身の情報ばかり取り込んで夢と現実のギャップに
ついていけ無かったのでしょうか
車の中で練炭を囲み車に目張りして
知らない同士が手を握り 一刻も辛いことから逃れたい
それが苛め、生活苦、病気、失職にしても
まるで自分の力量をとことん発揮もせず
人生の味も匂いも噛みしめることも
立ち食いそばを急いで 掻き込んだみたいに
死という行動に猪突に走る思慮のかけた若者

自分に与えられた時間を粗末にしていませんか?
誰もがどんなにあがいても喜怒哀楽を失うまで
100年の存在です

あなたの目の前の私

2014-03-17 09:47:20 | 佐藤もも詩集


「あなたの目の前の私」

かわいくて
おとなしくて

ひかえめで
気立てが良くて

そんな君がという
あなた

だめだめ
あなたの目の前の私

あなたの目の前に
居るときだけ

旅人

2014-02-25 09:59:09 | 今日子詩集


「旅人」

何処から来て 何処へ向かうの?
何時から「いつから」始まって
何時に終わるの?

幾度となく問われて来た
その度に 自問自答してみるのだが
明確な答えなど 何一つ引き出せなかった

多くの家族や仲間と共に歩いた時もあった
果てしなく続く霧の中を
かけがえのない人と 手を取り合って
迷走することもあった

安定を求めながらも
心の中では魂の変革を切望していた・・・・・

環境が 人々が 変わったのではない
自分自身が 現状を壊し続けていたのだ

何食わぬ顔をして・・・・・

後には 押しつぶされそうな孤独感と寂寥感を残して
それでも 旅立つ自分がいる

私と一緒に 旅にでませんか?
魂の帰る居場所を探しながら・・・・・

マゴ

2014-02-25 09:45:28 | 自遊人マサル詩集


「マゴ」

ただ黙って 抱きしめて
見つめている 目 鼻 口 顔

似ているのは 何処かな
何処が 似ているのかな

他人に そっくりだと云われ
確認するように 鏡に写し
自分の生きた 証が残る

自分の血を分け 受け継いだ
小さな小さな 人間

どんなことでも してやりたい
何事からも 守りたい

我が命の 続く限り

残す

2014-02-25 09:33:10 | のりひと詩集


「残す」

寒い季節
炬燵にもぐり込み
もの思いにふけると
残すものを考える

財産を残す
名声を残す
お金を残す
借金を残す
著作を残す

どれも残すほどのものはないが
最後まで
自分を忘れないで欲しいという
気持ちだけ
冥途まで引きずっているのは
人の最大の弱点かな